Paul Bley (p)
Charlie Haden (b)
Paul Motian (ds)
ポール・ブレイ+チャーリー・ヘイデン+ポール・モチアン『Memoirs』(Soul Note、1990年)は、ずっと聴きたいと思っていた盤で、最近ようやく入手した(いつでも聴けると思うと、こうなるものである)。
チャーリー・ヘイデン『The Montreal Tapes with Paul Bley and Paul Motian』(Verve、1989年)と同メンバー、ほぼ同時期の演奏ながら、雰囲気はずいぶんと異なる。『The Montreal Tapes』では、まるで3人が微笑みながらそっと触れあっているような上品さを醸し出しているのに対し、『Memoir』では、もっと「ぶっちゃけた」感覚がある。
際立った違いはヘイデンのベースか。特に、オーネット・コールマン作曲の軽やかなカリプソ曲「Latin Genetics」では、ヘイデンは、自分こそオーネット・スクール出身だと言わんばかりに、文字通り縦横無尽にベースを弾きまくる。何度聴いても吃驚するほどの自由さ、確信犯的に何かをどこかに置いてきたような演奏である。
「Monk's Dream」における、ブレイのよれていくピアノと、前面に出てくるヘイデンのベースとの絡み合いは、狂いそうな雰囲気を持つ。
ブレイの変態的かつ美に耽溺するようなピアノ、時間軸をゴムのように伸び縮みさせるモチアンのドラムスは、相変わらず素晴らしい。
やっぱり、男は狂気、男は色気。
昔、ポール・ブレイにいただいたサイン
●参照
○ポール・ブレイ『Solo in Mondsee』
○『イマジン・ザ・サウンド』(若いころのブレイが登場)
○チャーリー・ヘイデンとアントニオ・フォルチオーネとのデュオ
○Naimレーベルのチャーリー・ヘイデンとピアニストとのデュオ
○リベレーション・ミュージック・オーケストラ(スペイン市民戦争)
○ギャビン・ブライヤーズ『哲学への決別』(ヘイデン参加)
○富樫雅彦『セッション・イン・パリ VOL. 1 / 2』(ヘイデン参加)
○ビル・エヴァンス『The Complete Village Vanguard Recordings, 1961』(モチアン参加)
○ゴンサロ・ルバルカバ+チャーリー・ヘイデン+ポール・モチアン
○キース・ジャレットのインパルス盤(ヘイデン、モチアン参加)
○70年代のキース・ジャレットの映像(ヘイデン、モチアン参加)