Sightsong

自縄自縛日記

リョン・ロックマン+サニー・ロック『Cold War / 寒戦』

2013-04-19 21:18:31 | 香港

広州からの帰路、リョン・ロックマン+サニー・ロック『Cold War / 寒戦』(2012年)を観る。

まずは、レオン・カーフェイ、アーロン・クオック、アンディ・ラウという豪華な面子が良い。レオン・カーフェイは、人相が変わりすぎていて、配役を見るまでそれと気づかなかった。

とは言え、それほど練られた脚本でもなく、観ながら激しい物語展開を期待していたのだがそれもなく、さしたる傑作でもない。ジョニー・トーを観てしまったあとでは、ストレート過ぎて、物足りなくなってしまうのだ。管理部門と現場とのつばぜり合いというテーマも、ステレオタイプ。


ミヒャエル・ハネケ『愛、アムール』

2013-04-19 20:56:39 | ヨーロッパ

広州行きの機内で、ミヒャエル・ハネケ『愛、アムール』(2012年)を観る。

フランスの老夫婦。妻が突然半身不随になり、妻を愛する夫は、日常生活の中で、介護を行う。妻は、そのような己の姿に耐えられない。身体能力は着実に失われてゆき、言語能力もまた失われた結果、やがて妻は赤子のようになってしまう。夫は、そのような妻と運命共同体だった。

『ヒロシマ・モナムール』エマニュエル・リヴァが、広島から50年以上を経て、生をぼろぼろと崩れさせていく妻を演じる。迫真性というよりは、淡々とした凄みがある。同じことは、夫を演じるジャン・ルイ・トランティニャンにも言うことができる。

身体が崩壊していくこととは何だろう、と、言葉以上に、こちらのまだ崩壊していない身体に、アウラで訴えかけてくる映画である。いまだ怖くて、傑作だったのかどうかよくわからない。

●参照
アラン・レネ『ヒロシマ・モナムール』