ミシェル・ペトルチアーニ『Vienna 1985』(Jazz Time、1985年)を聴く。
Michel Petrucciani (p)
Palle Danielsson (b)
Eliot Zigmund (ds)
『Live at the Village Vanguard』(Blue Note、1984年)と『Pianism』(Blue Note、1985年)の間に録音された、同一メンバーによるトリオ演奏の記録である。つまり悪いわけはない。
『Live at the Village Vanguard』と同じ曲は「Nardis」と「Oleo」。両方とも、特に「Oleo」は前作よりも和音の作り方を複雑にしてかなりの発展をみせている。とは言え(比較して)単純には単純の良さがあって、前作では気持ちよく乗せられてスピードカーで最後まで突き進む爽快感があり、本作はより試行を形として付加している。
『Pianism』と同じ曲は「Our Tune」。こちらは逆に後の『Pianism』のほうが上品にまとまっているように聴こえるが、これはスタジオ録音のゆえかもしれない。
いずれにしても不世出の天才ペトルチアーニは何でも聴くべきだという結論。固めに音をまとめて駆動するパレ・ダニエルソンとエリオット・ジグムンドとの組み合わせは、後年のアンソニー・ジャクソン、sティーヴ・ガッドとのトリオと共通するものがある。
●ミシェル・ペトルチアーニ
チャールス・ロイドの映像『Arrows into Infinity』(2013年)
マイケル・ラドフォード『情熱のピアニズム』 ミシェル・ペトルチアーニのドキュメンタリー(2011年)
ミシェル・ペトルチアーニ『One Night in Karlsruhe』(1988年)