森剣治『Plays the Bird』(Offbeat Records、1976年)を聴く。
Kenji Mori 森剣治 (as)
Tetsujiro Obara 小原哲次郎 (ds)
Nobuyoshi Ino 井野信義 (b)
確かに「Donna Lee」や「Perdido」にチャーリー・パーカーの小気味いいブルースのフレーズが出てくるのだけれど、それを追いかけている印象はまるでない。すべて取り込んで自身の歌を余裕を持って繰り出している。アルトの鳴りも最高に良い。
他の人の影響もあるのかな。「Just One of Those Things」において、井野さんのベースがぐいぐいとトリオを駆動する中で変わったフレーズを積み重ね、最後にテーマをもってくる芸なんてリー・コニッツ『Motion』を思わせるし、「Perdido」においてはソニー・ロリンズの「St. Thomas」でのリフの繰り返しを誰でも思い出すだろう。それも全部森剣治。
なんで今まで聴かなかったんだろう。