息子と市川市コミュニティバスに乗って1時間、本八幡の千葉県立現代産業科学館に行った。
思うに、バスほど、いつも使っている人と初めてその場所で使う人との意識差が大きい交通機関はないだろう。このバスはいつも使っているので、故・田中小実昌氏の気分で脱力弛緩。しかし、車酔いするので、しりとりくらいしかすることがなく、車窓からコンデジで適当に写真を撮ったりした。
エッセイでは、コミさんはいつも飄々としているように見える。ただ、晩年の『バスにのって』(青土社、1999年)でも、鋭くぼやいたりしているのが面白い。
「アメリカ南部では、K.K.K.(クー・クラックス・クラン)は悪評高い人種差別団体だが、K.K.K.というバスがニホンのトーキョーではしっていることなど、アメリカのひとはだれもしらないだろう。」
知らない場所で緊張しながら乗るバス。ベルギーのアントワープでは、セシル・テイラーを観るために終点まで行ったが、だんだん英語を話せる人がいなくなってきた。ドイツのデュッセルドルフでもホテルに行くために終点まで行ったが、意外にドイツ語しか話せない。その2回は不安だけで済んだが、スリランカでは、運転手に確認してバスを乗り換えたのに、気が付くとさっき来た道を逆走していた!背に腹は変えられず、バスのなかで衆人注視のなか大騒ぎをして、すれ違うバスに乗せてもらった。言葉が通じないところだと、不安爆発という旅の醍醐味が、バスについてまわる。この落差が面白い。
現代産業科学館は、思ったより楽しかった。超伝導や落雷の実験などイベントがあるし、展示物も子供向けの科学遊具だけでなく、転炉や高炉の模型、発電所の模型、スーパーカミオカンデでニュートリノを検出した機器など大人も楽しめる。都心の混んだ博物館に出かけるなら、この辺の方にはおすすめだ。
『バスにのって』(田中小実昌、青土社、1999年)
バスにのって 市川市コミュニティバス版
ゼーマン効果の実験、放電実験、川鉄の高炉の模型、スーパーカミオカンデの検出器
すごろくもある
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