ヴィジェイ・アイヤーが音楽を担当し、プラシャント・バルガヴァが映像を撮った『Radhe Radhe - Rites of Holi』(ECM、2014年)を観る。
Vijay Iyer (p, composition)
International Contemporary Ensemble
インド北部の祭祀。極彩色の粉や泥にまみれた、誰がみても非日常の時空間に、ストラヴィンスキーを意識したアイヤーが音楽を付けていく。
映像にはもちろん目を奪われる。しかし、俯瞰したり、中望遠で被写体以外のボケを活かしたり、少しコマ送りを粗くしたりと、その手法はあまりにもステレオタイプだ。要は、恥ずかしげもないオリエンタリズムなのであり、観ながら恥ずかしくなってしまう。もちろん、アイヤーはインド系であり、バルガヴァをはじめとするスタッフもインドである。しかしそのことは、オリエンタリズムを回避しおおせているという理由にはならない。
アイヤーに求めるものもこれではない。
●参照
ジャファール・パナヒ『これは映画ではない』、ヴィジェイ・アイヤー『In What Language?』
ヴィジェイ・アイヤーのソロとトリオ