スピリッツ・トリオ『JAZZ』(Venus、1994年)を聴く。
Spirits Trio:
Masahiko Togashi 富樫雅彦 (ds)
Hideo Ichikawa 市川秀男 (p)
Ikuo Sakurai 桜井郁雄 (b)
これを聴くのは発表当時以来久しぶりである。当時はここまで良いとは感じなかった。毒にも薬にもならぬようなタイトルとジャケットに騙されてはいけない。
やはりVenusらしくスタンダードやバラードが中心であり、どれも沁みる。特に好きな曲は、富樫雅彦の名曲「Waltz Step」。個人的な記憶では、富樫雅彦トリオの『Ballads for You』における山下洋輔、Great 3の『Begin the Beguine』における菊地雅章のピアノが印象深いのだが、ここでの市川秀男は左のエッジイなふたりとはまるで異なり、まろやかで、透き通っていて、品があって、これもまた素晴らしい。
そしてもちろん富樫雅彦である。研ぎ澄まされた唯一無二のパルスが、すとととと、と。
●富樫雅彦
富樫雅彦が亡くなった(2007年)
『富樫雅彦 スティーヴ・レイシー 高橋悠治』(2000年)
富樫雅彦+三宅榛名+高橋悠治『Live 1989』(1989年)
内田修ジャズコレクション『高柳昌行』(1981-91年)
富樫雅彦『セッション・イン・パリ VOL. 1 / 2』(1979年)
富樫雅彦『かなたからの声』(1978年)
翠川敬基『完全版・緑色革命』(1976年)
富樫雅彦『風の遺した物語』(1975年)
菊地雅章クインテット『ヘアピン・サーカス』(1972年)
菊地雅章+エルヴィン・ジョーンズ『Hollow Out』(1972年)
富樫雅彦『Speed and Space』(1969年)
小川紳介『1000年刻みの日時計-牧野村物語』(1968年)
『銀巴里セッション 1963年6月26日深夜』(1963年)
●市川秀男
ジョージ川口『Plays Herbie Hancock』(1987年)
ジョージ大塚『Sea Breeze』(1971年)
菊地雅章『POO-SUN』(1970年)