Sightsong

自縄自縛日記

デミアン・チャゼル『Whiplash(セッション)』

2015-02-07 07:40:55 | アヴァンギャルド・ジャズ

ソウル・金浦から羽田への帰国便で、デミアン・チャゼル『Whiplash』(2014年)を観る。この4月には、『セッション』という邦題で日本公開されるようである。

アメリカの名門音楽学校。ジャズドラマーを志す少年に、ビッグバンドを率いる教師が目をかける。教師の信念は、「セッションでうまくなかったチャーリー・パーカーにジョー・ジョーンズがシンバルを投げつけ、笑いものにしたからこそ、巨人バードが生まれたのだ」ということ。少年は、それ以上に異常なほど苛烈なスパルタ教育を受ける。やがて破滅が訪れ、少年も教師も学校を去る。

その後、ライヴハウスで教師に再会した少年は、ジャズフェスでかつて演奏した曲で叩かないかとの誘いを受ける。しかし、それは罠だった。

ジョン・パティトゥッチだったかミロスラフ・ヴィトウスだったかが、「来る日も来る日も楽器の練習ばかりして、友達もいないし他のことも何一つできない。だけど、それだからこそ世界的な音楽家と共演できているんだよね」などといった発言をしたという話を聞いたことがあるが、まさにそれを絵に描いたようなプロットである。言ってみれば、ジャズ版『巨人の星』。教師と少年との愛憎入り混じる感情もヘンタイ的に描かれている。

ああ怖い、こうでもしなければ一線級のジャズ演奏家にはなれないのかしら。


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