岡田正彦『人はなぜ太るのか ―肥満を科学する』(岩波新書、2006年)を読む。
ダイエットほど、無数の有象無象の情報で溢れている分野はなかなかないだろう。そんな中で、ナニナニ法ダイエット本や、テレビショッピングの効き目があるのかどうかわからないツールを買うよりは、本書のように、肥満の理論や科学的知見と、それに基づくアドバイスを示してくれるものをしっかり読んで、重要な箇所を頭に叩き込んだほうが、はるかに有用だと思う。
いろいろと興味深い指摘がある。
○血糖値を急速に上げる食品(パンやアイスクリームなど)よりも、ゆっくりと上げる食品(ソーセージ、ヨーグルト、グレープフルーツ、りんご、梨、ゆでたスパゲッティなど)の方が、合計して同じカロリーであっても、太らない。
○極端な食事はよくないが、その前提で、炭水化物と脂肪は、やはり抑えなければならない。
○BMI(=体重/(身長×身長))はすぐれた指標。これが25未満であれば、どのあたりが最適かを言うことは難しい。ある実験では、24の人がもっとも死亡率が低いという結果が出た。
○体脂肪率は、測定条件による変動が大きく、あまりあてにならない。また、その中で内臓脂肪がどの程度かについてはわからない。
○運動だけでもダイエットだけでもダメ。両方やるべし。筋トレも必要。
○酒は太る原因にはなりにくい。カロリーだけでは判断できない。
そんなわけで、筋トレ、有酸素運動、炭水化物の抑制という3点セットは正しいのだとわかった。
●参照
○やっぱり運動ダイエット