ブリュッセルで空いた時間に、ベルギー王立美術館を覗いた。入館の際のチェックは厳重で、わりと時間がかかる。
ちょうどルネ・マグリットの特別展をやっていた。ブリュッセルにはマグリットが住んでいた家があって、2004年に観に行った。暖炉の上から列車が出てくる絵などはその家で描かれていて、中では暖炉と絵とを観ることができる。しかし、こちらの王立美術館に入るのははじめてだ。
中学生の頃から大好きな画家でもあり、もはやサプライズはないのだけれど、「光の帝国」2種類などの作品を観ることは嬉しい。
ところで、入口に、マグリットとマルセル・ブロータスが自動車に乗っている人形が展示されていた(ヨラ・ミナッチーというアーティストによる)。手にはマラルメの写真。後ろの座席にいる女性がカメラを持っており、それはおそらくニコマート(海外版ならNikkormatか)。ちょっと時代考証が甘いぜと思い調べてみると、ニコマートFTの発売は1965年、マグリットの没年は1967年、ブロータスの没年は1976年。おかしくはない。
それよりも(文字通り)度肝を抜かれたのはブリューゲル父子の作品群である。
「ベツレヘムの戸籍調査」は父子両方の作品が並べられており、比べると愉しい。偉大さでいえばオリジネイターの父なのだろうけれど、子の筆も仔細でまがまがしく、ポップでもあり、どれだけ凝視してもキリがないほど面白くドキドキする。
「謝肉祭と四旬節の喧嘩」は子の作品が展示されている(父の作品はウィーンにあるようだ)。なんなんだ、この奇怪な人たちは。おそるべしヨーロッパ中世。以下参照。
ああ、そういえば上野での展示も観に行かないと。