中間管理職トネガワ、圧倒的復活!!!

2016-08-16 17:10:46 | 本関係

『中間管理職トネガワ』の第3巻が世に出た。無論、というか言うまでもなくワシは中身を見ずに購入したが、それは期待よりもむしろ、引導を渡すためだった。なぜなら、2巻ではすでに圧倒的倦怠ムードが漂っていたからだ。

 

まあ所詮は出オチのスピンオフ作品。同人的なノリで人気を博すのも2巻が限界で、そろそろ潮時だろうよと中を見れば・・・・・信じられないことに爆笑の連続!!!

 

一体何が復活の原因なのだ!??そう思って分析してみると、根底にある悪魔的発想を見抜くことができた。まず1巻の目次を見てみると、第1話から第7話までが収録されており、最後に福本伸行(つまり原作者)の書き下ろしが入っているという構成。その中身は書き下ろしも含め全て8/8がチーム利根川の話となっている。では2巻はというと、12.5話と番外編をそれぞれ1話カウントすれば、実に8/9話がチーム利根川のエピソード!唯一第8話だけがほぼ全て利根川と会長のやり取りで今までとやや趣が違っている程度なのだ。こう書いてみれば、第2巻がマンネリなのは必然!なぜなら、ほぼ1巻の仕組みを踏襲しておるわけで、早くもサザエさん・ドラえもん化しているのだ。なるほどなるほど、「国民的番組」であるならこのマンネリ化・定番化はむしろ安心の源泉であり、作品の(頽落ではあっても)ある種の安寧を約束するであろう。しかし、勢い(だけ)が勝負のスピンオフ作品でこのような安定化路線は下の下!むしろ自らの首を絞める発想なのだ(という認識を製作者側もしていたがゆえの、班長を主人公とした特別読み切りの収録であろう)!!

 

しかるに3巻はまるで様相が異なっている。収録された九話のうち、チーム利根川で完結しているのは第19話のみで、他は利根川が主人公ではあるものの、冒頭の第15話は帝愛の入社面接とその希望者の話、第16話は利根川が訪れた飲食店の話、第17話はマルチ商法の勧誘セミナー、第18話はライバルの黒崎が登場してお互いに会長の歓心を得るべく奮闘するetc...という具合にチーム利根川以外の人間(舞台)が話の中心となっている(黒崎が会長に「よだれが出過ぎです」と突っ込みつつハンカチを渡したり、関西支社では利根川の気遣いをことごとく善意?でドスの効いた関西弁にて粉砕する木根崎など、作品の視点・切れ味は健在である)。そしてこの悪魔的発想(当然の戦略ともいう)が、まさしく復活の根本要因であることは否定すべからざる真理!!

 

このようにしてネクストステージに到った「中間管理職トネガワ」が、この勢いでヴィクトリーロードを突っ走るのか、はたまた再びマンネリズムに陥るのか、それを楽しみに死の4巻を楽しみに待つとしよう。

 

最後に。利根川がアイヒマンに見えるのはワシだけか?


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