世界への失望

2006-01-27 20:36:05 | 生活
私にとってこの世は、笑顔で嘘をつく唾棄すべき者たちが支配する空間であり、しかも彼らはそれを疑いもせず「普通」として自分に押し付けてくる異星人たちであった。そういう思いの中で、私は小学校5年だか6年の時、世界に失望した。それは当然、「普通」という基準への嫌悪・憎悪に繋がった。おそらく、その時すでに「狂気」へ傾倒する準備は整っていたのだろう。それがすぐに顕在化することはなかったが、私は恐ろしく投げやり . . . 本文を読む
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ロシア文学乱舞

2006-01-27 19:21:08 | 本関係
ゲーム熱が一段落しつつあるので、小説を大量に読もうと思って『チェーホフ全集』5,8,9,10、ドストエフスキー『罪と罰』上、中、下、ゴーリキー『どん底』、ゴーゴリ『外套、鼻』を借りる。『カラマーゾフの兄弟』も借りようとしたが、文庫で最も新しい版が貸し出し中だったため断念。チェーホフ全集はいっそハードカバーで全巻揃えようかと考えている。 ついでにペトラルカ『ルネサンス書簡集』、ヴィトゲンシュタイン . . . 本文を読む
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ハリポタの面々に告ぐ

2006-01-27 03:52:21 | 生活
1/29の贈り物について考えない、これぺけアルぞ。我求名案。 . . . 本文を読む
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チェーホフと「マテリアリズム」

2006-01-26 20:49:45 | 本関係
『チェーホフ全集10』所収の「役目がら」「かわいい女」「新しい別荘」「犬をつれた奥さん」まで読了。チェーホフには失礼な話だが、今まで読んだ「ワーニャおじさん」「桜の園」「かもめ」が四大劇に位置づけられているというのを知って、実は他の作品について若干の不安を持っていた。しかし、上記四作を読んだ時点でその心配が杞憂であったことがわかった。彼の鋭い視点や描写の仕方は多くの作品に適応できるものらしい(まっ . . . 本文を読む
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チェーホフ「ワーニャおじさん」補足:思想のモード化の恐ろしさ

2006-01-25 19:43:40 | 本関係
以前「ワーニャおじさん」の感想を書いたとき、特にソーニャの、教授とその思想に対する態度は流行という現象を想起させると指摘した(「『ワーニャおじさん』分析:フェミニズムと思想への態度」参照)。これについて、教授を否定する立場のワーニャ、アーストロフの二人に焦点をあてて考えてみたい。彼らは、「変人」として扱われるかのけ者にされている。これらは、時代の流行から外れているがために異端として扱われていると言 . . . 本文を読む
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ひぐらしへの評価が厳しくなる必然性

2006-01-24 23:32:12 | ひぐらし
ひぐらしの公式HPで掲示板を見ている人ならわかると思うが、そういったところに書き込む人間からもかなりひぐらしの批判が出ている(特にこのスレッドでは突っ込んだ意見交換が行われている)。そこに書き込むほど熱心ではないプレイヤーの反応は推して知るべし、というところだろう。 その評価について、ひぐらし=「推理モノ」という見方を受け、他の推理モノはどうだったか?「ノックスの十戒」は守られているのか?推理の . . . 本文を読む
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エレナ・ポーター『スウ姉さん』

2006-01-24 21:35:18 | 本関係
『少女パレアナ』で一躍有名になったエレナ・ポーター晩年(1920年)の作品。等身大の女性の生き方を描いた小説といった評価をされている。内容を大雑把に言えば、家業中心の生き方と音楽家の道の葛藤を描いたウーマンリブのお話。 まあそれはとりあえず、主人公スザナ(「スウ姉さん」)の弟ゴルドンや妹メイ、そして父親のジョンたちに「こいつら何から何までおんぶにだっこかよ!」と激しい怒りを覚えた。特に、スザナに . . . 本文を読む
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ゴシップ記事が隆盛する土壌

2006-01-24 00:09:51 | 感想など
※まずはじめに断っておくが、私には海外の新聞記事などについての知識が乏しい。また発行部数を比較対照した本をよんだわけでもない。それゆえこの記事は粗描の意味合いが強い。読まれる方はそれを意識してもらいたい。 今日友人に聞いた話では、ゴシップ記事が日本とアメリカにおいてよく売れ、逆に例えばフランスなどでは人気がないのだと言う。思うに、これは道徳観念の違いに根ざしているではないだろうか。日本について . . . 本文を読む
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知行合一という観念の縛り

2006-01-23 22:40:27 | 抽象的話題
知識は必ずしも行動を伴わないし、人格についても同じである。ゆえに、知識と行動(往々にして人格も)が一致するという「知行合一」を前提として人を判断するなら、多くの見当違いをしてしまうだろう(なお、権威主義もこれと似た側面を持つ)。我々は、例えば天才が人格的・行動的にしばしば「普通」を逸脱していることを知っているにもかかわらず、こういった誤りを時に犯してしまっているように思う。 また知識のある人間の . . . 本文を読む
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ゴーゴリ『検察官』:風刺の面白さと鋭さ

2006-01-23 22:01:03 | 本関係
このブログで何度か紹介してきたチェーホフ(1860-1904)より半世紀ほど前の作家であるゴーゴリの作品。岩波版のあとがきによれば、本作は1836年に発表されたのだが、『死せる魂』と並んでゴーゴリ作品の最高峰と讃えられるのだそうだ。そのあたりは、予備校で習った世界史で覚えさせられたくらいだから、ロシア文学に詳しくなくても評価の高さは理解できる。 さて、本作は田舎町に特命を帯びた検察官が派遣される . . . 本文を読む
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