ゴーゴリ著、吉川宏人訳『外套 鼻』(講談社学芸文庫 2003)に所収の作品群を読了。それぞれについて簡単に感想を述べていきたい。
・「外套」
最初のわざとらしい書き出し、仕事しか楽しみのないような人間、あるいは尊大な人間の心理(42-47p)の描写など(「検察官」などにも共通する)機知に富んだ風刺に満ちており、思わずニヤリとさせられる。
だがこの作品は、笑わせる側への「サービス」だけでは終わら . . . 本文を読む
同性愛について、理屈としてはともかく、生理的嫌悪感を持っているという人は多いと思う(私自身もそういう部分がかなりある)。ふと、ここで考える。嫌悪感が生じるのはなぜだろうか、と。雌×雄という自然の関係から逸脱しているからか?だとしたら、例えば避妊行為に対して、生理的嫌悪感は生じないのはなぜだろうか。
この疑問に対し、避妊は快楽追求が目的なので、それと出産(種の保存)行為を分別しようとする合理的なも . . . 本文を読む