日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
割とまめに書くようにしています。
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【写真展】高重乃輔 「最後の旅」

2023-03-23 20:00:00 | 本・映画・展覧会
 鹿児島の離島(種子島か屋久島らしい)に住んでいた、作者の祖父母を撮った作品展。長年暮らした島を離れ町に住む親類の所に身を寄せることになったが、それをきっかけに体調を崩し、ほどなく亡くなってしまった祖母と、その後あまり時間を置かず亡くなってしまった祖父の姿。

 直接的に悲惨なシーンはないが、冷徹とも思えるシーンが続き、作者はレンズを通して現実を受け入れようとしたのかなと思った。モノクロ作品で、丁寧に額装された作品と、経過を説明する幾つものキャプションパネル、会場はドキュメント発表の場なのだった。ごくごく私的で、でも普遍的とも言える内容。誰もがいずれは向かい合うであろう「その時」、自分はどういう態度を取れるだろうかと、鑑賞者は自問することになるだろう。

 2023年3月4日 新宿・ニコンサロンにて
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【写真展】徳永克彦 「蒼空に魅了されて」

2023-03-23 06:00:00 | 本・映画・展覧会
 航空機の写真を撮る人間はプロ・アマ問わずゴマンいやゴジュウマンと居て、その中でも世界レベルでトップの存在なのが作者。何がトップかって、Akir to Air即ち飛行中の航空機を航空機から撮る稀有な存在であるから。撮影のための搭乗時間は2,000時間を超えると言う。乗り込むのが戦闘機、自らも強烈なG(重力)に晒されながら、その中で鮮やかなシーンを切り取ってゆく。そういう撮り方をするので、被写体は必然的に激しい動きをする軍用機がメインとなる。

 作品を観ると、普通のヒコーキ写真と全く違うことに驚かされる。何より構図が違う。飛んでいるヒコーキを取る場合、大抵は地上から撮影するため、バックは空や街のスカイラインとなる。が、本展に展示されている作品はそれだけでなくい、また大伸ばしにも耐える画質に驚かされる。狭い戦闘機のコクピットに持ち込む機材で、これほどの写真が撮れるとは。軍用機にはあまり興味がないのだが、それでも1枚1枚、丹念に見ているとキリがない。

 こうした写真は通常の航空機写真とは異なり、事前に撮られる側と飛び方の調整、意思疎通が必要なことは容易に想像できる。どういう基準で撮り方を考え、どういう打ち合わせをすれば思い通りに飛んで貰え、それを撮れるのか。準備には相当な時間と作業が必要なはずで、そちらが気になった。

 2023年3月4日 ニコンプラザ東京 THE GALLERYにて
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