レトロな銭湯を営んできた父が亡くなり、残された兄弟とアルバイトの女の子の間で続けるか、止めるかのの諍いが起きる。常連客の哀惜、不動産業者の思惑なども絡んで話は混沌。常連客にもそれぞれ人生ドラマがあり、ハイおしまいでは勿体ないような…
物語はハッピーエンドを迎えたように見えるのだけど、ひねくれ者としては素直に受け入れられない。だってですよ、「これまで通り続けます」じゃ何の解決にも改善にもなってないじゃないですか。しかも話の展開から思うに、燃料の薪の入手はこれまで通りにはできなくなる。亡くなった父親の代わりに都会から戻って来た兄が手伝うにしても、ギリギリのオペレーションには変わりがない。常連客は高齢化し、事実、劇中で一人亡くなっている。新規客が増えるか、客単価を増やすか、経費を切り詰めなければ経営状況は好転しないのだ。そして、それらの施策を打つことで、オペレーションはより大変になる可能性がある。いや私だって、こうした風情ある銭湯には続けて貰いたいのですよ、言っておくが。
そういう理由で、見ている間は「そうだよなあ、やっぱり大きな風呂って、庶民的な銭湯ってイイよなあ」と思っていたのだが、エンドロールの間に急速に気持ちが冷え込んでしまったのであった。でも劇中の天童よしみとクリス・ハートの見事な歌声は良かったし、例によって癖のある柄本明はさすがだし、小日向文世は相変わらずペーソス溢れる人柄だし、予想していた以上にエモい映画でした。
ところで、マジであるじゃないですか映画とは違う「湯道」ホームページ(こちら)。ちょっと、極められないまでも嗜んでみたい。そう思い、夜に銭湯に行ったら休業日だった。
2023年4月5日 川崎・チネチッタにて
物語はハッピーエンドを迎えたように見えるのだけど、ひねくれ者としては素直に受け入れられない。だってですよ、「これまで通り続けます」じゃ何の解決にも改善にもなってないじゃないですか。しかも話の展開から思うに、燃料の薪の入手はこれまで通りにはできなくなる。亡くなった父親の代わりに都会から戻って来た兄が手伝うにしても、ギリギリのオペレーションには変わりがない。常連客は高齢化し、事実、劇中で一人亡くなっている。新規客が増えるか、客単価を増やすか、経費を切り詰めなければ経営状況は好転しないのだ。そして、それらの施策を打つことで、オペレーションはより大変になる可能性がある。いや私だって、こうした風情ある銭湯には続けて貰いたいのですよ、言っておくが。
そういう理由で、見ている間は「そうだよなあ、やっぱり大きな風呂って、庶民的な銭湯ってイイよなあ」と思っていたのだが、エンドロールの間に急速に気持ちが冷え込んでしまったのであった。でも劇中の天童よしみとクリス・ハートの見事な歌声は良かったし、例によって癖のある柄本明はさすがだし、小日向文世は相変わらずペーソス溢れる人柄だし、予想していた以上にエモい映画でした。
ところで、マジであるじゃないですか映画とは違う「湯道」ホームページ(こちら)。ちょっと、極められないまでも嗜んでみたい。そう思い、夜に銭湯に行ったら休業日だった。
2023年4月5日 川崎・チネチッタにて