日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
割とまめに書くようにしています。
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2020年9月11~13日 【旅行】富山&岐阜(後編)

2020-09-30 06:00:00 | 旅行・ハイク&ウォーク
 昨日と同じ道を奥飛騨へ、今日の出発地点は旧奥飛騨温泉口(旧神岡駅)。駅前には神岡鉱山で使われていたバッテリロコや人車が保存展示されている。

 今日も車両は昨日と同仕様だが、配車の関係で3人/台。中央に物入れ兼用の座席があり、座って漕がずに殿様気分になれる。しかし出発近くになって本降りの雨。予報は出ていたためレインウエア上下を着込んでいるが、雨に打たれヘルメット(安全のため着用)から滴る雫ごしに鉄路を見るのは修行であった。

 折り返し点は神岡鉱山前駅、神岡の町の中心部へも近い。ここには検修庫があり、その見学も含まれたプランで予約しておいた。内部には機関車KMDD132(元DD13 340)、気動車KM-151(おくひだ2号・写真)が保存されており、どちらも稼働でき時おり動かしているとのこと。機関車の運転台に入って汽笛吹鳴したり、気動車の車内に入ってシートで寛いだり。帰りは雨も上がったが、上り勾配が多くけっこう頑張った。

 昼食がてら道の駅「スカイドーム神岡」へ移動、ここには「スーパーカミオカンデ」の実物大模型のほか関連施設の紹介、諸原理の説明など盛り沢山な展示エリアがあり大興奮。いま「スーパー」を凌ぐ「ハイパー」を造り始めてるんだね。ニュートリノが解って何になるのかって話はあるのだけど、せっかく日本が小柴先生、梶田先生とノーベル物理学賞を2人も輩出した分野だけに、引き続き世界の先端を行って欲しいと思う。

 神岡の締め括りに鉱山資料館と神岡城を見学、富山に戻って解散。帰りは僅か10%引きで新幹線「かがやき524号」で帰京、前日の苦行が嘘のように缶ビール1本飲んで寝て起きたら大宮だった。大勢で楽しく効率よく行動できた2日間でした。(おわり)
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【本】野々村馨著 「食う寝る坐る永平寺修行記」(新潮文庫)

2020-09-29 20:00:00 | 本・映画・展覧会
 戦時の金属類回収令で全国の社寺の多くの鐘も供出されてしまい、その後に造られたお寺の鐘の音は軽く高くなってしまったそうだ。そんな中で永平寺の鐘は昔と変わらないのだろう、ドーン(デザイン)とも(カルロス)ゴーンともつかぬ音で殷々と響く。TVで「行く年来る年」を観ていた頃、永平寺からの中継があると嬉しかったものだ。ガキのくせに鐘の音には拘ったのである。

 さてその永平寺、寝起きする雲水(僧)の生活ルポはこれまでにあったかもしれないが、その第一歩を克明にルポしたのは本書が始めてかもしれない。市井の人であることを捨て、かと言って僧とは認められない未熟で不安定な時期の、理不尽に思える厳しい生活を読むと驚きの連続。世間であればパワハラか暴力沙汰で訴えられそうな行為も日常茶飯事(本書は少し前に記されているので、さすがに門内であっても2020年には変わっているのか?)、ただしそれも先輩雲水からの愛あるシゴキであることは著者自身がその立場に変わった時に知る。

 総ての行為にお作法があることも驚き、まさか脱いだ服の畳み方だけでなく用の足し方にまで。しかも諸々の行為ごとに唱える念仏がある。日々のことゆえ誰でもいずれ覚えられるものなの?

 他山はともかく、永平寺の僧であれば誰もが通る道だと思えば、もしまた行く機会があれば彼等を見る目が変わる気がする。それにしても著者は1年いてようやく僧として本格的な修行が始まった時点で山を降りてしまったのだろう、もう解った気になってしまったのだろうか。

 2020年9月14日 自宅にて読了
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2020年9月11~13日 【旅行】富山&岐阜(前編)

2020-09-29 06:00:00 | 旅行・ハイク&ウォーク
 「富山駅高架下の路面電車延伸区間乗車」と「奥飛騨トロッコ体験」の2つを目的として、会社の鉄道愛好会仲間6名でお出かけしてきた。

 新幹線50%引きの「お先にトクだ値スペシャル」の購入を失念したため、節約して前夜の夜行バス・千栄交通KB201便で富山へ。当初利用予定だったWILLERが運休した影響か、横4席12列の詰め込み仕様バスが完全満席!しかも隣は巨漢で、狭いピッチに足が真っ直ぐ入らず足は広がる、座席間仕切りはないため腕が密着する…避けて無理な姿勢のため良く眠れず身体が捩れて痛い。久々に苦行な夜行バスとなった。

 早朝の富山駅で下車、集合時刻までLRTで岩瀬浜へ行き、前に歩けなかった古い街並み散策。早朝でもTシャツ一枚で大丈夫な高温。展望台に上がったり旧家「森家」を見学したり。富山市街までの富岩水上ラインに乗ってみたかったな。

 富山からはレンタカー、北陸のローカルチェーン「KUROBUTAレンタカー」が安く2日で6,000円/台。6人で2台、ミニバン1台借りるよりコンパクト2台の方が安い。R41を南下、岐阜県に入ってほどなく目的地・レールマウンテンバイク「ガッタンゴー!!」。旧神岡鉄道(国鉄神岡線)の線路を利用した施設。

 ここはコースが2つあり、今日は「渓谷コース」を行く。1台2名で3台借りた。夏に北海道で乗ったのとは異なり電動アシストつき自転車がフレームにセットされている。アシスト付とは言え自力で走らせなければならない。スタート地点は旧漆山駅、そこから旧神岡駅方面へ3.3kmを往復する。途中にはトンネルや鉄橋もあり迫力満点(写真)。ペアを組んだサブ幹事はトロッコ自体初めてらしく大喜び。フレームがガッシリしているせいで車体が重く、電動アシストは必要だと思った。もう少しライトな仕様にできないものかね?それと全国にトロッコあるのだから、車両仕様を共通にして導入コストを下げるとかしてるのかな?

 快晴で暑い日だったためトンネルの冷気に歓声を上げ、汗を掻き掻き戻って大満足。富山市まで引き返して泊まり、居酒屋&富山ブラック(ラーメン)を堪能した。

 富山マンテンホテル 泊
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【映画】海辺のエトランゼ

2020-09-28 20:00:00 | 本・映画・展覧会
 いい感じの画に惹かれムビチケ(前売券)を買ってから気付いた、これもBLモノじゃん!9月に入り何となく予定も入れ始めており、時間の都合で初日レイトショーを観に行く。

 舞台は沖縄、船名から座間味島と判った。ここは行ったことはないんだよなー。その民宿を舞台に展開する若いお兄ちゃん同士の恋模様。齢は「ギヴン」の登場人物より5つくらい若いか?それくらいなら体つきも綺麗だしラブシーンもサマになるよね。まあ男女でも一緒ですかね。設定が若いんで淡くライトな展開かと思ったらガチでセックスシーンあった。

 結局、対象が異性でも同性でも、恋愛における心の動きは同じと。ただ同性だと周囲の目や異性以上に相手の気持ちを気にするハードルが上がるのだと。当たり前の事を丁寧に、ナーバスに描いた作品でした。やっぱBLはキツい。

 2020年9月11日 川崎・チネチッタにて
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【本】白戸圭一著 「アフリカを見る アフリカから見る」(ちくま新書)

2020-09-28 06:00:00 | 本・映画・展覧会
 昨年出張に行ったのでこれまで以上にアフリカに興味があるのだけど、いやー本当に去年で良かった。行ったのが9月から12月、年が明けたら何となくザワつき始めて春からは事実上の渡航禁止でしたからね。

 そのアフリカ、日本人の持つ風土や経済に対するイメージと実態とは乖離しているのか、していないのかについて書かれた本書は興味深かった。インフラ整備が遅れてるから有線通信網を飛び越えて携帯電話社会になっちゃったってのは良く聞く話、それを過大評価し過ぎていると思う。一方、中国絡みの話(アフリカの人々から見た中国/中国人のイメージ)に関しては、取材する層によって回答は異なると思われ、鵜呑みにはできない。自分も出張中に現地スタッフやタクシー、レストランなどで現地の人と話した時に聞いたけど賛否両論だった。世界中どこでもそう。敢えて言えば賛3割否7割くらい(笑)。ところで本書は(ちゃんと断り書きがあるが)「サブ・サハラ」サハラ砂漠以南の、いわゆるブラック・アフリカを対象として書かれてある。そこも気をつけねばならない。アフリカは広大だ。十把一絡げで見てはいけない。

 また渡航できるようになったら、アフリカのどこへ行きたいかな?ボツワナかエリトリアへ弾丸旅行かな。その前にエチオピアかケニアくらい行けよって。

 2020年9月10日 自宅にて読了

追伸
 世界の国々、大陸に位置する国はたぶん白地図を見て総てを言える気がするが、アフリカだけは将来的にも絶対に言える気がしない。
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大人の社会科見学・二階建てオープントップバスで首都高トライアル!?

2020-09-25 20:00:00 | ノンジャンル
 最近は取締りが厳しくかなり下火になってしまったようだが、ひところが首都高速環状線をタイムアタックしたり、湾岸線で最高速を競ったりしていた時代があった。その頃は走り屋と呼ばれたが、今なら単なる暴走族でしかない。時代は変わった。

 その首都高グルグルを、開放感溢れるオープントップバス、しかも視点の高い二階建てバスでやっちゃおうと言うツアーが誕生した。名付けて「激走!首都高スリル体験ツアー」、このツアーにバス・トラック業界のプロであるいすゞ仲間と参加した。ツアーは高速バス「VIPライナー」を運行する平成エンタープライズ、そう先だって相次いでヨイショ本を読んだあの会社。

 気温のちょっと下がった今晩、東京駅近くのVIPラウンジ(敢えて表示を出さない方針らしく判り辛い)で待機後、係員に誘導されてバスへ、ふそうエアロキングの改装車(写真)で屋根がオープントップになっている。新型コロナ対策で1列ずつ開けての座席指定で参加者は10名ちょっと。

 コースはヤエス→C1外回り京橋イン→11号(レインボーブリッジ)→湾岸線西行→C2外回り(山手トンネル)→3号上り→C1内回り→6号下り(箱崎JCT折り返し)上り→C1外回り→江戸橋アウト→東京駅丸の内前→八重洲。首都高を走っていたのは40分弱か、渋滞なく快適なナイトクルーズ。やはりC1は古いため天井のクリアランスがギリギリ、最初は悲鳴があがったほど。乗車時に鳴り物(バット)が渡され、なぜか最後の方ではトンネルに入ると皆で揃ってパン、パン、パン…と打ち鳴らす。ガイド嬢いわく「最近では一番盛り上がった回でした!」(笑)

 まさか排ガス直撃の山手トンネルをコースに組み入れるとは、やるなVIPツアー。レイブリに東京タワー、東京駅とライトアップ綺麗なポイント通過はお約束。他にも川崎の工場夜景コースとか、焼鳥や手羽先とビールがセットになったコースなどあり、また乗っても良いと思える楽しさだった。
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2020年9月9日 【食べ物】川崎・大黒家系ラーメン 本店

2020-09-25 06:00:00 | 食べ物・飲み物
 先週行った「神崎」の隣の店に行ってみたが、なんともフザけた名前の店ではないか。看板をパッと見ただけでは店名が判らない。そのインパクトは決してプラス方向には作用しないと思うのだが。

 大黒家と言うのは首都高のPAでお馴染み大黒ふ頭(横浜市)近くにある家系ラーメンの店で、一定の評価を得ていると思う。その直系の店なのか。それにしてももう少し名前の付けようがると思うが。「醤油野菜」をオーダー。ライス無料は大食漢向き、我慢した自分を褒めよう。

 …いや、これ大黒家とは違うでしょ。もっと言えば家系じゃないでしょ!確かに麺はそれっぽいし、「固さ・味・油」の好みをオーダーできる。だが海苔は乗ってない、ほうれん草もない。スープは確かに家系っぽいけど。もう完全に違う店名にするのであれば、何の問題もないのだ。

 こちらのスープもクリーミー。ひょっとして今の家系ってそうなの?ちょっと不安になってきたのでどこか、「正統派家系」を食べに行って自分の舌を補正すべきか。そんな迷いを生じさせてくれる店だった。
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【本】高群逸枝著/堀場清子校注 「娘巡礼記」(岩波文庫)

2020-09-24 20:00:00 | 本・映画・展覧会
 熊本に住む24歳の娘が一人で(実際には70過ぎの爺がお供することになったが)四国巡礼を思い立ち、実行した記録。コースは別府から八幡浜へ渡り、そこから逆打ち(逆回りの巡礼)をしている。

 今ならコミュ障と呼ばれかねない、他人とはまともに話ができないくせに筆を取ると意気軒昂と言うか自意識過剰、若さゆえの未熟ぶりが鼻につく。本人も解ってはいるようだが、その姿勢を改めようとは思わなかった風。自我の確立、維持にばかり目が向いてるように見受けられる。

 100年も前の話である。当時の日本の人々の無遠慮な視線や物言い、四国遍路=社会で行き場を失った人々の流浪の場という雰囲気が良く伝わってくる。スピリチュアルな巡礼と化し人気が出たのは、わずかここ数十年の話というわけ。

 著者は絶対に好きになれそうにないタイプの女性だが、野宿粗食に耐え、厳しい巡礼行の中で句を詠み旅日記を纏めた、そのバイタリティは現代の人々では中々見られないものではないか。その点は素直に感心し賞賛したい。

 2020年9月7日 自宅にて読了
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2020年9月6日 大人の社会科見学・千葉芝山界隈

2020-09-24 06:00:00 | ノンジャンル
 こんな時期に一体誰が乗る?と言うJRバス関東の定期観光バス「ウェルカム成田セレクトバスツアー」芝山コースに乗ってきた。理由は3つ、JRバス関東のツアーであること、この運行のみユーグレナバイオ燃料が使用されること、10月以降の運行が変更予定であり休止となってしまう可能性もあること。

 先週バイクで立ち寄ったばかりの成田空港だが、さすがに今日は東京駅からバスで行く。2月から運行、乗車システムが大幅に変わったが、時刻表を調べて往復ともJR便をチョイス、今日は日野セレガ3台のリレー乗車になった。千葉方面の高速車ってセレガばっかで、エアロクイーン(ふそう)は東北道や中央道路線なんだよね。
(1)東京駅→成田空港 H657-14427(土浦支店所属)
(2)セレクトバスツアー H657-07405(東関東支店所属・バイオディーゼル燃料使用車)
(3)成田空港→東京駅 H657-19403(東京支店所属)

 予想通り始発バス停の周囲に乗客の姿はなし。カイドさんに「予約なしで乗りたいんですが」と声を掛けると一瞬ビックリした様子ののち「えぇ、どうぞどうぞ」。Suica払い、3,500円(道の駅で使える金券600円分つき)!定刻に発車、1タミ、JR成田駅と回るが乗客は増えず「貸切運行」決定。「もし3ヶ所回ってお客さんがいなかった場合は?」「連絡ののち車庫に戻ります」「その場合の乗務手当は?」…さっそく質問攻め開始。わざわざ東京支店から転属させた本車にバイオ燃料を使う理由は?ドラ氏が東名線を担当していた時代に乗務した「アストロメガ」の印象は?等々。

 3,500円も取る割にコースはショボくて(失礼)、午前中に「房総の村」、昼食を「道の駅多古」、午後に「芝山仁王尊」これで終わり。そりゃお客さん乗らないでしょ、インバウンドならなおさら。今や3,500円あれば4列バスなら関西まで行けるんである。確かに公共交通機関で行き辛い場所であり有難いけど、目的地がマイナーすぎるし割高すぎる。せめてもう一ヶ所「有名どころ」を追加しないと…

 房総の村は広い敷地に昔の家並みや農家が点在、園内の畑で採れた農作物を販売したり、加工供食したり。工芸品の体験や、コスプレ衣裳での園内散策までできる!1時間ほどの滞在だったが回りきれなかった。建物が移築でなく再現と言うのが惜しいが、施設もスタッフのホスピタリティも良い感じがした。

 道の駅多古では売店で弁当を買い、ベテランガイドさんとお喋りしながら食べる。このツアーのこと、ガイドさんの経歴、親の面倒をみることまで。

 芝山仁王尊は仁王門が秀逸、門の中に畳敷きのスペースがありお経を上げられるようになっている。創建は781年、奈良時代末期に関東のこんな場所にとは驚いた。本堂、三重塔ともに後世の作だが見事な彫り物が目立つ。寺の方が出てきて下さり縁起やら堂宇やら色々な事、さらには芝山一帯の話(三里塚闘争)なども聞かせてくれ、実に充実。ちなみにここ成田A滑走路の延長線上にあり、34Lへの着陸機が仁王門の直上200mほどをかすめてゆくのだとか。この日は16R使用で、高度はあったものの確かに真上を飛行機が飛んでいった。

 割高に感じるツアーではあったが、房総の村も芝山仁王尊も訪れたことがなく、かつ良いところだったため無駄金を使った気にはならず、気の良いガイドさん、親切な運転士さんのおかげで実に楽しく1日を過ごすことができた。ツアーは10月以降なんらかの手が加えられるようで、変更後の内容によってはまた参加したい。写真は、およそJRバスらしからぬ場所に停車中のバス(芝山仁王尊前にて)。
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【本】沢木耕太郎著 「凍」(新潮文庫)

2020-09-23 20:00:00 | 本・映画・展覧会
 登山家・山野井泰司&妙子夫妻が決定的に手足の指を失うことになってしまった、ギャチュン・カン北壁登山(2002年)の行動を描いた書。「深夜特急」の沢木耕太郎が山モノを書くところに興味が湧いて借りてみた。

 状況描写は細かく、また夫妻とくに泰司の思考や心理もしっかり書き込まれており、単なるドキュメントに留まらない伝記的雰囲気を持っている。

 普通のクライマーなら見向きもしない8,000m未満の山(しかもほんの数m足りないだけだ)、そういう場所に価値を見出す根拠は非凡であるけれど、一方で初登攀ルートに拘る部分はクライマー共通の価値観でもあるようで、山野井(夫妻)が全くの奇人変人ではないと解る。クライマーや冒険・探検家の心理について角幡唯介氏の著作を読んでいたからだろう。

 本人の書いた「垂直の記憶」も読んでみたい。

 2020年9月5日 都内移動中の山手線にて読了
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