図書館でタイトルを見て「ふざけんな!有り得ねぇ!」と思ってしまった本なのだが、でもそれなりの論拠があって書いているだろうし、ロクな情報も持たずに「公共事業=悪」と言う色眼鏡で見てしまうのも良くないかと借りてみた。
・大規模都市整備(道路やビル再開発)による「コンパクトシティ」への転換
・港湾整備(大型コンテナ船荷役可による競争力向上と運賃低廉化)
・ダム建設(地下水くみ上げによらない利水)による地盤沈下抑止
等々、幾つもの事例を検証し、一般的に言われている(思われている)ことの間違いや大々的に報道されていないメリットについて述べている本書は、確かに面白かった。「分かっていてできない」公共事業を非効率化させている国や自治体の政治的・財政的仕組みについて取りあげている点も良い。
だが、やはり全面的に賛成する気にはなれない。その理由1、そもそもその命題が正しいか?例えば「大災害で国民が死なないための備え」冷酷ではあるが数百年、数千年に一度かもしれない災害にどこまで限りある税金を投入できるのか(東日本大震災後の三陸で起きている議論が好例)。
その理由2、検証に用いられている数値は正しいか?疑うとキリがないのだけれど、例えば同じ事実の統計を採ったとして、所管する省庁が異なれば数値が異なるのではないか?本書では逆に諸外国と同じ統計からデータを引き出してこれまで日本で言われていることへの疑問を呈してもいる(道路整備状況)。両刃の剣ですね。
その理由3、…とツッコミどころ満載、読みながら考えさせてくれる刺激的な本であることは間違いない。書かれている内容全てに反対するものでもない。こうして国民ひとり1人が税金の使われ方に関心を持ち、政治を監視する姿勢を取らないとダメだよなぁと思わせてくれる「良書」とも言えるかもしれない。
2012年4月24日 ライヴ帰りの電車車中にて読了
・大規模都市整備(道路やビル再開発)による「コンパクトシティ」への転換
・港湾整備(大型コンテナ船荷役可による競争力向上と運賃低廉化)
・ダム建設(地下水くみ上げによらない利水)による地盤沈下抑止
等々、幾つもの事例を検証し、一般的に言われている(思われている)ことの間違いや大々的に報道されていないメリットについて述べている本書は、確かに面白かった。「分かっていてできない」公共事業を非効率化させている国や自治体の政治的・財政的仕組みについて取りあげている点も良い。
だが、やはり全面的に賛成する気にはなれない。その理由1、そもそもその命題が正しいか?例えば「大災害で国民が死なないための備え」冷酷ではあるが数百年、数千年に一度かもしれない災害にどこまで限りある税金を投入できるのか(東日本大震災後の三陸で起きている議論が好例)。
その理由2、検証に用いられている数値は正しいか?疑うとキリがないのだけれど、例えば同じ事実の統計を採ったとして、所管する省庁が異なれば数値が異なるのではないか?本書では逆に諸外国と同じ統計からデータを引き出してこれまで日本で言われていることへの疑問を呈してもいる(道路整備状況)。両刃の剣ですね。
その理由3、…とツッコミどころ満載、読みながら考えさせてくれる刺激的な本であることは間違いない。書かれている内容全てに反対するものでもない。こうして国民ひとり1人が税金の使われ方に関心を持ち、政治を監視する姿勢を取らないとダメだよなぁと思わせてくれる「良書」とも言えるかもしれない。
2012年4月24日 ライヴ帰りの電車車中にて読了