何となくボーっとした表情、口を開けばゆったりとした口調で柔らかい雰囲気。テレビで何度か見た多くの人は「こんな戦場カメラマンもいるのか」と感じるのではないか。少なくとも自分にはそう見えた。だが、本書の扉の著者ポートレートの印象は全く異なる。引き締まった口元、鋭いとまでは言わないまでも、緊張感を湛えた目。あぁこれが「現場」での顔なのだなと思った。撮影用のポーズだとすれば見事なものだ。
本書は著者が自身の経歴の過程で学び身につけてきた、現地で取材活動を行うに当っての準備内容や判断基準について書かれている。どっこいこれが一般的な社会人にも通用する概念を多く含んでいる。もちろん海外の取材相手と日本人相手とではメンタリティや価値基準、時間感覚は違うのだが、そこを割り引いても十分に通用する。
本書を読むと著者がきちんと考え準備し行動していることが判る。そして戦場カメラマンでは特に重要な「行く・引く」の判断を冷静かつシビアに行っていることも。残念ながら取材活動中に亡くなったジャーナリスト達にも触れている。そこに無条件な賛同はないことに好感が持てる。死者に鞭うたぬまでも、反省なくして教訓無しと言うことか。
戦場カメラマンに興味のあるなしに関わらず、他者(社)と協働作業をする人には参考になる言葉の多い本だと思った。
2017年7月2日 JTA70便(石垣→東京)機内にて読了
本書は著者が自身の経歴の過程で学び身につけてきた、現地で取材活動を行うに当っての準備内容や判断基準について書かれている。どっこいこれが一般的な社会人にも通用する概念を多く含んでいる。もちろん海外の取材相手と日本人相手とではメンタリティや価値基準、時間感覚は違うのだが、そこを割り引いても十分に通用する。
本書を読むと著者がきちんと考え準備し行動していることが判る。そして戦場カメラマンでは特に重要な「行く・引く」の判断を冷静かつシビアに行っていることも。残念ながら取材活動中に亡くなったジャーナリスト達にも触れている。そこに無条件な賛同はないことに好感が持てる。死者に鞭うたぬまでも、反省なくして教訓無しと言うことか。
戦場カメラマンに興味のあるなしに関わらず、他者(社)と協働作業をする人には参考になる言葉の多い本だと思った。
2017年7月2日 JTA70便(石垣→東京)機内にて読了