【映画】KANO 1931 海の向こうの甲子園

　ことし初めは野球映画が３本続いた。映画館では観られなかったその３本目を機内で見るチャンスがあった！しかも23インチの大画面(JALビジネスクラス♪)。

　永瀬正敏が、ニコリともしない鬼監督。指導するのは日本人、漢人、高砂族(台湾原住民)の混成チーム。もともとは遊び半分だったチームに(日本の)甲子園出場と言う明確な目標を与え、日々のランニングで基礎体力を練成すると同時に「甲子園！」と掛け声させることで刷り込み思い込みをさせる。技術的指導だけでなくメンタルの指導が見事。

　選手たちの指導の一方、大和民族至上主義者との戦いもある。味方ばかりではない、それどころか当初は敵しかいなかった。それが次第に周囲も巻き込み、町を挙げての応援に変わってゆく。はるばる日本まで出かけ戻ってきた時は凱旋パレードだ。周囲の目を変えてゆく過程は「バンクーバーの朝日」に通じるものがある。どちらも外地のチームだし、野球なんてやってる場合かと言う無理解から始まった環境も同じだから。

　チームの面々が成長してゆく姿に感動するのが普通だと思うけど、それよりも指導者、教育者のあり方について感銘を受ける一方で人種差別について考えさせられた作品だった。

　台湾は何度も行っているが、舞台となった嘉義って通ったことしかない。阿里山へのゲートシティでもあり、一度寄ってみたいな。

　2015年7月20日　JL1便(サンフランシスコ→東京)機中にて

【本】千葉忠夫著 「世界一幸福な国デンマークの暮らし方」(PHP新書)

　少し前に読んだ本の前作。判っていればこちらから読んでおくべきだったのだが。

　２作目でも結構書かれていたことなので、新鮮さは感じなかったがともかく、デンマークのシステム礼賛の著。そこは著者も意識しているのだが、どうしても「本当にそんなに良いもんですかぁ？」と意地悪く訊ねてみたくなる。まったく年寄りは素直じゃないね！

　とは言え、良くも悪くも自立度の高い(と思われる)デンマークの躾や社会風土がちょっぴり羨ましく感じもした。日本社会はウェットですから…


　2015年7月18日　パナマシティのホテルにて読了

2015年7月22日 【旅行】車輪のもげたスーツケース

　パナマ旅行の帰り、早朝に羽田に到着すると手荷物係員がお出迎え。最初の飛行機が遅れ預けたスーツケースは積み替えが間に合わなかったのです。GWのブラジルの行きでもそうだったんで別段驚きもせず。

　当日後刻に電話があり、荷物はサンフランシスコまで届いており(後続便に積み込まれたのか？)、１日遅れの同じ便で到着予定とのこと。夜に自宅へ配送して貰うよう依頼しました。

　翌日(と言うか今日)また電話があり、荷物は予定通りに到着しましたと。ところがそれでは済まず、「車輪が１つ破損しボディにも傷が入っています」と。ありゃー。ともかく予定通りに配送して貰い、中身を取り出した後に修理先へ発送することとなりました。

　夜、クロネコ宅急便でケースが届き床に置くとあれ？傾く。底を見ると破損どころじゃない、コーナーパーツ一式もぎ取れています(写真)！そしてそれに続く亀裂がボディに…応力の集中する切り取り部分の角でない所から走る亀裂、一体どんだけの力でもげたんだ!?幸い中身は無事でした。

　これでもケースとしての形は保っているので全損扱いではなく一部破損、従って修理です。しかし、これにコーナーパーツどうやってつけるんでしょう？クラックもパテで埋めたところで元通りの強度を保てるとは思えません。全損扱いで新品支給してくれた方がスッキリするんだけどなー。そこは交渉できるのかな。結果は後日また書きます。

【本】松波成行著 「国道の謎」(祥伝社新書)

　(神奈川の)県道に関する本など行政関係資料以外は見当たらないが、国道に関する本であればある程度ヒットする。大部分はドライブガイド的、特に「酷」道をフィーチャーしたもの。あとはウンチク本。本書はそのどちらにも所属しているし、所属していない。

　本書の視点は国道としての指定のされ方。なので、歴史的に「国道」という指定がいつ頃から行われたかから始まり少々ネムい。とは言え必ずしも江戸時代の旧街道を踏襲したものではなく、殖産振興の空気を感じさせる路線指定が行われていたとは勉強になる。歴史のあやで現在の姿になった国道が取り上げられている。通常であれば「未成国道」あるいは「点線国道」という切り口なのだろうが、現在の姿に留まらずそこまでの歴史的背景を詳細に調べ書いている点が素晴らしい。上越国境のR291や竜飛岬のR339など、現地に行って確かめたくなる。そして「海上の道」、フェリーで結ばれていたり事実上孤立していたり、離島を走る国道。

　「こんな国道がある」だけでも楽しいが、そうなった歴史的、地理的背景まで考察すると立派な学問だなと思わされた。

　2015年7月19日　サンフランシスコ空港のラウンジにて読了

2015年7月19日～21日 【旅行】帽子と運河の国へ・パナマ弾丸紀行（４・完）

　パナマには地下鉄が開通した。せっかくなので乗ってみたいと思ったがホテルから最寄りの駅まで15分以上は歩く必要がありそうだ。それでも高架鉄道なら頑張って行ったのだが、全線地下ではモチベーションあがらず…10時過ぎのチェックアウトまでプールに行った程度、読書で終る。旧市街に泊まった方がちょこちょこ歩き回れて良かったかもしれないが、うるさそうな安ホテルか超高級なホテルかしか部屋が残っていなかったため、今回の選択は止むを得なかった。でも静かで清潔で良かったよ。

　ホテル前に居た、ちょっと高級なタクシーで空港まで35ドル。道は空いており快調(写真)。チェックインも問題なく、土産は買わず、ラウンジは無さそうなのでフードコートで昼食して飛行機を眺めながら待つ。短日程だったけど専用車だったので効率良く回れたし、現地の生活や歴史についてガイドから聞けたし充実してたなぁ。

　AA981便(NN875NN:737-800)は少し遅れてマイアミへ向け出発、滑走路に進入したと思ったらくるりと回って再び誘導路へ、あれぇ？滑走路に落下物だか支障があるらしく、もう一方の滑走路へ向かう許可を得るとアナウンスされたものの駐機場へ、ドアは開かずエンジン切ってそのまま待機へ。何が起こってる？ひたすら待ち、離陸したのは約２時間後。さて、マズいことになったぞ。

　アメリカでは国際線相互の乗り継ぎであってもいったん入国審査を受け、荷物をピックアップし再チェックインしなければならない。飛行機から出たのは出発の40分前、絶望的な時間だが頑張ってみた。走り、並び、走り、待ち、走り…乗り継ぐ便のゲートについたのは出発時刻を数分回っていたが幸いまだ搭乗が終っておらず、何食わぬ顔で機内に入ることができた。AA2411便(N822NN:737-800)でサンフランシスコへ。マイアミ空港でステーキでも食べようと思っていたのに機内販売のチキンサラダになってしまった…が、上級会員はビールと合わせ無料なのだと初めて知った。手続きと空港構造に慣れていたから間に合った乗り継ぎでした。。。

　サンフランシスコからはJL1便(JA743J:777-300ER)、マイルを使ってアップグレード。せっかくのビジネスクラスだが深夜出発・早朝到着ゆえミールサービスは比較的簡素。出発時に、本来は翌朝サーヴとなる和朝食をオーダー。そして翌朝はギリギリまで起こさないよう頼んで、映画を1本観て就寝。横に眠れるってラクだわ～♪羽田では係員がネームプレート持ってお待ちかね、荷物の積み替えが間に合わなかったようですと。まぁそうでしょうね。手続きして帰宅、着替えて始業から出勤しました。

　これで終わりじゃない。夕方格安バスで成田へ行き、JL3087便(JA842J:787-8)で中部へ。ビジネスクラス席がクラスＪ扱いのため再び横になって数十分の睡眠補給、ターミナル内で名物のオリエンタルカレーを食べてJL208便(JA321J:737-800)で羽田へ。ささやかながら僅かの追加料金でマイルを稼げ、おまけに往復とも初搭乗機材で頑張った甲斐がありました。

　荷物の問題を残してパナマ弾丸旅行終了。このパターンはまたやってみたい。

2015年7月18日 【旅行】帽子と運河の国へ・パナマ弾丸紀行（３）

　今日も専用車ツアーにお任せ。今回はグータラ旅行です。

　昨日よりゆっくり、8時に出迎え。旧市街をひと回りして(停車なし、時間稼ぎ？)ホテル近くを通り過ぎて空港方面へ向かう、大きな大きな干潟の近くの森へ。ここがかつての街「パナマ・ビエホ」。30数メートルという塔に登ると、僅かに残された修道院跡から続く街並みの広さ(数百ｍ)を見渡すことができ、数百年前の繁栄を偲ぶことができる。広い敷地内を散策し、博物館を見学。お世辞にも資料豊富とは言えなかったが当時のジオラマで賑わいぶりを確認できた。

　昼は旧市街にある魚市場前の食堂で魚介類、揚げ物が多い。パナマはタコを食べるんだな。日本人とギリシア人しか喰わないと云うのはウソのようだ。水槽で選ぶ韓国や香港のようなシステムではないが、海辺で雰囲気は良い。と、今日も凄まじい通り雨。妖しい雲が湧いていたのでテント下の席を取ったのだが、それでも跳ね返る水で足元が湿ってしまった。ちなみに魚市場の建物は日本の援助で造られたようで、建物入口に日の丸入りの大きな看板が立っていた。

　午後はパナマ運河のハイライト、「ミラフローレス閘門」へ。旅行社が14時ごろが通過船舶が多いと調べてくれ、それに合わせての行動。昨日の帰り道にも見たが閘門のサイズぎりぎり(パナマックス)の船が電気機関車(日本製！)にサポートされゆっくり動くさまは圧巻。水位は８ｍも上下し、見ていて飽きることがない。

　キリがないので2時間ほどで切り上げ、最後に市内を遠望する「アンコンの丘」に上る。夕食はガイドしてくれた旅行社の方々が付き合ってくれ、パナマ最後の夜を楽しく過ごせた。

　Holiday Inn Express Panama Distrio Financiero泊

2015年7月17日 【旅行】帽子と運河の国へ・パナマ弾丸紀行（２）

　6時20分に迎えの車が来た。今日明日と現地旅行社を手配し効率よく観光することにした。自分としては極めて珍しいことだけど、弾丸旅行ゆえ時差ぼけでボーっとしていたら終ってしまうから止むを得ない。加えてどうもパナマは治安が宜しくないという印象が付きまとい、用心したこともある。

　もう1名、運河マニアの日本人客(定年退職された元船舶用電子機器メーカーの方)と相乗りで運河鉄道の始発駅へ。今回はこの運河鉄道に乗るのが主目的。通勤客と観光客用に旅客列車が1日1往復だけ運転されている。お土産のＴシャツを色々と売っていたが品定めする時間もなく7時15分の発車時刻が近づいた。結局買わず、帰りは通らなかったので残念なことをした。

　ディーゼル機関車＋客車6,7両、いずれも米国製と思われる。パナマ運河自体、少し前までアメリカ管理だったし当然か。通勤客の姿は見えず、観光客は1両あるドームカー(写真)に集中。車内ではコーヒーのサービスがあった。

　鉄道はパナマシティから大西洋側のコロンまで、所要時間は小一時間。森林を切り拓いて開削された運河近くを走るので、当然のことだが緑が多い。両側を緑に囲まれ、時おり左手に運河がひろがる。惜しむらくは車内は冷房が効きすぎなほどで外は蒸し暑く、ために窓ガラスは水滴びっしょりで眺望が良くないのだった。車端部がデッキになっており、ずっとそこで過ごす人も居て車窓観察にはそれが正解と思われた。コロン駅はコンテナターミナルの端っこにホームを仮設しましたって風情で終着駅の趣は皆無。まだ8時過ぎ、確かに通勤時間帯である。

　先回りしていた専用車に乗り込み、同じ大西洋岸にある世界遺産ポルトベロへ向かう。乗り合いバスが発達しているので個人でも市内から駅、列車、コロンからポルトベロと行けそうだと現地で見て解ったが、いったいどれくらい時間が掛かることやら。ちなみに乗り換えたコロンは「中米一危険な町」と言われることもあるらしいが、市場周辺は活気がありその分ヤバい人も多いということなのだろうか。ちなみにパナマシティと比べアフリカ系の非常に肌の色の濃い人が多く、周辺地区の住宅も粗末で裸足で歩いている人も少なくない。

　ポルトベロの遺跡を訪れ博物館を見学し、近くのレストランでシーフードの昼食、これもツアー料に含まれるがメニューは選べた。ゆっくりしたあとは100km近い道のりをパナマシティまで引き返す。訪問地の数から言えば劇高、時間効率とガイドを考えても割高、その分は安心料と考えよう。スタッフの感じはとても良かった。

　ホテルへ戻ったのはまだ明るい刻限だったが街中も一回りして帰ってきたので出直す気はせず、狭いプールと読書で夜を過ごした。

　Holiday Inn Express Panama Distrio Financiero泊

2015年7月15日～16日 【旅行】帽子と運河の国へ・パナマ弾丸紀行（１）

　夏休みを前に５連休を取り、どこへ行こうと思案したあげく「海外乗り鉄」を敢行すべく中米まで弾丸旅行することにした。

　会社を昼で切り上げ羽田に直行、NU73便(JA8995:737-400)で石垣島へ。えっ石垣!?そうです、予約時点では２度目の海外出張とか入っていなかったので、ちょっと高くなるけど那覇でなく少しでもマイレージの稼げる石垣往復を入れたのです。JTA機材(737-400)の乗りつぶしもしたかったしぃ。ターミナル内で夕食してNU76便(JA8999:737-400)で羽田へ戻り(機材が折り返しにならないことは判っていた)、連絡バスで国際線ターミナルへ。ここからが本編。台風が接近していたので無事に往復できて良かったぁ。

　日付が変わったばかりに出発するJL2便(JA734J:777-300ER)でサンフランシスコまで9時間弱。プレミアムエコノミーにアップされたので少し楽でした。乗り継ぎ時間を利用してBARTに乗って対岸の終点まで以降と思ったけど時間が掛かりすぎるのでオークランド中央で下車、街中なんだけど店は開いてなくて人も少なく(写真)、ガランとしたバーガーショップで夕飯して空港へＵターン。荒んでますね。

　日付が変わる前…すなわち当地で再び15日のAA269便(N923NN：737-800)でマイアミへ。5時間ちょっとのフライト、時差を利用したアメリカ国内の夜行便はつらい。そして明けて16日、AA944便(N840NN：737-800)でパナマシティへ。2時間16分。合計5フライトで到着。普通は3フライトで着きますが、それでも17時間くらいはかかるんじゃないかな？

　激しいスコールの中、タクシーで市内のホテルへ。30米ドル。パナマは紙幣が米ドル、コインが現地通貨バルボアのよう。道中トータル4時間くらいしか眠れていないので辛く、ホテル隣のレストランでチェックイン時刻を昼食して待ったのち部屋に入ったら3時間ダウン。起きたら後は読書。

　ホテル自体は綺麗だけど繁華街へは遠く、周囲の店も多くない。夜も近所のメキシカンで済ませました。ブラジルが時差ぼけで動きが鈍かったので今回もそうならないか、ちょっと心配。

　Holiday Inn Express Panama Distrito Financiero 泊

【本】三島由紀夫著 「潮騒」(新潮文庫)

　秋に、この本の舞台になっている神島(三重県)へ行こうと思い、数十年ぶりに読んだ。この本を片手に現地を歩けば、描写された家並みや眺めが今とどれほど違うか(或いは同じか)確かめられて楽しいかもしれない。

　物語は朴訥な漁師と島に新たにやってきた娘との恋物語で、やはり三浦友和と山口百恵バージョンの映画が印象的ですよね。

　巻末の解説が興味深かった。三島作品において本書が異質に素直な構成のわけをギリシア神話の日本版再構築と捉え、モデルとなる作品との対比をしてみせる。同時に、そう書くに至った背景を、三島の年表から辿り考察する。もちろん本人にインタビューしたわけではないので信じるも否も読者の自由だが、そういう「深読み」こそが読書で、さらっと読んで面白かったつまらなかったなどとは笑止かもしれない。

　神島、行けると良いのですが「他力本願」な部分がありまして。

　2015年7月15日　NU76便(石垣→羽田)機中にて読了

(Live) EJQ

EJQ：天野清継(G)、宮崎隆睦(Sax)、岡田治郎(B)、大槻"KALTA"英宣(Ds)

　久々のEJQ(Electric Jazz Quartet)です。会社の軽音楽部の人と行く予定だっ
たのだけど緊急予算会議が入ったとかでドタキャンされました。業績が悪いとロ
クなことがないです…と言うお詫びメールに深く頷いたのでありました。

(ファースト)
・Shadow Mountain
・Somebody's something / Leni Stern
・Gone
・Take it easy, folks
・Mother Earth / Yellow Jackets
・Trouble

(セカンド)
・Carmel Hills
・I'll Remember August / Oregon
・(Don Grolnickの曲)
・Evening news / Yellow Jackets
・Canyonlands

(アンコール)
・(曲名不明)

　天野さんもMCで言ってたがYellow Jacketsの曲が減り、それ以外の人の曲が増
えた。そして天野さんの曲も。今日はCD買ってサイン貰った♪

　今日は後ろの方に座ったこともあり、凄腕メンバーの演奏をパートではなく纏まって把握するよう努めた。珍しくお客さんが少なく、ソファでリラックスして半分目を閉じて(居眠りして)心地良く過ごしました。激しいセッションでも癇に障らない不思議。

　2015年7月13日　横浜関内・Kamomeにて