「タマキング」こと宮田珠己の、過去の著作群とは少しテイストの違った作品。タイトルが沈「没」じゃなくて沈「殿」なのがミソで、もし「没」だったら、あまたあるアジアで自堕落に暮らすバックパッカーの物語と思って読まなかったかもしれない。
本書は旅行記でありながら旅行が主目的でないような印象を受ける。少なくともどこかへ行って観光する、体験するという一般的な旅からは逸脱している。ただ本文にはどこかへ行ってボーっとするとか、やりたいことが書いてあるので、それを体験とするのであれば正しく旅行の一形態であるのだが。
どこかへ行き、著者なりの何かをし、再び元の生活に戻ってゆく。ならば本書に書かれている著者の行動は立派に旅ではないか。どこへ行こうが、どう過ごそうが、法に触れず人倫に悖(もと)らなければ(ひょっとしたら悖ったとしても)他人がとやかく言える筋はない。
おもしろ可笑しい旅日記は愉快だが、その裏でこういうことを思い考えていたのかと感心した。
2020年1月10日 通勤電車にて読了
本書は旅行記でありながら旅行が主目的でないような印象を受ける。少なくともどこかへ行って観光する、体験するという一般的な旅からは逸脱している。ただ本文にはどこかへ行ってボーっとするとか、やりたいことが書いてあるので、それを体験とするのであれば正しく旅行の一形態であるのだが。
どこかへ行き、著者なりの何かをし、再び元の生活に戻ってゆく。ならば本書に書かれている著者の行動は立派に旅ではないか。どこへ行こうが、どう過ごそうが、法に触れず人倫に悖(もと)らなければ(ひょっとしたら悖ったとしても)他人がとやかく言える筋はない。
おもしろ可笑しい旅日記は愉快だが、その裏でこういうことを思い考えていたのかと感心した。
2020年1月10日 通勤電車にて読了