「X橋」を読んだ勢いでもう1冊熊谷達也を、と思ったら、これまでの作品とは毛色の違うタイトルをみつけ、珍しく図書館になかったのでamazonで購入。もちろん、読後は図書館へ寄贈するのです。
場所は仙台近郊。小さな会社に勤める普通のオヤジ管理職が、ふとしたきっかけで昔やってたエレキギターを再開し、良きバンド仲間とめぐり合い更にはかつて深い仲だった元彼女とも再会し、アマチュアバンドコンテストの予選を勝ち抜いて全国大会出場まで上りつめてゆく過程を描く。
解説でも書かれているが、楽曲や楽器と演奏技術、もろもろの音楽環境のディティール描写が極めて自然で違和感なく読める。流行って主人公がコピーしていた「名曲」のリストはこのジャンルに疎い自分でも大半は知っているものだ。アコースティックではないもののギターのセッティングや弾き方、エフェクタに関しても、楽器店の店員との会話まで「そうそう」。
詳細描写が優れていてもストーリーがダメなら面白くはならない。もちろん「出来すぎ」のストーリではあるが、総てが順調には運ばず、苦い過去の思い出話もある。ギターとか音楽に目を向けてしまうが本作の基本的なスタンスは「中高年どう生きるか?」であると思うので、今の自分の生活を見直してみようよ、ご同輩。
それと「地方に生きる」ってことな。メジャーデビューのチャンスが来てもそれには乗らず、いま住んでいる地域でずっと音楽をやってゆくと言う意思。ここにこそ、東北に生きる著者の主張が込められているとも思えるのだった。
2014年8月13日 自宅にて読了
場所は仙台近郊。小さな会社に勤める普通のオヤジ管理職が、ふとしたきっかけで昔やってたエレキギターを再開し、良きバンド仲間とめぐり合い更にはかつて深い仲だった元彼女とも再会し、アマチュアバンドコンテストの予選を勝ち抜いて全国大会出場まで上りつめてゆく過程を描く。
解説でも書かれているが、楽曲や楽器と演奏技術、もろもろの音楽環境のディティール描写が極めて自然で違和感なく読める。流行って主人公がコピーしていた「名曲」のリストはこのジャンルに疎い自分でも大半は知っているものだ。アコースティックではないもののギターのセッティングや弾き方、エフェクタに関しても、楽器店の店員との会話まで「そうそう」。
詳細描写が優れていてもストーリーがダメなら面白くはならない。もちろん「出来すぎ」のストーリではあるが、総てが順調には運ばず、苦い過去の思い出話もある。ギターとか音楽に目を向けてしまうが本作の基本的なスタンスは「中高年どう生きるか?」であると思うので、今の自分の生活を見直してみようよ、ご同輩。
それと「地方に生きる」ってことな。メジャーデビューのチャンスが来てもそれには乗らず、いま住んでいる地域でずっと音楽をやってゆくと言う意思。ここにこそ、東北に生きる著者の主張が込められているとも思えるのだった。
2014年8月13日 自宅にて読了