元右翼-と言っても街宣車に乗る方でなく、メディア関連の方だったそうだが
-である著者による、昨今の右翼支援者の実態とそうなる理由についての解説。
著者によれば、今の右翼支援者の多くは「経験も知識もない無知な若者」ではなく「ネットリテラシーに欠けた、比較的高学歴なシニア」なのだと言う。ネットリテラシーに欠けると言う点が興味深い。Youtubeなど気軽にアクセスできるメディアが増えたことで、それらの信ぴょう性など気にせず何でも鵜呑みにして信じてしまう、そして自分の気に入った情報にしかアクセスしないため一方的な考えに凝り固まってゆく、と言うストーリーに、ネット社会への免疫のないシニア層が「引っ掛かって」しまうと言うもの。
このネット社会の発展について、PC-VANやNihty-Serveと言ったサービスや、アナログ(モデム)接続からテレホーダイ、ISDNそしてブロードバンドへという変遷史の解説は面白かく懐かしかったが、本書の趣旨からすればページを割き過ぎでは。
実は元会社の知り合いに、妙に攻撃的で右翼っぽくなってしまった人がいて残念に思っている。もう付き合うことはないだろうが、その人も本書にあるような経緯を辿ったのだろうか。
2024年4月4日 自宅にて読了