森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

タカネナデシコ

2012年12月26日 | 自然観察日記
タカネナデシコもありました。やはり山頂付近の稜線上で東に大きく崩れている崩壊地斜面です。低地のカワラナデシコの高山形で草丈は低く花はより繊細です。

ミヤマコゴメグサ

2012年12月26日 | 自然観察日記
亜高山帯から見られる小さな花。日当たりのいいガレ場によく出てきます。小さな花ですが愛嬌のある姿は好きですね。この仲間は西洋ではアイブライトという名で目によく効く薬として知られています。日本ではメグスリノキみたいな存在のようです。

ミヤマカラマツ

2012年12月25日 | 自然観察日記
個体が小さめですからヒメミヤマカラマツかな?とも考えましたが、栄養状態の悪いミヤマカラマツです。ヒメミヤマカラマツはミヤマカラマツの高山種という位置づけですが、新潟と群馬にわずかに生息している種だそうで、鳥甲山は長野県ですから資料の範囲外。ミヤマカラマツは名前の通り深山の沢筋でよく見かける種であまり高山の風当たりの強い場所に生育するという感じはしないのですが、あまり先入観を持たない方がいいようです。


ヒメスギラン

2012年12月25日 | 自然観察日記
ランという名がついていますが、これはシダ植物です。かなり珍しい種でなかなか出会うことがないいわゆる珍品。15cm位の大きさであまり枝分かれをしない常緑のシダ。深山の樹上、苔の生えた岩上に生育する性質があります。

ミヤマトウキ

2012年12月24日 | 自然観察日記
独特な香りがするトウキの高山種。草丈が低く相対的に花穂が大きく見えます。白い花を咲かせるセリ科の植物。セリ科の種の同定も難しい分野の一つで、少数ならともかく結構な種類数があるので苦手な方も多いですね。そういう場合は見た目だけでなくつぶした時の匂いやかじって味を調べるのがいいかもしれません。少なくともトウキは香りを覚えておくとまず間違わない種です。

ミヤマトウキ 花

2012年12月24日 | 自然観察日記
花を拡大してみました。花序は細かな花が散房状に広がっているのですが、一つ一つの花は5数性をしていますが花弁が反り返って少々わかりにくいです。離弁花の花では最も進んでいると考えられる形態で、合弁花のキク科の花の集合状態と比較してみると面白いですね。小さな花が多数集まるというのが進化の一つの方向のような気がします。

ホタルサイコ

2012年12月23日 | 自然観察日記
黄色の花を咲かせるセリ科の種です。あまり越後では見ない種ですが、低地にもあるそうです。ちょっと調べたところ、佐渡、粟島の低地に確認されていて、なんと弥彦山塊にもあることになっていました。どちらかというと私の活動範囲ですから少々驚きです。まだまだ勉強が足りないことを思い知らせれましたね。個人的には鳥甲山のような高山で見るのがごく普通で、低山で生育している個体は全くの認識不足。同行した方のアドバイスで知識を得ました。ぜひ今度弥彦山塊で見たいなぁと思っています。
そうするとかなり特徴的な分布形態をする種ということになります。高山から低地まで県内広く点在している種のようですが決して多くないので出会う確率はかなり少ないでしょう。ただ、経験的に高山の方が出会う確率は高いはずです。

ツガザクラ

2012年12月23日 | 自然観察日記
高山植物の定番。ツガザクラです。花は終わっていて若い実がついている状態の個体が尾根筋の岩場に根付いていました。ツツジ科の低木で葉が針葉樹のツガに似ていることから名づけられたことになります。花はサクラとはかなり離れているような気もしますが・・・。

ウラジロハナヒリノキ

2012年12月22日 | 自然観察日記
低山にもあるハナヒリノキですが、高山にはこの種に似ているウラジロハナヒリノキがあります。この区別がなかなか難しくてというより混同していたのですがようやくその違いが見えてきました。実はハナヒリノキにも裏が白い個体は結構あってこれをウラジロハナヒリノキなどといっていたのです。また、困ったことにウラジロハナリヒノキには裏が白くないのがあるからややこしいのです。低山種と高山種になっているならそれもわかりやすいのですが、ハナヒリノキは低山から亜高山まで生育しているのでますます困ったことになります。
つまり、ハナヒリノキには区別しなければならないこの2種をトータルで特徴を精査して、葉裏が白いのとそうでないのが最大公約数的に違いがあるとされるのでそういう名前が付けられたようです。もう少し違った名前にしていただけるとこういう混乱はないのかもしれませんね。

ウラジロハナヒリノキ 葉

2012年12月22日 | 自然観察日記
ハナヒリノキとの違いを簡単に言うと、葉の形がウラジロハナヒリノキは短い卵状楕円形でハナヒリノキは長楕円形。もっとはっきりした点は葉裏に毛があればハナヒリノキ、なければウラジロハナヒリノキ。色の白さには惑わされない方がいいのです。

タカネマツムシソウ

2012年12月21日 | 自然観察日記
今回の一番の目玉の花と言えばこのタカネマツムシソウでしょうか。山頂下の稜線のガレ場にその生育の中心があって量は多いというほどのものではないものの十分楽しめる存在でした。本来ならこういう場に来なければ見れない種ですが、今では園芸化されて比較的身近になってきてはいます。そういう意味で人にマツムシソウを見てきたなどと話してもあまりインパクトがないのが残念ですね。