森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

オヤマボクチの葉

2015年02月15日 | 自然観察日記
昨年の花茎が残っていてももう春ですから地面から今年の葉が展開してきました。一部はロゼット葉の状態で越冬すると思いますが地温の状と共に湧き出るように大きな葉が伸びてきます。この葉の裏側に生える綿毛が「火口(ボクチ)」として利用されたといいます。また、蕎麦のつなぎにした地域もあります。昔の人の火起こしを体験してみたいとか、数回そば打ちなども体験していますから今度はオヤマボクチのつなぎの蕎麦もやってみたいなどと思っています。

ウスバサイシン

2015年02月14日 | 自然観察日記
ウスバサイシンがありました。深山の木陰でみる種で「那須にもあったか!」という思いです。かたまって大きな群落を作るような種ではなくポツンぽつんと出会う種という印象です。この種はヒメギフチョウというアゲハチョウの一種の食草として知られています。カンアオイを食草にするギフチョウと食い分けを行うことから2種が同じ地域にいても競争関係にならずにすみます。しかし、ウスバサイシンとカンアオイはあまり一緒に生育していませんから、ギフチョウの一群が深山に進出した時にウスバサイシンを食草にすることで生き延びて、ヒメギフチョウに進化したというふうに考えるのが自然なのでしょう。食い分けを行うことですみわけもでき両種の競争関係を避けていると考えられています。とはいえ、自然の破壊が著しくチョウもウスバサイシンやカンアオイが減少傾向で保護しなくてはなりません。ところで、短い間でしたがヒメギフチョウが飛翔する姿は目撃できませんでした。

ウスバサイシンの花

2015年02月14日 | 自然観察日記
カンアオイの仲間の花は変わった花です。この変わった花が好まれるという面があるのでしょう。地際にさいてカタツムリやナメクジのような小動物の媒介で受粉させるという考えがあります。蝸牛媒花というのだそうです。個人的にはその実態を見たことがありません。アリなどの働きもあるのではと考えてもいます。

うろに住み着くウスバサイシン

2015年02月14日 | 自然観察日記
どういういきさつでこのような場所に根を張るようになったのか?とても面白い生態を見ました。ウスバサイシンがミズナラの大木のうろに根付いているのです。それも花もつけていますから、ここに住み続けてかなりの年数がたったものと思われます。このうろに種子が運ばれたのはおそらくアリの仕業?以来、生育に適した条件が備わっていたのでしょうね。偶然がなせる一つの形です。自然は面白いですね。

タケシマラン

2015年02月13日 | 自然観察日記
昨年は栂池でも見てきました。那須でもタケシマランを見る機会がありましたが、再三のコメントですがシロヤシオの林の林床はあまり下草が多くなく貧弱な植生です。それぞれの種の個体数が多くないのでカメラに撮り忘れるとあとの祭りになってしまいます。気づいたときに撮った個体です。一見ナルコユリ似た葉ですが、花はまるで異なります。

タケシマランの花

2015年02月13日 | 自然観察日記
花被片が反り返り付け根の文様が特徴的です。越後で見るタケシマランと那須のタケシマラン、この種については差異については気づきません。観察量が多くないのかもしれませんが、同じに見えます。比較的明るく水はけのよい場所に生育しているということぐらいです。ときどき黒い実をつけるタケシマランもあるとか。実の季節に訪れないと分かりませんね。

タチツボスミレ

2015年02月12日 | 自然観察日記
変わったもの珍しいものを見て興奮気味のさなか、懐かしいと言いますか見慣れたものを見つけるとどことなく安堵の面持です。タチツボスミレです。花盛りでちょうど見ごろ。早春の景色を彩を添えてくれています。少し花の色が薄い気がするものの距にも薄く青い色。色の濃淡は個体変異の範囲でしょう。

赤い筋が入るタチツボスミレの葉

2015年02月12日 | 自然観察日記
話は簡単ではありませんでした。葉を見ると赤い筋がしっかり入っていますから、普通のタチツボスミレではないことが分かります。好事家の間ではアカフタチツボスミレとして扱われていることを知りました。各地域地域でそれぞれの種が適応進化しその地にあったものに変異していくという事実をタチツボスミレからも教えられる格好になりました。違いがあるのでそれぞれに名前を付けるのは正しいことですが、名前にだけ振り回されていても問題があります。分ける必要がない場合も結構あると思います。タチツボスミレの一つの変異として理解しておきました。

那須高原のエンレイソウ

2015年02月11日 | 自然観察日記
ユキザサの並びにエンレイソウがありました。越後の里山で見るエンレイソウとは花の色が大変異なりちょっと歓声をあげたりして・・。花弁がありませんので、たとえばシロバナのエンレイソウなどというグループではありません。エンレイソウも地域ごとに見ていくとかなりの変異種があるようです。まだ十分整理されていない部分があり名前の付け方が不十分ということでしょうか。近々、新しい名前を付けられて紹介される日が来るかもしれませんね。とりあえず私の知る限りでは、この個体もエンレイソウになります。

エンレイソウの花

2015年02月11日 | 自然観察日記
エンレイソウも歩いた範囲ではここでしか見ていないので、この個体のような緑色の花ばかりなのかわかりませんが1株だけということも可能性が少ないので、那須の個体群は赤紫色の外花被を持つのではなく緑色のものが主だと推測しています。

ミドリユキザサ

2015年02月10日 | 自然観察日記
緩い尾根の散策道、その奥はシロヤシオの林なのですが手前の比較的日当たりのよさそうな草付があり、ミズナラなどの高木が点在しているのですが、その株元にひときわ目立つユキザサの塊がありました。ミドリユキザサでした。他にもあってよさそうなのですが見かけたのはこの一か所のみで、小一時間歩いた散策道では気づきません。環境的にはもっとあってもという思いはしたものの、那須の高原では少ない種ではないかと考えてみたりしました。大型のユキザサ類は新潟を含め中部の山岳地帯を中心にいくつかの種があると理解しています。

ミヤマシキミ

2015年02月09日 | 自然観察日記
那須は春も比較的早い段階ですから林床はやや寂しい状態。そんな中で、ミヤマシキミがありました。最初はツルシキミと勘違いしていたのですが、匍匐しないで立ち上がる性質は普段新潟で見慣れているツルシキミとは異なります。比較的低い場所にも生育するのだそうで、ツルシキミが新潟では深山にあるのとは少々異なる感じです。ちょうど花の季節で白い花が丸く塊になって咲いていました。

ハリギリの新芽

2015年02月08日 | 自然観察日記
小さな木もあるのですがハリギリと気づくのは大体巨木になってからのことが多いかもしれません。そんなハリギリの大木があって、目の高さに新芽がいくつも出ている個体に遭遇。ウコギの仲間ですからこの新芽も山菜として利用でき、評価もいいとか。しかし、大木なることと棘の存在で採集する機会もなく今まで口にしたことがありませんが、目の前の新鮮なボリュウムのある新芽の様子を見ると一度は試食もしなければと思いました。しかし、ここでの採集は具合が悪いので写真を撮って記憶に留めるだけにしました。