MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ウインド・リバー』

2018-09-04 20:29:16 | goo映画レビュー

原題:『Wind River』
監督:テイラー・シェリダン
脚本:テイラー・シェリダン
撮影:ベン・リチャードソン
出演:ジェレミー・レナー/エリザベス・オルセン/ジョン・バーンサル/ケルシー・アスビル
2017年/アメリカ

雪原の中を裸足で走る意味について

 本作は行方不明者に関する統計がネイティブアメリカンの女性に関しては取られていないという現状と、主にネイティブアメリカンが住むワイオミング州のウィンド・リバー保留地に事実上「飛ばされて」働いている素性の怪しい白人たちとの関係が事実を基に描かれている。
 ラストにおいて主人公でFWS(合衆国魚類野生生物局)の職員であるコリー・ランバートがピート・ミケンズをワイオミング州最高峰のガネット・ピークまで連れて行き、裸足で雪原を走ることを条件に逃走を認める。それはピートが暴行を働いた、同僚のマット・レイバーンの恋人のナタリー・ハンソンが裸足で逃げ出した際に亡くなった時と同じ条件を課したのであるが、自身の生死が懸かっているにも関わらずピートは1キロさえ走れず雪原に埋没してしまう。ナタリーは同僚たちにリンチを受けている恋人のマットを救いたい一心で裸足で雪原の中を10キロも走ったことを勘案するべきであろう。


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