現在、横浜美術館で催されている『モネ それからの100年(Monet's Legacy)』は
フランスの画家であるアンドレ・マッソン(André Masson)の「つまり、モネは印象派ではなく、
あらゆる現代美術の生みの親ではないのか?」という言葉から始まっている通りに、モネの
作品と同時にモネに影響を受けた国内外の現代アートのアーティストたちの作品も展示されている。
しかしここで作家は作品を観ながら厳しい現実にも直面することになるだろう。現代アートの
ヴィデオ作品ならまだ人だかりができてもいるのだが、モネの作品には大勢の観客が集まって
いるにもかかわらず、モダンアートの作品にはなかなか観客の足が止まらないのである。
しかしそれは決して現代アーティストが劣っている訳ではなく、モネがあらゆる方法論を
やり尽してしまったことによるからであろう。何と言っても『ヴィレの風景(Landscape, Villez)』
という「抽象絵画」を1883年、43歳の時にモネは描いているのである。