現在、横浜美術館で催されている『モネ それからの100年(Monet's Legacy)』は既に
書いている通りに、現代アートのアーティストたちに対してモネの一人勝ちなのであるが、
一人だけ異彩を放つ作品を描いており、それはゲルハルト・リヒター(Gerhard Richter)で
金沢21世紀美術館所蔵の「アブストラクト・ペインティング(Abstract Painting)」(1997年)の
2作品である。
リヒターはまだ現役の作家で評価は今後に委ねられると思うが、最初に見た時に光を発して
いるように見えたし、さらに画面が揺れているように見えるのであるが、「3D」までは
モネは作品に取り入れているのだが、画面そのものを「動かす」という発想はモネには
なかったもので、リヒターがモダンアートを新たなステージに押し上げているように
見えるのである。