原題:『Mamma Mia! Here We Go Again』
監督:オル・パーカー
脚本:オル・パーカー
撮影:ロバート・D・イェーマン
出演:アマンダ・サイフリィド/リリー・ジェームズ/アンディ・ガルシア/メリル・ストリープ
2018年/アメリカ
アバの楽曲の「オーラ」について
25歳となったソフィ・シェリダンの、母親のホテルを維持管理するための奮闘と彼女の母親で1979年に大学を卒業したばかりのドナ・シェリダンのアバンチュールが交互に描かれている本作は、やはりアバの音楽に支えられて期待に違わぬものになっているのであるが、ミュージカルという性格を持つ本作はどうしても登場人物というよりも俳優自身に関心が行ってしまい、そうなるとメリル・ストリープの母親役がシェールというのは普通ではあり得ないのであるが、ミュージカルだからこそ楽しめるのだと思う(因みに昨日公開された『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(大根仁監督 2018年)は本作の人気に便乗しようとしている企画だと思っている。まだ観ていないけれど)。
日本人の観客にとって気になるところはやはり日本の描写であろう。確かに街並みには違和感がないのであるが、東京に出張していたハリー・ブライトが日本人と14時間商談しているという状況はギャグとして機能しているものの彼らが商談場所にしているビルのオフィスには何故か障子や盆栽があり壁には「整合性」という漢字が書かれているのである。東京のビルのオフィスがアメリカのニューヨークのビルのオフィスであっても日本人は気がつかないと思う。
ところで本作のラストをオールキャストで飾るアバの「スーパー・トゥルーパー」の元々の意味はアメリカのネブラスカ州のオマハにある会社で製造されているスポットライトの名前で、MVの冒頭とラストに見られるものである。だからと言ってこれがスポットライトの歌なのかとなると違うような気がする。「トゥルーパー(Trouper)」には「頼りになる人」という意味があるからである。個人的には本作のヴァージョンの方がアップテンポで好きである。以下、和訳。
「Super Trouper」 Abba 日本語訳
「とても頼りになる人(Super Trouper)」の「オーラ(beams)」は
私を盲目にしてしまうだろうけれど
いつものように憂鬱な気分にはならないと思う
だってこの群衆の中のどこかにあなたがいるということだから
私はあらゆることに対して嫌気がさして飽きてしまった
昨夜グラスゴーから私があなたに電話をした時に
私はただ食べて寝て歌っているだけで
毎回これが最後のショーになるようにと願っていた
だからあなたが来るという噂を聞いて私がどれほど嬉しかったか想像してみて
突然私の気分は改善して
今夜私がステージに立つ時には
全てが一変しているだろう
今夜とても頼りになる人の「オーラ(lights)」が私を探し出すだろう
太陽のように輝きながら
楽しそうに笑いかけて
世界一になった気分
とても頼りになる人のオーラは
私を盲目にしてしまうだろうけれど
いつものように憂鬱な気分にはならないと思う
だってこの群衆の中のどこかにあなたがいるということだから
2万人のあなたの友人たちを目の前にすれば
全く孤独でいられる人などいないし
完全に失敗するということはあり得ない
いまだに私はあなたのことだけを考えている
私は自分が変になってしまったのではないかと思うことがよくあるけれど
もう大丈夫
今夜私がステージに立つ時には
全てが一変しているだろうから
今夜とても頼りになる人のオーラが私を探し出すだろう
太陽のように輝きながら
楽しそうに笑いかけて
世界一になった気分
とても頼りになる人のオーラは
私を盲目にしてしまうだろうけれど
いつものように憂鬱な気分にはならないと思う
だってこの群衆の中のどこかにあなたがいるということだから
だから私はあなたが来る頃合いにそこにいようと思う
あなたを見かける時
私は自分がまだ生きているという実感が得られるはず
あなたが両腕で私を引き寄せてきつく抱きしめてくれる時
今夜が大事(おおごと)になることは分かっている
今夜とても頼りになる人のオーラが私を探し出すだろう
太陽のように輝きながら
楽しそうに笑いかけて
世界一になった気分
とても頼りになる人のオーラは
私を盲目にしてしまうだろうけれど
いつものように憂鬱な気分にはならないと思う
だってこの群衆の中のどこかにあなたがいるということだから
今夜とても頼りになる人のオーラが私を探し出すだろう
太陽のように輝きながら
楽しそうに笑いかけて
世界一になった気分
Abba - Super Trouper