原題:『The Peanut Butter Falcon』
監督:タイラー・ニルソン/マイケル・シュワルツ
脚本:タイラー・ニルソン/マイケル・シュワルツ
撮影:ナイジェル・ブルック
出演:シャイラ・ラブーフ/ダコタ・ジョンソン/ジョン・ホークス/ザック・ゴッサーゲン
2019年/アメリカ
クライマックスがファンタジーになってしまう原因について
暮している養護施設で主人公のザックがプロレスラーのソルト・ウォーター・レッドネックを知るのは昔のVHSヴィデオであるがためにレスラー本人は当の昔に引退しているというストーリー展開がインド映画の『燃えよスーリヤ!!』(ヴァーサン・バーラー監督 2019年)に似ているところは興味深い。
しかし本作の残念な点は、それまでリアリズムに徹していたのに、肝心のクライマックスの場面でファンタジーになってしまったところで、『カッコーの巣の上で』(ミロス・フォアマン監督 1975年)と『真夜中のカーボーイ』(ジョン・シュレシンジャ―監督 1969年)を上手くミックスしていると思っていたのだが、最後にしらけてしまった。ファンタジーでも挟まなければ主人公たちは挫折するしか選択肢がないのかもしれないのだが。