三蔵稲荷神社の参道から外れてコンクリート製の階段を上がると海鼠壁の蔵の横に出る。これが福寿会館の東蔵で平成24年2月23日に国登録有形文化財に指定された。
福寿会館洋館の背後から福山城の天守閣がのぞいている。福寿会館はもともと削節製造業で財を成した安部和助(あんべわすけ)の別荘として建てられたものである。
安部和助は大正14年(1925)の貴族院多額納税者議員互選人名簿(広島県内)の上位にランクインしており、現福山市エリアのトップだった。福山の財閥と言われた鐵屋(くろがねや)の藤井與一右衛門や錦糸卸商の坂本政七よりも納税額が多く飛ぶ鳥を落とすほどの勢いだったことがわかる。