tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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田中利典師の「自然を壊して手にしたもの」

2023年06月10日 | 田中利典師曰く
今日の「田中利典師曰く」は、「何が希望なのか…」(師のブログ 2011.12.7 付)を紹介する。「講演録の結論」とあるので、どこかでこのような講演をされたのだろう。「自然を壊してまで手にしたものが本当に私たちを幸せにするか」という問いは重い。では全文を抜粋する。
※トップ写真は、吉水神社「一目千本」からの眺望(3/31撮影)

何が希望なのか…
家族サービスで3日ほど遊んでいた分今日は忙しかった・・・。さっきまで講演録の直しや機関誌の編集に追われていた。で、今日の講演録の結論。

日本人は自然を飼いならすことなどできないことを知っていたはずです。それを近代以降、間違ってしまい、原発のような自然を汚し続けるものに手を染めてきました。福島原発事故によって、福島周辺の美しいあの海、あの山、あの川は汚染され続けています。私たちはあそこに住まう神にどう謝罪したらいいのでしょうか。

物質文明社会の豊かさを享受しようとすれば資源が必要です。しかし、自然を壊してまで手にしたものが本当に私たちを幸せにするかどうか。もし日本にある原発が次々に事故を起こしていくと、日本中のどこにも住めなくなります。そんなことをしていいのでしょうか。何が希望なのでしょう。

日本人は畏敬の念をもって国土を大事にしてきました。二度と取り戻せないようなことをしてはいけない。私たちはこの風土の中で培ってきた多様なもの、外国の影響を受けながらも重層的な文化を作り上げてきました。人間は帰属するものがないと生きていくことはできません。是非、もう一度、自分たちの風土や文化を見直すところから始めるべきではないかと思います。

…以上でした。
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