tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

清澄の里 粟 三浦雅之さんが、朝日新聞に登場!

2012年01月31日 | 奈良にこだわる
朝日新聞奈良版の人気コーナー「人生あおによし」に、1/29(日)から、「清澄の里 粟」の三浦雅之さんが登場している。全27回の連載である。雅之さんはFacebookに「拙い文章で恐縮ですが、こうして半生記をまとめる機会も多くはないと思いますので、素直な内容を心掛けて締め切りと格闘していきたいと思ってます」とコメントされていた。

連載の1回目に、三浦雅之さんのプロフィールが出ている。《みうら・まさゆき 1970年、京都府舞鶴市生まれ。福祉関係の研究職を経て三重・奈良県境の「赤目自然農塾」で学び、98年、妻の陽子さんと奈良市高樋町に移住。県内の伝統野菜の調査研究や栽培保存に取り組んできた。2002年にオープンした農家レストラン「清澄の里 粟」は昨年、世界的なグルメ本「ミシュランガイド」で一つ星を獲得した》。

写真は田の神さま。「清澄の里 粟」で06.6.11に撮影(下の写真も)

初回のイントロは、17年前の話である。《人生の転機は17年前。新婚旅行先のアメリカで、見聞を広めようと訪ねた、あるネーティブアメリカンの村で目にした光景だった。村の知恵袋として尊敬を集め、生涯現役で働くお年寄り。笑顔で遊び回る子どもたち。村人の生き生きとした暮らしは、協働で耕した畑の収穫物を食し、種を採り、また育てる繰り返しがつくり出す食文化の伝承で成り立っていた。彼らの伝統作物であるトウモロコシの色鮮やかな種と伝統文化を中心に、各世代が結びつき、人々は幸せそうに生きていた》。ネーティブアメリカンとは、アメリカ先住民(インディアン)のことである。

《それは当時、総合病院で看護師をしていた妻の陽子と福祉関係の研究機関で働いていた私にとって、目からうろこが落ちるような光景だった。日本では、「要介護者」となった高齢者の生きがいの喪失や学校でのいじめが、当たり前のようになっていた。豊かになった日本が知らず知らずのうちに置き忘れた大切なもの。制度、テクノロジー、施設と同じぐらい、いやそれよりも大切なことがあるのではないか―。そんなことを考えながら、日本に戻った》。


これが三浦さんご夫妻の原点なのである。13年前、清澄の里(きよすみのさと 奈良市高樋町)の荒地を開墾し、伝統野菜の種を蒔いた。3年後(今から10年前)には立派な畑に生まれ変わり、そこに農家レストラン「清澄の里 粟」を開店。3年前には姉妹店「粟 ならまち店」もオープンされた。当ブログご愛読者のazukiさんは、「清澄の里 粟」をきれいなお写真入りでレポートされている。

初回のしめくくりに三浦さんは書いている。《日本人として生まれ、奈良にご縁をいただいたことを幸せに感じる。日本の農村文化を体現してこられた方々に教わった大切なこと。大和の伝統野菜を受け継いでこられた先人から受け取った物語。大和の伝統野菜の小さな種は古の大和を、日本の文化を訪ねる入口となる。その種火を、しっかりと守り育てていきたいと思っている》。

第2回(1/30付)では、「あたたかい故郷の記憶」として、故郷・舞鶴市(京都府)での幼少時代の思い出話を紹介されていた。思うに、雅之さんのご成功の陰には、奥さんの絶大なご尽力があったようだが、それは今まであまりメディアでは紹介されていない。今回の連載では、その辺りを詳しく知ることができるだろうと期待している。雅之さん、これからの展開を大いに注目していますよ!
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古事記完成1300年記念シンポジウム、盛大に開催!

2012年01月30日 | 記紀・万葉
昨日(1/29)、奈良県主催の古事記完成1300年記念シンポジウム「日本の原風景に出会う古事記の世界」が「ル テアトル銀座」(東京都中央区銀座)で開催され、大盛況だった様子である。このシンポジウムに先立ち、県観光局はガイドブック「なら記紀・万葉名所図会~古事記編~」を発刊するとともに、HP「なら記紀・万葉」をスタートさせた。HPスタートのニュースは、今朝(1/30)のNHK総合テレビでも報じていた。

シンポジウムについて、読売新聞奈良版(1/30付)は「神話の舞台に思いはせ 銀座で記念シンポ 探し歩くの楽しい 770人参加」という見出しで、大きく報じていた。リード文は《東京・銀座で29日開かれた古事記完成1300年記念シンポジウムで、県が2020年まで展開する「記紀・万葉プロジェクト」が本格的なスター・卜を切った。ゆかりのある各県の知事やマンガ家・里中満智子さんが、神話の舞台とされる名所や古事記に込められた価値観などを語り、約770人を歴史ロマンにいざなった》である。

《ゆかりの地サミットでは、5県の知事が観光PRを展開。荒井知事は「奈良には癒やしのパワーがある。古事記の一節を言いながら歩くと健康になれる」と話すと、島根県の溝口善兵衛知事も「昔のままの風景が残り、古代、神話の世界を身近に楽しんでもらえる」とアピール。福井県の西川一誠知事は「古事記に越前ガニが登場する」と地元が誇る食の魅力を訴えた。鳥取県の平井伸治知事は東日本大震災を踏まえ、「絆を結んでもう一度再生を果たす。そういう意味で記紀万葉を語り合えたら」とし、宮崎県の河野俊嗣知事も「古事記には祖先の体験に基づく世界観、哲学が込められている。自然との共生や畏敬の念を、子供たちに伝えたい」と話した》。

《東京都杉並区の会社員鵜沢朋子さん(36)は「各県の“お国自慢”のようで面白かった」と言い、万葉集が好きという八王子市の清野富子さん(71)は「古事記は天皇の歴史の羅列と思っていたが、もう一度ひもといてみたい」と興味深そうに話した。里中さんは講演で古事記について、「1300年前の人たちの感性や価値観が表れていると思う。ギリシャ神話や東南アジア(の伝承)にも古事記とそっくりの話があり、読み比べてもらえれば」と語りかけた。江戸川区の会社員柴田正和さん(42)は「古事記に書かれた地を探していくのも楽しい」と話した。会場では、奈良や三重など9県の観光ブースが登場。奈良県が作成した観光ガイドブック「なら記紀・万葉名所図会~古事記編~」も先行配布され、品川区のパート難波幸子さん(45)は「写真がきれいでとてもステキ。友達にもあげたい」と喜んいた》。装いも新たなNEWせんとくんと、平成伎楽団によるダンス・パフォーマンスも好評だったそうだ。

YOMIURI ONLINE(1/29発信)には「古事記1300年、ゆかりの地でイベント多彩」という記事も載っていた。《日本最古の歴史書「古事記」が編さんされてから、今年で1300年になる。神話の舞台となった宮崎、島根、兵庫県や編さんの地、奈良県などの古事記にゆかりのある各県は、観光客誘致につなげようと多彩なイベントを計画。関係者は「国のあり方が問われる今こそ、国を築いた先人の思いに触れ、元気を取り戻して」と話している》。

《古事記でニニギノミコトが降り立った天孫降臨の地とされる宮崎県は、1月から宮崎市の青島神社や西都市の都萬(つま)神社などをガイド付きのバスで巡る「神話巡りワンコインツアー」(定員約40人)を開始。参加費500円で、週末を中心に3月まで計20回を予定している。22日までの7回のうち、5回がほぼ満員で、2月も大半が予約で満杯。県観光推進課は「予想以上の人気で、4月以降も神話を生かしたイベントを考えたい」とし、口蹄疫(こうていえき)や新燃岳噴火で落ち込んだ観光業立て直しの起爆剤の一つに位置付けている。一方、宮崎に関連があるもう一つの歴史書「日本書紀」も2020年に編さん1300年を迎える。県は同年まで記念事業を続ける方針で、2月に市町村や民間団体などと協議会を設け、内容を検討する》。

《ヤマタノオロチ退治やオオクニヌシノミコトの国譲りで知られる島根県は7~11月、「神話博しまね」を県内各地で開催。神話の世界を表した映像の上映や石見神楽(いわみかぐら)を披露する。国譲りの後、オオクニヌシは幽界(黄泉国(よみのくに))に籠もり、人々の縁を結んでいると考えられるようになったといい、県の担当者は「東日本大震災後に見直された人と人のつながりを感じてほしい」と話す。「国生み」神話の舞台・淡路島(兵庫県)の伊弉諾(いざなぎ)神宮では2月19日、記念大祭を予定。神話をテーマにした兵庫県主催のシンポジウムも開かれる》。

《編さんの地・奈良県は今月29日、東京で宮崎、鳥取、島根3県と「ゆかりの地サミット」を開催。講演を予定しているマンガ家、里中満智子さんは「危機を乗り越え、国をつくった祖先たちを知れば、内から湧き上がるような誇りを持てる」と話す。旅行業界も注目。クラブツーリズム(東京)は島根県や奈良県を訪ねる企画商品を順次、発売し、宮崎県内を巡る3月のツアーは定員の25人がすでに満員で、2回分を追加した。日本旅行(同)の時永幸雄さんは「古事記ゆかりの地はパワースポットぞろいで、元気になりたい人向け」という》。

古事記が献上されたのは、今からちょうど1300年前の和銅5年1月28日。この日にちなんで大神神社(桜井市三輪)では、菅野雅雄氏(元中京大学教授)による「『古事記』撰進千三百年~古事記の成立まで~」という講演が行われたそうだ(1/28「第193回 三輪山セミナー」)。

ここへきて、古事記イヤーにちなむイベントなどが続々登場していることは、とても有り難いことである。古事記イヤーの今年は、「古事記」をキーワードに観光を盛り上げよう!

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なら瑠璃絵は、2月8~14日開催!(2012Topic)

2012年01月29日 | お知らせ
平城遷都1300年祭の2010年に始まった「なら瑠璃絵(るりえ)」、3回目を迎える今年は、2/8(水)からスタートする。1/29付の毎日jp(毎日新聞)によると《ライトアップ:LED10万個で光の回廊 奈良公園一帯で来月、特別講演も企画 約10万個の発光ダイオード(LED)で奈良市の奈良公園一帯を光の回廊で結ぶ「しあわせ回廊 なら瑠璃絵」が、2月8~14日に開かれる。今回は同10~12日に東大寺や興福寺、春日大社の3社寺の執事長や権宮司による特別講演会なども新たに企画された》。

《なら瑠璃絵は観光客が少なくなる冬の観光策として10年から始まり、昨年は約36万5000人が訪れた。浮雲園地、県新公会堂、春日大社参道などがライトアップされ、冬の奈良公園に幻想的な空間を創り出す。3社寺では夜間特別拝観を開催。8、10~12、14日には十津川温泉の足湯も設置され、14日には午後7時から約200発の花火を打ち上げる。興福寺、東大寺、春日大社をつなぐ臨時バスも運行される。点灯時間は午後5時半~8時半まで。問い合わせは、実行委(0742・30・6560)まで》。今回の見ものは、記事にもあった「特別講演会」で、「夜間拝観』も充実している。なら瑠璃絵の公式Hpから抜粋すると、

三社寺特別講演会(無料・当日受付)
○東大寺執事長 狹川普文氏 『冬の奈良は何色?』
日時/2012年2月10日 16:30~18:00
場所/東大寺金鐘ホール
○興福寺執事長 森谷英俊氏 『灯りが生み出す奈良の文化』
日時/2012年2月11日 16:30~18:00
場所/興福寺会館
○春日大社権宮司 岡本彰夫氏 『奈良のこころ』
日時/2012年2月12日 16:30~18:00
場所/春日大社感謝共生の館

奈良国立博物館講演会(無料・当日受付)
○奈良国立博物館部長 西山厚氏 『神と仏の出会い』
日時/2012年2月9日 16:30~18:00
場所/奈良国立博物館講堂

三社寺夜間拝観
日時/2012年2月8日~14日 17:30~20:30
東大寺  戒壇院戒壇堂、ライトアップ
春日大社 本殿、吊灯篭
興福寺  東金堂 国宝館 夜間拝観

興福寺 五重塔ライトアップ
日時/2012年2月8日~14日 17:30~21:00

奈良国立博物館 夜間特別開館
日時/2012年2月8日~14日 9:30~21:00(※入館は20:30まで)

夜のガイドツアー(夜参り提灯)も、面白そうだ。

夜参り提灯
来場者に提灯を持っていただき、瑠璃絵ナビゲーターが会場を案内(2コース)
日時/2012年2月8日~14日 17:30~20:00(最終受付20:00)
場所/新公会堂前
[1]春日大社参道コース
[2]東大寺戒壇堂コース夜参り提灯


「いつも真っ暗」という奈良の夜の暗さを逆手にとったイベントである。夜間の講演会や特別拝観、ガイドツアーなどは、なかなかヨソではマネのできないラインナップだ。体が冷えたら「しあわせココア」(本葛入りのホットココア)500円で温まれる。皆さん、ぜひ今年もなら瑠璃絵ょをお訪ねください!
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献上る(たてまつる)ってオオノくんが書いたから、1月28日は「古事記記念日」

2012年01月28日 | 記紀・万葉
今日は1月28日。『古事記』の「序」によれば、太安万侶が『古事記』を元明天皇に献上したのが「和銅五年(712年)正月廿八日(1月28日)」。つまり今日は「古事記イヤー」(1300年目)の「古事記記念日」なのである! (旧暦と新暦の違いはあるが、それは気にしないで良いだろう。ひな祭りも七夕も新暦でやっているのだから…。)

この写真は出雲大社・正面鳥居、トップ写真は御仮殿(=拝殿。御本殿は工事中)。いずれも1/28撮影

私はこの日にあわせ、昨日と今日は出雲に詣で、つい先ほど帰ったばかりである。なので、こんな時間に今日(1/28)のブログ記事を書いている。出雲は「古事記献上1300年」だけでなく、「縁結び」で頑張っていて、若い女性がたくさんお参りしていた。今日は「古事記記念日」なのに誰も言い出さないので、とにかく今は、その事実だけを書いておきたい。出雲詣での詳細情報は、しばしお待ちを!
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なら・観光ボランティアガイドの会(朱雀)が15周年!

2012年01月27日 | 奈良にこだわる
朱雀(すざく)の愛称で知られるなら・観光ボランティアガイドの会は、今年で15周年を迎えた、おめでとうございます! 毎日新聞奈良版の「NPO飛龍元年」(1/19付)で、詳しく紹介されていた。見出しは「高齢者が生き生き活動 年間平均8万人案内」だ。《NPO法人に認証されて今年で10周年。任意団体の発足にさかのぼれば、15周年になるNPO法人「なら・観光ボランティアガイドの会」(愛称・朱雀、奈良市上三条町)。文字通り節目の今年から始めた観光案内ツアーに先日、参加した》。
※写真は、法華寺で06.12.17撮影



《「奈良に来た人の希望を聞き、案内するという受け身の姿勢だけではなく、こちらからお勧めのコースを積極的に紹介したい」。同会の長谷川祟明理事長(72)は新しい取り組み「ドラマチック奈良 歴史の道ウオーク」の狙いを説明する。このイベントは世界遺産のまち「奈良」にある歴史の道を3回に分け、各回10キロ計30キロ歩くのが特徴だ》。「ドラマチック奈良 歴史の道ウオーク」のことは当ブログでも紹介したことがある。社寺の拝観ではなく、「歴史の道」ウォーキングが主体のイベントである。

《1回目は今月14日に開かれ、近鉄奈良駅前の行基像からスタートし、春日大社や大安寺を経て、薬師寺までの道のりだった。近畿地方だけでなく、関東や中部から計六十数人が参加。数人から約10人に1人の割合で同会のメンバーが付き案内する。一緒に歩き、素晴らしい景色を見たり、団地の中にある古墳などおもしろい発見もあった。一方で、せっかくの歴史の道が景観に配慮せず、周辺の土地が乱開発されたため、台無しになっている実態も皮肉なことに感じてしまった》。



《観光内容以外で気になったのは距離だけでなく、コースのアップダウンが結構、きついこと。歩くスピードも決して遅くなく、ほとんどの参加者が高齢者だけに「大丈夫か」と思ったが、みんなが難なく歩いている。「10キロを歩くことを前提にした観光なので、参加者はそれも含めて楽しんでいる」と、同行した長谷川理事長はこちらの心配に苦笑する。実際、友人数人と参加した奈良市の馬郡初美さん(60)は春日大社のことなどをもっと知りたいと思ったことに加え、「健康にいいと思って来た」と教えてくれた。中高年者の元気さも実感した観光ツアーだった》。



《歴史の道ウオークの2回目は今月29日、3回目は2月12日で、平城京跡などを歩く。参加者を募集中で、参加費は各回300円。ガイドの会のメンバーは現在、約150人。奈良に魅せられた県外出身者も多い。3分の2が男性で構成は60~80歳代。女性は40~70歳代で、男女とも高齢者が生き生きと活動している。東大寺など有名観光寺院を中心に、修学旅行生ら観光客を年間平均約8万人も案内する。歴史の道ウオークは4回目以降も検討中で、長谷川理事長は「分かりやすいガイドを心がけている。奈良のいいところをこれからももっと伝えていきたい」と話す。活動への問い合わせは同会(0742・27・9889)》。



150人のメンバーによるキメの細かいガイドツアーには、定評があるし、「こんなに安い参加費で、本当に良いのだろうか」と心配になってしまうほどである。私もメンバーになっている「奈良まほろばソムリエ友の会」では現在、友の会会員向けに、同様のツアーを実施しており、将来的には一般募集も射程には入れているが、規模的にはずっと小さいものになるし、同会と重複するようなコース設定は避け、「ニッチでマニアック」なツアーにしたいと考えている。

15年にわたる同会の活動のおかげで、「巡ってわかる奈良の良さ」が多くの人に伝わった。朱雀のメンバーの皆さん、これからもご活躍を大いに期待しています!

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