シニアが拓く未来 ―延ばそう健康寿命 いつまでも社会とのつながりを! ― | |
竹川勝雄 監修 | |
美巧社 |
本年10月、美巧社から『シニアが拓く未来~延ばそう健康寿命 いつまでも社会とのつながりを~』(監修:一般財団法人「人材支援機構」代表理事 竹川勝雄)という本が出版された。Amazonの「内容紹介」によると、
定年退職後にボランティアを志す方はもちろん、よりよいボランティアを目指して活動に取り組んでいる皆さんに読んでもらいたい一冊。
被災地復興や学校支援など全国の活動事例、法律面のアドバイス、ボランティアの歴史と社会的意味といった手引書としての要素にとどまらず、“新たな日本の未来をシニアが拓く"というコンセプトのもと、シニア世代が『責任を持って社会で生きる』ための手段のひとつとしてのボランティアを提案するのが、本書の目的である。
本書の第5章「OBと現役のボランティア活動最前線」で、「ナント・なら応援団」を紹介していただいた。抜粋すると、
南都銀行の社会貢献活動
南都銀行は「地域の活性化」を中期経営計画の重点戦略の1つに掲げ、その一環として地域貢献を目的としたCSRの取り組みに努めています。すなわち、当行の経営資源を活かし、地域社会・地域経済の発展および環境保全に継続的に取り組むことにより、企業の社会的責任を果たすよう努めています。
特に、当行の特徴的な活動としては、「森林保全や林業活性化支援を通じた地域支援」や「『吉野の桜を守る会』への参加」などがありますが、なかでも、シニア層が活躍するボランティア活動に関わり共に進めている活動があります。それは次の通りです。
上記2枚の写真は、「史跡頭塔(ずとう)」で11/8に撮影
「ナント・なら応援団」の活動
当行退職者から成る「ナント・なら応援団」は、奈良県下の寺院などにおいて拝観のガイドを行うボランティア・グループで、平成22年に開催された「平城遷都1300年祭」を機に結成されました。
これは、同祭の関係者から「社寺で秘宝や秘仏を公開する事業をしたいが、社寺から『人手が足りないので、とても対応できない』と言われて困っている」と聞いた行員が、「地元に住み、地元を愛する元気な退職者がたくさんいる。彼らに研修を施した上で、ガイドをしてもらおう」と思いついたことがきっかけでした。
平成22年、円照寺で行ったガイドの様子
早速、当行OB・OGに声をかけると約30人が集まりました。地元大学の教授陣による20コマ(1コマ80分)の講習、そして、現地研修を受けて貰い、平成22年、「祈りの回廊 奈良大和路秘宝・秘仏特別開帳」事業の対象寺院約10ヵ所に、ガイドとして派遣しました。「ナント・なら応援団」のガイドは「とても親切、丁寧」「説明が分かりやすい」と大好評を博し、平成22年12月には、奈良県知事から感謝状をいただきました。
奈良県知事から感謝状をいただいた(平成22年)
「秘宝・秘仏特別開帳」事業は当初、平成22年の1年間限定の事業でしたが、23年以降も継続して実施されることとなり、当応援団は現在も新たなガイドを募集し、対象寺院を変えながら、活動を継続しています(26年春季は、45人が5ヵ所でガイドを実施)。
「ナント・なら応援団」は、平成22年に退職者から募集を開始した。その当時で平均年齢は65歳を超えていたので、4年後の今年は70歳に近くなり、退団者が増えてきた。これではいけないと昨年、新規退職者からメンバーを募集し、研修も実施してパワーアップを図った。今後も新規募集を継続し、レベルを維持しなければならない。
先日(11/27)、監修者である竹川勝雄氏(札幌市在住)は、わざわざ私を訪ねて奈良に来られた。氏は北海道大学(大学院)や放送大学で組織運営論などの教鞭を執られ、博士号もお持ちの方で、本書にかける思いなどを熱く語って下さった。本書は、退職後のボランティアを志す方や現役のボランティアにもお薦めの一冊である。
竹川さん、「ナント・なら応援団」をご紹介いただき、また遠方よりお出ましいただき、有難うございました!
(12/1 追記)竹川勝雄さんからメールをいただきましたので、以下に紹介します。
ブログへの紹介有難うございます。今回の出版の狙いは、”社会とつながり、責任を果たすのは当然のことと考えてボランティア活動に取組む人が増えること”です。そうした観点でボランティア活動を見て行くと、企業が窓口になるOBのボランティア活動は現役の仕事にも良い影響を与え、トータルとして企業価値を高めると考えます。また、こうしたボランティア活動は、結果として、自治体の負担を財政面からも支え効率的な社会作りにつながります。彫刻を始めとしたOBの活動が幅広くなると良いですね。