tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

天雅の餃子

2006年11月29日 | グルメガイド
11/26(日)、噂の餃子を食べた。「天雅」(てんが 天理駅・天理ステーションストア内)というお店だ。

城下ガレイや間人(たいざ)ガニ、とまでは行かないにしても、ここの餃子は「天理の餃子」として、私にとっての「幻の逸品」であった。この日は、お店の常連さんに連れて行っていただいた。

「天雅」は場所もあやふやだったが、何のことはない、駅ナカだった。(JR・近鉄)天理駅ビル1階の市場(マーケット)内にある。もとは屋台だったそうで、それがマーケット内に店を出し、次第に店先のテーブルでも食べられるようになった。いわば自然発生的なイート・インだ。創業して40年以上(当主は2代目)になるという。

この日はとても混んでいて「待ち時間は1時間」だったので、予約した後、外で軽く蕎麦をすすり込んでから、再び指定の時間に訪れた。カウンターに座っていると、まもなく餃子が運ばれてきた。1人前7個で350円。これを2人前(=写真)。ビールは缶が250円、中瓶が350円という安さだ。

まずはひと口。皮は弾力があり具はジューシーで、とても美味しい。具はニラ、キャベツ、タマネギなどのたっぷり野菜に少量の豚ミンチと、ヘルシーな餃子だ。今まで食べたことのない味であり食感である。これはお勧めだ。

私は常々、餃子を2系統に分類している。皮がモチモチして具が多めの「(551の)蓬莱系」と、皮がパリパリして具が少なめ、ニンニクとニラを効かせた「(みんみん)系」だ。「蓬莱系」は東京に多いタイプで、ファミリー向け・おかず用。「系」は西日本に多いタイプで、ビールによく合うオヤジ向け・酒肴用。

天雅の餃子は一見、具がたっぷりの蓬莱系だが、薄い皮は中心がモチモチしているのに、フチはパリパリしている。こんがりきつね色に焼けていて食欲をそそる。焼餃子を箱に詰めてもらい「お持ち帰り」するお客も多い。「家でチンすると、それがまたウマい」という。

この皮(自家製)は、焼く前に蒸して冷ます。それでモチモチ感とパリパリ感の両方が実現するのだ。食べた後はじんわりとタマネギ(淡路島産・甘くて美味しい)が効いてきて、体がぽかぽかしてきた。

「あまから手帖」やテレビの「あまからアベニュー」で取り上げられてから特に人気が出て、混むようになった。今までの餃子のイメージを覆す「もちパリ・タマネギたっぷり餃子」、天理まで足を伸ばして食べる値打ちはある。

※天雅:天理市川原城町816(0743-62-3672)
 10:00~18:30 水曜定休
コメント (2)
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山の辺の秋

2006年11月27日 | 奈良にこだわる
11/26(日)、地元銀行が主催する「萬葉チャリティーウォーク」に参加した。

萬葉の歌枕(萬葉集に詠み込まれた名所)を歩いて訪ねるという催しで、この日で42回目(年2回・春秋の開催)だった。小雨まじりのお天気にもかかわらず、約200名の方が参加されていた。大半が60代以上のシルバー層だ。
※ウォーキングの告知(ニュースリリース)
http://www.nantobank.co.jp/news/0611021.htm

要所要所で講師(萬葉集研究家)の説明がついて、参加費は無料。参加者の人数に応じて、主催者側が社会福祉活動に寄付をするという。

今回のコースは、「山の辺の道」の桜井側(桜井駅~金屋~桧原神社~JR巻向駅)である。
※萬葉の世界(南都銀行のサイト)
http://www.nantobank.co.jp/syohin/manyou/index.htm

途中、仏教伝来之地碑(百済から贈られた仏像や経典が荷揚げされた河港)や海柘榴市(つばいち=日本最古の市)観音堂などを経て、お昼前にたどり着いたのが写真の三輪山・平等寺(びょうどうじ)である。

名前(山号)のとおり、大神神社(おおみわじんじゃ=三輪明神)の神宮寺(神社に付属する寺)だ。三輪山麓にあり、周囲はご覧の通り素晴らしい紅葉だった。明治の廃仏毀釈で荒れ果てていたこの寺は、昭和に入って復興された。伽藍の朱も色鮮やかで、山の辺の秋を見事に演出していた。

それにしても今年は、奈良県内のどこへ行っても紅葉がひときわ鮮やかだ。昼間は暖かいが朝夕の気温は低い、という今年の天候が幸いしているのかも知れない。平野部では今も見頃なので、ぜひ訪ねていただきたい。
※ええ古都なら(紅葉の詳しい情報が出ている観光情報サイト)
http://www.nantokanko.jp/
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アグリ・ビジネスセミナー

2006年11月22日 | 奈良にこだわる
11/21(火)、県社会福祉総合センター(橿原市)で「アグリ(農業)・ビジネスセミナー」が開かれた。

規制緩和(農地法改正)により、全国の株式会社で農業ができるようになった。これをいかにして現実のビジネスチャンスに結びつけるか、というのがこのセミナーのねらいだ。この日は農業従事者、食品加工業者、自治体関係者など50名近い方が参加された。

講師は、マーケティング・プロデューサーで福岡県立大学非常勤講師の平岡豊(しげる)氏だ。博報堂勤務時代は、農業プロジェクトを担当されていた。この日のお話は「農業ビジネス入門・マーケティング編」の趣だった。

同氏によると、消費者の購買行動は以下の3点で決まる。大消費地(大阪)に近く(歴史・文化など)良いイメージのある「奈良」の農業ビジネスは、2と3に着目すべきだという。
1.損得(高い安い)
2.体面(見栄)
3.好き嫌い(感性)

そして、次の3点に留意した農業産品づくりをめざすべきだとする。
1.鮮度
2.風味・食感
3.地域個性品

同氏は「21世紀は中山間地農業の時代だ」という。「中山間地は、決して条件不利地域ではない。昼夜の寒暖差・標高の高低差を逆手にとって、個性的で風味豊かな農産物を(少量でいいから)作れば良い」 私は桜井市の中山間地・笠の名物「笠そば」をふと思い出して、なるほどと納得した。
※夏そばの花(ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/f77c79a6f1bd08c4239414cddb0889b1

その上で奈良は「取り寄せ便の顧客のような層をターゲットに、五感や心情に訴える高品質の農産物や加工品を作るべきだ」とする。例として県内の駅売店で売られていた「葵寿司」(製造は京都市の葵本舗)を紹介する。

ワサビ(山葵)の葉と茎を使ったワサビ寿司は九州にもあるが、これを「葵寿司」(ワサビの葉はハート型で葵の葉に似ている)とネーミングするセンスが素晴らしいという。

「大和野菜vs京野菜対決」のような仕掛け作りも大切で、消費者を引きつけるセールス・プロモーションを企画して、特産品の柿や大和野菜、大和肉鶏などをもっと全国にアピールすべきだと力説する。

確かに「大和肉鶏vsさつま知覧どり」「あすかルビーvsあまおう(福岡のイチゴ)」など、邪馬台国の近畿説vs九州説と引っかければ、話題になりそうだ。

とかく農産物といえば、これまでは「作る」が最重点で、消費者ニーズをくんで「売る」方は二の次だった感は否めない。味や値段だけでなく、安全・安心、産地ブランド、環境配慮など、消費者は様々なものを求めているのだ。

今回の話は、奈良の「農」の方向性を指し示す良いヒントとなった。早速、農家の友人に教えてあげたい。
※同セミナー募集時のニュースリリース(南都銀行のサイト内)
http://www.nantobank.co.jp/news/061108.htm
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キトラ壁画はぎ取り実験が成功

2006年11月21日 | 奈良にこだわる
11/18付の新聞各紙に「キトラ古墳壁画のはぎ取り実験に成功した」との記事が載った。毎日新聞の見出しを時間順に書いてみる。

○キトラ・高松塚古墳:保存修復 近藤・文化庁長官が視察 「万全の体制で臨む」(11/15付)
○キトラ古墳:朱雀などの鉄線でのはぎ取り、調査研究委が了承(11/16付)
○キトラ古墳:鉄線で壁画はぎ取り成功…文化庁(11/18付)

この実験は、今後の「寅」や「朱雀」のはぎ取りに備え、文化庁が新たに開発した糸ノコ状の「ダイヤモンドワイヤ・ソー」(ダイヤモンド粉末を埋め込んだ鉄線を電動で巻き取り、切断する電動のこぎり)で、絵のない部分の漆喰(しっくい)2か所をはぎ取った、というものだ。

「なんだ、それだけのことか」と思われるかも知れないが、今までは「ヘラ使用」(同紙)だったそうだから、7世紀のローテクから21世紀のハイテクに一気に飛躍する長足の進歩だったのである。

かつてテリー伊藤と旧大蔵官僚(ノンキャリア)の対談本に、こんなことが書かれていて、愕然としたことがある。

あのキトラ古墳をなんであんなちっちゃなカメラで覗いているのか、みんな不思議に思うでしょう。(中略)大蔵省に(文化庁が)非公式に打診したら、「だめだ」と言われたからです。(中略)高松塚古墳の維持費が高い高い、と我々ずっと文句言ってるんですけど、あれで年間480万ぐらいですよ。ダーティな局長級の退職金は何千万ですよ。

我々ノンキャリに任せてくれれば、その局長が国家にどれぐらいの害毒を流したかということもちゃんと計算できるわけだし、逆にキトラ古墳をちゃんと保存したら、日本文化にどれぐらい貢献できるかということも数量的に計算できるからなんでもない。、すぐに出せるんですよ。(テリー伊藤著『お笑い大蔵省極秘情報2 大蔵官僚の復讐』飛鳥新社 1998年7月刊)

問題になった高松塚の維持費が年間480万円ぽっちだったというのも驚きだが、とにかくハイテク技術を使うだけの予算がつき、はぎ取り作業が前向きに進みそうなのは、有り難い。本番でも、ぜひうまくやってほしいものだ。

※写真は明日香村の道端で、10/28撮影。
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奈良町座の月例会

2006年11月18日 | 奈良にこだわる
11/16(木)、奈良町(ならまち)の振興に取り組むグループ「奈良町座」の月例会に参加してきた。
※参加申し込み方法:開催日の2日前までに、事務局(奈良オリエント館)宛、電子メールで申し込む(定員は30名程度)
info@creerks.com

奈良町座(もと奈良町倶楽部)は、(社)奈良まちづくりセンターなどとともに長年、奈良町の復興・活性化に取り組んできた団体で、かがりびコンサート(年8回)のサポートや「奈良町わらべ歌フェスタ」への参加などを行っている。
※「まほろば地域づくりネット」の情報
http://www.pref.nara.jp/chiikis/mahoroba/dantai/dantai015.html

毎月16日には例会(午後7時開始・会費は1500円)があり、正式メンバーでない私も知人に誘われ、時々参加させていだいている。たいていは飲み会で終わるのだが、たまには30分ほどの講話もある。

今回「Webによる地域情報の発信」というテーマで、私に講話のリクエストをいただいたので、お話しさせていただいた。幹事さんのご尽力で、いつもより多い20人以上の方が、ほぼ時間通りに集まって下さった。

私は常々、奈良町を含め「奈良発の情報提供が少ないなぁ」と感じていた。奥ゆかしいのかPR下手なのか。JR東海のテレビCM・看板や雑誌「サライ」の奈良特集号など、他府県では熱心に奈良をアピールしてくれているのに。こういう構造があるから「大仏商法」などと悪口を言われるのではないか。

1年前、奈良町にある私の好きなお店を「インターネット新聞」で紹介したことがある。その16か店中、独自のホームページを持っていたのは、わずかに5軒だった(今は4軒に減った)。
※「奈良町の見どころ、食べどころ」
http://www.janjan.jp/area/0511/0511064814/1.php

東大寺や奈良公園にも近く、たくさんの観光客(若い人が多い)が訪れる著名な「むかし町」が、これで良いのだろうか、という疑問を抱いていたので、ホームページやブログ、SNSといったツールを使い、マス媒体に頼らず、私たち自身でできる情報発信方法についてお話ししたというわけだ。

それにしてもこの奈良町座、正式メンバーは30~40人ほどだろうが、忘年会や新年会には驚くほどたくさんの人が集まる。月例会も、よく見ると、たいてい人が入れ替わっている。

今回は奈良町に生まれ芦屋市にお住まいの老婦人や、川上村の村おこしに携わる大学生などと、初めてお会いすることができた、興味深いお話も聞かせていただいた。

結局「地域おこし」を成功させるには、こうした地道な活動の積み重ねしかない。次は「奈良きたまち」。うまく進めば良いのだが。

※転害門ゲートサイドプラザ(ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/b7e8e42b42a00b94c8c25ebe9f078a55

※写真は「ならまち紅屋」さん(手前)と「はり新」さん(05.11.3撮影)。紅屋さんはお店のホームページと店主(女性)のブログをアップされている。このブログは傑作なので、ぜひお読みいただきたい。
※「ホンマのこと言うたるわ~女のつぶやき」
http://naramachibeniya.at.webry.info/
コメント (4)
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