tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

ご飯がススム、焼くと塩を吹く大辛の鮭!

2023年11月30日 | 日々是雑感
以前、知人のKさんがFacebookで、「最近は、昔のように焼くと塩を吹くような鮭がなくなった」と嘆いておられた。確かにスーパーで見かける鮭は、ノリウエーやチリで養殖されたトラウトサーモン(ニジマス)ばかりで、身の色も塩味も薄い(甘塩~中塩)。トラウトサーモンは、濃い塩分に耐えられないのだろうか(回転寿司で出てくるのも、トラウトサーモンだ)。「私も塩辛い鮭が好みです。昔のような鮭を探しておきます」とコメントしておいた。

いろいろ探したが、やはりスーパーにはなかった。ある日、奈良ファミリーの近鉄百貨店奈良店地下のテナント「潮倉(しおくら)」というお店で、「大辛」の鮭を見つけた。トラウトサーモンではなく、身の色の濃い紅鮭だ。その日は次の予定が入っていたので買えなかったが後日(11/25)、再訪した。


大きさも形も違うが、すべて1切れ400円(税別)だった(3切れだと1,000円)

売り場に行くと、あれっ、大辛がない。売り場のおばさんに聞くと「レイアウトを変えましたので、奥にしまってあります。持ってきます」と、すぐさま大きなトレーに載った「大辛」の鮭を持ってきてくれた。カズノコのスペースが広くなったので、除かれたようである。

鮭はロシア産で、すべて冷凍されていた。1切れ400円(税別)、しかし3切れだと1,000円(同)だという。形の違うのを3切れ買い、いそいそと持ち帰った。なお他の鮭(甘塩~辛塩)は「4切れ1,000円」だったので、やはりモノが違うのだろう。売り場のおばさんは、「ものすごく塩を吹きますので、注意してくださいね」。



自宅で自然解凍したあと、焼いてみた。おお、スゴイ塩だ。これはご飯がススムくん!1食では食べきれず、2食に分けていただいた(お茶漬および茶粥)。これはいい。高校生のとき、母親が作ってくれた弁当に入っていた塩鮭の味がする。身がシッカリと締まっているし、赤色も濃い。


この右端の部分がおいしい!皮も辛い

ということでKさん、ぜひ近鉄百貨店奈良店の「潮倉」でお買い求めください。塩辛い鮭のお好きな皆さんも、ぜひ!
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NAFIC(奈良県立なら食と農の魅力創造国際大学校)で、BCC(バスクカリナリーセンター)から講師を招いて「海外交流特別講座」を開催!

2023年11月29日 | 奈良にこだわる
以前、当ブログで〈スペインからシェフを招き、初の「海外交流特別講座」、参加無料・要申し込み!〉としてお知らせした「世界が求める美食とは~スペイン・バスクからの発信~」がテーマの講座に参加してきた(2023.11.21)。スペイン・バスク州の観光と美食の街・サンセバスチャンから講師を招いた丸1日の講座だった。


午前の部冒頭で、角山校長のあいさつ。着物がよくお似合いだ

その様子が翌日(11/22)の奈良新聞に〈NAFICが海外交流特別講座 「美食の街」の技学び 前衛的バスク料理を実演〉という見出しで報じられていた。抜粋すると、


BCCの組織などについての講義

県立なら食と農の魅力創造国際大学校(通称NAFIC、角山美穂校長)は21日、桜井市高家(たいえ)の付属セミナーハウスと安倍校舎で、海外交流特別講座を開催。飲食業や観光業などに携わる県民ら約90人がスペイン・バスク地方の料理を学んだ。


午後の部では実演と試食。カメラが調理の過程を撮影してくれるのが、有り難い

美食の街と言われるスペイン・バスク地方。この日は同地方のサンセバスチャンにある料理専門(私立)大学「バスクカリナリーセンター」(BCC)から専任講師兼シェフのルイス・アルファットさんとマイケル・アギーレ・ムヒカさんが来校。伝統料理を元にした前衛的なバスク料理を実演し、同地方なども紹介した。NAFICが2022年12月にBCCと締結した連携協定の交流事業の一環。


オリーブの実のように見えるが、実は一旦すりおろして裏漉しし、増粘剤でゲル状に固めたもの

角山校長は「今回の学びが皆さんの仕事に生かされることを期待している」とあいさつ。アルファットさんが同地方の定番料理「ピンチョス」(オリーブ、青トウガラシの酢漬け、塩漬けのアンチョビを串で刺したもの)に変化をつけた前衛的な調理法で、料理を説明しながら再現。スナップエンドウやイベリコ豚を使ったタラの料理なども含め合計4品を、ムヒカさんらのサポートで作った。試食もあった。



リーガロイヤルホテル(大阪市)総料理長の太田昌利さん(60)は「(水と油のように本来混ざり合わないものが均一に混ざり合う状態になる)乳化するテクニックが面白かった」と興味を示した。


剣先イカを大胆に使った料理


マグロのあぶり焼き。バスク地方ではビンチョウマグロを使うそうだが、これは本マグロだった

「前衛的な料理」と言うと大仰になるが、食べてみて「あれっ!?」と思うような料理のことである。定番の「ピンチョス」かと思って食べると、実はオリーブを潰して裏漉しし、それを増粘剤(アルギン酸ナトリウム)でゲル化してオリーブそっくりに仕立て上げたものだった、というサプライズである。



アルファットさんは、「家では定番のバスク料理を食べるが、外ではレストランでこのような前衛的な料理を食べる」とのことだった。寿司ネタなども、このように変化をつければ面白いものができて、顧客満足度も上がりそうだ。他にも「盛り付けるとき、数は奇数にするように。その方が不思議とおいしく感じるから」。


最後はレセプション。アルコールは出なかったが、大いに盛り上がった。女性は通訳さん


スペイン語での挨拶の後は、英語でたくさんの質疑応答が交わされた

なかなか話を聞く機会のないバスク地方のシェフの話を聞けて、これは貴重な機会だった。第三部のレセプションでも、参加者たちは熱心に、英語でシェフたちに質問を投げかけていた。

お誘いいただいた角山校長、ありがとうございました。またこのような機会があれば、参加させていただきます!

奈良新聞(11/22付)
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神武天皇の第2皇子などを祭る「多神社」(田原本町多)/毎日新聞「やまとの神さま」第65回

2023年11月28日 | やまとの神さま(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまとの神さま」を連載している。先週(2023.11.23)掲載されたのは〈神武天皇の皇子ゆかり/多神社(田原本町)〉、執筆されたのは奈良市にお住まいの藤永泰雄さんだった。藤永さんは近年、講演などの活動に注力されている。
※トップ写真は、多神社の拝殿。奥の覆い屋根は修理中の本殿=田原本町で

多神社は、多氏一族の祖・神八井耳命(かむやいみみのみこと)を祭る。多氏一族である太安万侶の墓は、1979年(昭和54年)、奈良市田原の里(此瀬町)で発見され、大ニュースとなった。早くも来年には、発見から45周年を迎える。では、記事全文を紹介する。

多神社(田原本町)
多(おお)神社は、古代豪族「多氏(おおし)」の本拠地だった田原本町多に鎮座しています。正式名は「多坐弥志理都比古(おおにいますみしりつひこ)神社」。延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)に記載され、かつて社域は約650㍍四方もあったと伝わります。

古事記によると、神武天皇の崩御後、第2皇子の神八井耳命(かむやいみみのみこと)と第3皇子の神沼河耳命(かむぬまかわみみのみこと)((神淳名川耳命(かむぬなかわみみのみこと)とも書く))の兄弟が義兄の当芸志美々(たぎしみみ)と争って勝ち、兄は敵を殺した弟に皇位を譲り、弟は綏靖(すいぜい)天皇として即位しました。

その後、兄がこの地に隠棲(いんせい)したことが神社の始まりで、神八井耳命が多氏の祖とされます。社名の「弥志理都比古」は神八井耳命の別名と言われ、「身を退く」との意味だとする説もあります。

東西に4棟並ぶ本殿は、それぞれが江戸時代中ごろに建てられた一間社(いっけんしゃ)春日造り(正面の柱間が一つで、棟と直角な面に入り口がある様式)で、県指定文化財です。

境内に古事記の編者、太安万侶(おおのやすまろ)などに関する資料館があります。平安時代の「多神宮注進状」によると、太安万侶も多氏一族で、自分の代で姓を「多」から「太」に改めましたが、後に子孫が「多」に戻したそうです。

太安万侶の墓は1979年、奈良市此瀬町で発見されましたが、それまで墓だと伝えられた塚が神社の東南にあります。(奈良まほろばソムリエの会会員 藤永泰雄)

(住 所)田原本町多569
(祭 神)神武天皇、神八井耳命(かむやいみみのみこと)、綏靖(すいぜい)天皇、玉依姫(たまよりひめ)
(交 通)近鉄笠縫(かさぬい)駅から徒歩約20分
(拝 観)境内自由。資料館見学は4人以上で事前予約が必要。
(駐車場)あり
(電 話) 0744・33・ 2155


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田中利典師の「修験道は、親切な教え」

2023年11月27日 | 田中利典師曰く
今日の「田中利典師曰く」は、「修験道とは親切な教え!」(師のブログ2014.12.04付)である。これは、大阪市天王寺公園内の映像館(マルチイメージシアター)で開催された、「役行者シンポジウム」(1999.10.9)での師の講演録からの抜粋である。
※トップ写真は、三重テレビ放送「新・ええじゃないか 第33話 青く奏でる交響曲の旅」
(2023.11.13放送)より。お坊さんは利典師のご子息の田中佑昌(ゆうしょう)さん

山修行をすると、自ずと大乗仏教の6つの徳目(布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧)が実践できる、というお話である。では、以下に全文を紹介する。

「修験道とは親切な教え!」
久しぶりの田中利典プチ著述集(2014.12.04)を掲載します。ちょっと古い文章ですけど。

私は修験道というのは、非常に親切な教えであると思っております…。仏教の教えは非常に宏遠でいろんな教えが説かれております。例えば大乗仏教における最も大切なものは何かと申し上げますと、六波羅蜜行、いわゆる布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧という6つの修行が大乗仏教の修行の徳目でございます。

ところが日常生活の中で、布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧、この修行が出来るかといいますと、凡夫である我々にとっては、日日の事柄に流されて、なかなか怠り勝ちであるわけですが、山に入り、例えば我々は吉野から熊野にかけて八日ほど山を駈けますが、その八日の中では、布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧という六つの修行が自ずから実践出来る。

青色吐息の人に優しく声もかけられますし(布施行)、少々のことも我慢出来ます(忍辱行)。まじりっけなく、今日の宿所を目指して心専一に歩くことも出来ます(精進行)。

あるいは歩く姿そのものが禅定に繋がる。「歩行禅」などと言われる方もおられますが、無念無想、サマディ(三昧)のような気持ちで、歩くことが出来る。

あるいは、教学担当という教団の仕事柄、よく人前で話をさせていただきますが、普段、娑婆の世界で法を説かせていただいても、しゃべっている方も、聞いている方も、どこか実感が伴わないこともありますが、山の中で毎日毎日共に行じながら修行しておりますと、一言一言の法話も、話をする方も素直に感じたままをお話することが出来ますし、聞いている方も素直に腑に落ちることがあります(智慧行)。

そういった、大乗仏教における六波羅蜜行といった修行の徳目も、ただ机の上で学んでいるだけでは、簡単には実践に結びついていかないようなことでも、山の中で修行すると、誰もが実感出来る、そういうことが多々あります。

それから「仏道とは自己を知ることと見つけたり」(道元)というような言葉がありますが、日常の生活ではなかなか本当の自分に気づかない、自分と自分自身とが離れていると申しますか、自分を見失っている様な生活が在るわけですが、山に入るとまさに間近に自分と向き合います。

たかだかこれぐらいの坂が、これぐらいの道が辛くなったときに、そこにいるのは、誰でもない自分であります。そういう自分に必ず出逢わせていただくことが出来ます。

ここで重要なのは、ただ山に登山で行くのではなく、山を曼荼羅世界とみて、神仏を拝む気持ちで歩くということです。我々は山に入りますと、石を拝み、岩を拝み、木を拝み、流れる川を拝み、空を拝み、風を拝みます。そこは久保田先生がおっしゃった通り、まさにあらゆるものを肯定しながら、歩かせていただく。

しかも人間の存在を超えたものを感じながら歩くことが出来るわけであります。そういう意味ではどういう人であれ、その人なりに、大きな人には大きく、小さい人には小さく響く、そういう親切さが、山の修行、修験道の修行にはあるのではないかと感じております。
平成11年(1999年)10月9日、大阪市天王寺公園内の映像館(マルチイメージシアター)で開催された「役行者シンポジウム」講演録より
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絶品!宇和島鯛めし

2023年11月26日 | 日々是雑感
愛媛県の「じゃこ天」を応援しようと、当ブログとFacebookに支援記事を書いているとき、愛媛県で暮らしておられたSさんという女性から、Facebookに「じゃこ天もおいしいけれど、もっとおいしいのは宇和島の鯛めしです」というコメントをいただいた。

ネットで検索してみると、愛媛県には2種類の「鯛めし」があり、それは鯛をまるごと一匹炊き込んだ「鯛めし」(愛媛県東部・中部)と、鯛の刺身をご飯にのせてタレをかけた「鯛めし」(宇和島市など愛媛県南部)だった。「宇和島の鯛めし」は後者で、宇和島周辺にいた水軍(海賊)が考案したようだ。株式会社かどや(宇和島市)のサイトによると、


この画像は、かどやのサイトから拝借した

宇和島鯛めし
日振島(ひぶりじま)を根拠地にしていた水軍が考えたとされる漁師めし。舟の上で刺身と茶碗酒で酒盛りをした後、その酒の残った茶碗にご飯をよそい、醤油を含ませた刺身をのせ、混ぜ合わせて食べたのがはじまりといわれています。新鮮な鯛の刺身を特製のタレに絡め、それをタレごと熱いご飯にかけて豪快にかき込む。かどやを代表する料理です。




タレに独自の工夫があるようなので、かどやからタレだけを取り寄せてみた(3袋入りで税込み500円・冷凍・送料別)。原材料名は「清酒、しょうゆ、みりん、ダシ(昆布、かつお)」とある。近鉄百貨店奈良店の地下で買った鯛の刺身を1~2時間、タレに漬け、ご飯に載せた(=写真)。ここにタレと生玉子をかけていただいた。うーん、これはうまい!タレの味が絶妙で、鯛との相性が抜群である。

私はネギ、もみ海苔、ワサビを載せたが、ミョウガやゴマを合わせても良いだろう。Sさん、有益な情報をありがとうございました!
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