tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

せんとくんプレミアム商品券 7月1日から予約受付開始!(2015Topic)

2015年06月30日 | お知らせ
1万円で1万2千円分の買い物ができる「せんとくんプレミアム商品券」が、明日(7/1)から予約受け付けが開始される。奈良新聞(6/26付)「県のプレミアム商品券 来月から予約開始」によると、

県は7月1日から「せんとくんプレミアム商品券」の予約受け付けを開始する。同25日(消印有効)まで。1万円で1万2000円分の買い物ができる商品券で、1冊1000円券10枚と500円券4枚の14枚つづり。1人5冊まで。発行数は36万冊。9月1日から来年2月7日まで、県内の商店街百貨店、スーパー、家電量販店、書店、飲食店、宿泊施設などで利用できる。

希望者は県プレミアム商品券コールセンターのホームページから申し込むか、郵便はがきに(1)希望冊数(2)郵便番号(3)住所(4)氏名(5)希望引換希望店舗(1カ所のみ)―の5項目を記入して、郵送で申し込む。7月1日から県庁などで配布予定の予約受付開始チラシに付いている専用はがきでも応募できる。

申し込み多数の場合は抽選。当選者のみに8月末ごろ、はがき(引換販売券)が送られる。同はがきを引換希望店舗に持参して、商品券を購入する。引換期間は9月1日から同13日まで。利用できる店舗などは同コールセンターのホームページに記載している。
問い合わせは同コールセンター、電話0742(88)2380。


なお、南部・東部地域限定で利用できる「奈良県南部・東部地域プレミアム商品券」は、8月1日~10日の期間に店頭で一斉販売を行う(売切れ次第終了)。こちらは1万円で12,500円分の買い物ができるので、さらにおトクである。

奈良県内で消費することで、県の経済・商業を活性化しよう、というのが商品券発行のねらいである。「せんとくんプレミアム商品券」は1人5冊限定だが、これだけで1万円もおトクである(=1万2千円×5冊-1万円×5)。皆さん、ぜひお申し込みください!
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三輪素麺 池利(上)(ならの底力!元気企業を訪ねて)

2015年06月29日 | 奈良にこだわる
毎日新聞奈良版に毎週月曜日に掲載される「ならの底力!元気企業を訪ねて」、初回の中川政七商店に続く2社めは株式会社池利(桜井市芝)だ。5代目社長の池田利一さんがインタビューに答えている。池田社長は、奈良県三輪素麺販売協議会会長として、三輪そうめんによる地域活性化を牽引されている。
※トップ写真は「三輪素麺による地域活性化セミナー」(3/6)で事例発表される池田社長

インタビュアーは編集委員の相原洋さん。相原さんはかつて奈良支局の次長をお務めになったので、奈良にはめっぽう詳しい。まずはリード文を紹介する。

そうめんの産地は各地にあるが、発祥の地は「三輪」(桜井市)なのだという。約1300年前に生まれた日本の夏の風物詩。創業から165年を数える「池利」は、時代をしなやかに生き抜くためにどうするかを考えながら三輪のそうめんをけん引してきた。今の目標は業界として戦略的に「三輪」のブランド力を高めること。奔走する池田利一社長(66)を訪ねた。【編集委員・相原洋】

以下、この記事で印象に残ったところを抜粋する。

池田家では代々、長男の名に「利」の字がつけられてきた。利一社長は大学を卒業後、池利で営業の仕事を学んで3年が過ぎた26歳のとき、父親である4代目・利次郎さんが脳梗塞で倒れた。急きょ専務に就任し、経営安定のためにかけずり回った。40歳で5代目に就任して四半世紀が過ぎた。

5代目としての最大の窮地は、2002年に産地表示義務違反があったとして同業他社とともに農林水産省から指導を受けたときだった。(中略)2週間近く営業を再開できず、売上げは見る間に落ち込んだ。「三輪」というだけで買い手はつかず、返品の山ができた。「倒産」が頭をよぎった。(中略)社訓に忠実に、社員全員が愚直に。その結果、おおむね5年で以前の状態まで業績を回復することができた。「(三輪は)怒られてここまでになった」と長年助言を与えてくれた人に言われた。

あの激震からまもなく13年になる。社員の意識、三輪の業界の意識は確かに変わったと思う。だが――。業績で他の産地に大きく水をあけられている現実がある。食生活の変化でそうめん需要自体が低迷している。自社のみならず、「三輪」の新たな窮地だ。打開のキーワードは何か。利一社長は「『協創』だと感じています」。


競争ではなく「協創」で勝ち残りを図ろうとする三輪そうめん業界の取り組みとは…。次回の掲載が楽しみだ。

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なら食と農の魅力創造シンポジウムに行ってきました!

2015年06月28日 | 観光にまつわるエトセトラ
昨日(6/27)、奈良春日野国際フォーラム甍(旧 奈良県新公会堂)で、「なら食(しょく)と農(のう)の魅力創造シンポジウム」が開催され、400人以上が参加した。もちろん私も聞きに行ってきた。読売新聞奈良版(6/28付)「食と農創造大学校PR」によると

奈良でシンポ 県産食材料理を披露
県が来春開校する「なら食と農の魅力創造国際大学校」(桜井市)をPRするシンポジウが27日、奈良市の奈良春日野国際フォーラムで開かれた。同校は県農業大学校を改編。農業の知識を持った料理人を育成するフードクリエイティブ学科(定員20人)などを設ける。同学科の実習棟として今年9月、宿泊もできるレストラン「オーベルジュ・ド・ぷれざんす桜井」が一足先に開店する。

シンポジウムでは、指定管理者として同レストランを運営する「ひらまつ」の平松博利社長が荒井知事と対談。平松社長は「文化や人間力、経営判断力を供えた人材を育てていきたい」と述べた。この日は、実習を担当するひらまつの小林達也シェフが、吉野町のアユに三輪そうめんを巻いて揚げた「吉野鮎のフリット」、マスカルポーネチーズに甘みの強いトマトを乗せた「トマトのプランター」など、県産食材を使った料理を関係者に披露した。



荒井知事の開会挨拶

記事の最後に出ている小林達也シェフの料理は、シンポジウムには登場しない。その前の関係者の昼食会に出てきたのだろう。次に昨日のプログラム(13:30~17:00)を紹介すると、

1.開会挨拶(荒井知事)と大学校の概要説明(県農林部 角山次長)
2.対談「なら食と農の魅力創造国際大学校が拓く『食』と『農』の未来」
  株式会社ひらまつ 代表取締役社長 平松 博利氏/荒井知事
3.基調講演「地域の宝物 在来野菜で地域を元気に!~山形県の事例から~」
  山形大学農学部食料生命環境学科 教授 江頭 宏昌氏
4.パネルディスカッション「Farm to Tableからはじまる 『食』と『農』の魅力づくり」
  ・パネリスト(五十音順)
   山形大学農学部食料生命環境学科 教授 江頭 宏昌氏
   一般社団法人国際観光日本レストラン協会 会長 尾川 欣司氏
    なら起業ネットワーク 和母(わはは)代表 竹西 多香子氏
   工学院大学建築学部建築デザイン学科 教授 西森 陸雄 氏
  ・コーディネーター 
   なら食と農の魅力創造国際大学校開設準備専任アドバイザー 河野 一世氏

印象に残った話を手元のメモから拾ってみる。


角山(かくやま)次長による「大学校の概要説明」

荒井知事
・食と農が結びつくと、地域創生へのパンチの効く武器になる。

平松 博利 氏
・料理人は「料理バカ」ではダメ。経営感覚や文化を理解しないといけないし、食材と話ができなければいけない。経営者としての力を身につけさせるのが「なら食と農の魅力創造国際大学校」の特徴の1つ。
・(なら食と農の魅力創造国際大学校の周囲が)自然しかないというのが素晴らしい。今の時代、1番のぜいたく。
・9月の開業までに、奈良の食材を発掘して、魅力を引き出したい。
・私の師匠格のポール・ポキューズは、料理で大切なのは「素材」「味付け」「火の通し方」だと言っている。
・こんな言葉がある。「若者(若手料理人)よ、故郷に帰れ。地元の市場で食材を仕入れ、地元民のために料理を作れ」
・味で大切なのは「うま味(甘味)+酸味」。酸っぱいトマトとキャビアの組み合わせは絶妙。
・(知事の「ミシュランの三ツ星をめざしますか?」の質問に)I hope.
・大切なのは「いかに地元に愛されているか」「周囲がやさしく迎えてくれるか」ということ。「オーベルジュ・ド・ぷれざんす桜井」は、桜井市民に期待している。

荒井知事と対談する平松社長

江頭 宏昌 氏
・伝統野菜への関心は、全国で高まっている。京野菜、加賀野菜、なにわ大阪の伝統野菜、江戸東京野菜 など。
・2000年以降、住民に「地域の種子を守ろう」という関心が拡大。
・「在来作物」とは、ある地域で世代を越えて、栽培者自身が自家採種などによって栽培・保存を続けながら、生活に利用してきた作物のこと。在来作物は生きた文化財。
・在来作物は、生産・流通の効率が悪く市場価値が低い、栽培者の高齢化、古くさいイメージ、畑の消失(都市開発、河川改修などにより)、保存食や「かて飯」(野菜や雑穀を炊き込んだご飯)の材料としての需要の減少 などにより、消滅してきた。
・在来作物を継承してきた人たちは「美味しいから」「子供の頃から親しんできたから」「先祖代々伝わってきた種子を自分の代でなくすのは申し訳ないから」。
・在来作物の魅力は「つながり」(時間・空間を超えたつながり、地域の中でのつながり)、「地域の個性」(地元民のアイデンティティ)、「多様性」(地域の作物と文化の多様性の維持・継承)。
・山形県鶴岡市の代表的な在来作物は「だだちゃ豆」(枝豆)、生産額は20億円以上。
・山形県内には様々な在来カブがある(13種類)。生育期間が短く保存が効くので、救荒作物として作られてきた。「宝谷かぶ主」として出資者を募り、新たなレシピも開発した。
・山形市では「食の甲子園」も開催。在来作物などを使った料理のコンテスト。
・ドキュメンタリー映画「よみがえりのレシピ」が作られた。制作意図は、在来作物を生きた文化財として見直そう、ということ。この映画がキッカケとなって、秋田、宮城、静岡などで研究会が発足した。  
・すっかり有名になったレストラン「アル・ケッチァーノ」の店名は、イタリア語ではなく庄内弁。美味しいものは足元にある。「あそこに、こんなものあったね」を庄内弁で「ある、けっちぁの~」というから。
・(「奈良県民は、どうしても大阪へ食べに行ってしまう」の質問に)美味しいレストランなどが集まる「ゾーン」を県内に作り、そこに集客しては。

竹西 多香子 氏
・奈良市の田原で無農薬有機栽培のお茶を作っている。訪れた方が「ここは景色の良いところやね~」と言ってくれるので、日本茶カフェ&農家レストラン「竹西農園 遊茶庵」を始めた。

西森 陸雄 氏
・食のイベント「クーカル」を始めた。「食」の分野で、京都と違い奈良は「一枚岩」になっていないので、やりやすかった。しかし「観光」は難しい。なかなか仲間に入ってくれない。

尾川 欣司 氏
・奈良県民の野菜摂取量は少ない。これが問題。

河野 一世 氏
・奈良は「食のPR」が弱いのでは。食と農の両方分かる人を育てよう。

ざっと以上のとおりである。3時間半という長丁場だったが、全く退屈することはなかった。平松社長の話などは、もっと長く聞いていたかった。

この日、シンポジウム参加者を対象に、9月5日にオープンする「オーベルジュ・ド・ぷれざんす桜井」の料理を、オープン前に特別価格で食べられる「有料モニター」の募集があり、こんなハガキ(見本=PDF)をいただいた。私も申し込むつもりだ。

日本で初の公営料理人養成学校、そして奈良県で唯一のオーベルジュ(宿泊のできるレストラン)の開店。どんな展開になるか、大いに期待している。皆さん、ぜひご注目を!
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宿はまだまだある 観光地奈良の勝ち残り戦略(98)

2015年06月27日 | 観光地奈良の勝ち残り戦略
先日(6/22)「第4回観光力創造塾」の参加者募集について、当ブログで紹介した(すでに定員の半分以上が埋まっている)。講演(第1部)の講師は、株式会社やまとごころ代表取締役の村山慶輔氏である。
※トップ写真は、奥山月日亭のホームページから拝借

今回の講演をお願いするにあたり、村山氏のメールマガジンの読者登録をさせていただいたところ毎日、インバウンドに関するタイムリーな情報が送られてくる。6/18(木)のメルマガのタイトルは「宿はまだまだある」だった。

本日のテーマは宿はまだまだある です。先日、アジアインバウンド観光振興会の総会でも色んなディスカッションが展開されました。その中で宿泊施設についての話が多くを占めていました。ランドオペレーターはホテルを押さえたいが、ホテルの稼働率が高く、押さえにくい…など、他にもここでは書ききれない課題も色々と噴出しています。そんななか、ランドオペレーターにとって重要なテーマは、いかに地方のルートを開拓するか? となっています。

宿が足りない という話はよくありますが、日本全国の宿が足りないわけではありません。都市部や人気のある観光地の宿は確かに高い稼働率を誇りますが、それ以外はまだまだ部屋が空いていることが多いのです。また、外国人観光客のニーズの多様化・リピーター化 の流れから地方へ足を運びたい!という動きも出てきています。

ではいかに地方に誘客するのか?例えば、ターゲットを都市部や人気の観光地で宿が取れなかった外国人観光客 とした場合、彼らの目的地からの距離感、アクセスのしやすさをまずは打ち出すことが重要です。いきなり自分の地名を認知してもらい来てもらおうとすると時間も予算もかかります。彼らの目的地は、彼らも認識しているので、そこをベースにした訴求がすんなりいきます。

これは、現地旅行会社やランドオペレーターへの売り込みも同じです。彼らも常に代替案を探しています。このホテルがダメなら、別のホテルで…というように。まずは、その代替案の候補としての使いやすさ、説明のしやすさを訴求してみるものいいでしょう。

今年1500万人を軽く超えそうなペースで外国人観光客が増加する中、宿の問題は今後もさらに顕著になってくるでしょう。いかに地方へ誘客するか?今回はターゲットをピンポイントに絞った話をしましたが、今後も色んな角度からこの方法や事例も紹介していきたいと思います!ちなみにやまとごころでは自治体のインバウンド事例を収集していますので、是非こちらも参考にしてください!本日はここまで!村山慶輔


奈良県は「ホテルが足りない。高級ホテル誘致を!」と躍起になっているが、「宿はまだまだある」という話は別のところでも聞いたことがある。

冷静に統計を見てみよう。奈良県での年間宿泊客数は263万人(平成24年)。一方、同年の県内の宿泊定員数は26,710人(宿泊施設数は528軒・客室数は7,702室)だ(平成24年奈良県宿泊統計調査 )。つまり、1日に泊まっている人は7,205人(=263万人÷365日)なのに、宿泊定員数は26,710人と、定員稼働率は27%に過ぎない。逆にいうと、毎日73%が空いているのだ。

繁閑の差(正倉院展とか吉野の桜の時期に集中する)とか、「旅館の和室は定員一杯にできない(4人部屋を4人で利用しない など)」という問題はあるにしても、平均すれば大半が空いている。決して「宿泊施設数が足りない」という話ではないのだ(客室数は7,702室、宿泊者数は7,205人だから、1室に1人泊まってもまだ余裕がある)。

空きが多いのは郡部の旅館であろう。「田舎の古い旅館には。誰も見向きもしない」という声がよく聞かれるが、外国人観光客はちょっと違う。村山氏は「外国人観光客のニーズの多様化・リピーター化の流れから地方へ足を運びたい!という動きも出てきています」というし、朝日新聞にはこんな記事も出ていた。「外国人、旅館にカモン 訪日最多…でも減り続ける宿数」(朝日新聞デジタル 6/21付)。

訪日外国人の数が過去最多を更新するなか、旅館が減り続けている。観光庁は「時代のニーズに対応できず、外国人客の取り込みにも消極的だ」と指摘。先月から経営者らを対象にした無料オンライン講座「旅館経営教室」を立ち上げた。

■旅館数、30年で半減
「旅館業は地方創生の要として期待が高まる一方、減り続けている。手を打たなければならない」。先月、観光庁が大阪市内で開いた「旅館経営教室」セミナーで、一般社団法人サービス産業革新推進機構の内藤耕・代表理事が、約90人の経営者らに呼びかけた。

厚生労働省の2013年度衛生行政報告例によると、全国の旅館数は1983年度に8万1453だったが、13年度は4万3363に半減した。また、観光庁の宿泊旅行統計調査では、14年の客室稼働率はシティホテルの78%、ビジネスホテルの73・8%に対して、旅館は35・9%しかなかった。

一方、日本政府観光局によると、14年の訪日外国人は前年より29・4%増の1341万3千人で、過去最多。観光庁の宿泊旅行統計調査によると、14年の近畿2府4県の外国人延べ宿泊者数は前年より33・2%増の1056万人だった。観光庁が今年1~3月、出国する外国人約1万人を対象にした消費動向調査では、5人に1人が訪日前、旅館に期待感を持ち、3人に1人が旅館に泊まった。

旅館は外国人に人気なのに苦境なのはなぜか。日本政策金融公庫が12年、融資先の旅館約2千社を対象に、799社から回答を得た経営実態調査によると、外国人の集客に向けた取り組みを「している」は17・6%で、「していない」は82・4%だった。

観光庁観光産業課によると多くの旅館が「外国語を話せる従業員がいない」などの理由で、外国人客の取り込みに消極的という。また、旅行形態が団体から個人に移行する中、旅館には従来通り団体客や旅行会社から回ってくる客に頼る傾向があるという。同課は「ニーズに合わせて頑張る旅館とそうではない旅館の差が大きい」と指摘する。

観光庁は旅館を「単なる宿泊施設ではなく日本文化を継承し体現するかけがえのない存在」と位置づける。そのため、数の激減に危機感を持ち、5月には大阪市など全国4カ所で経営者らを対象にしたセミナーを開催。5月から8月にかけて、計20回の無料オンライン講座「旅館経営教室」を初めて開いている。

経営の改善が訪日外国人の取り込みにもつながるとして、オンライン講座では内藤・代表理事が、無駄を減らしてサービスの質を上げる具体的な方法などについて講義する。登録者数は6月19日現在、約2900人にのぼっている。(鈴木 洋和)

■内装・庭の美 心つかむ
大阪府河内長野市の温泉旅館「南天苑(なんてんえん)」では5年前は月に数組だった外国人客が、現在は平日宿泊客の6割ほどを占める。2013年に英語版のホームページを作り、14年に中国語版と韓国語版を追加した。海外の宿泊予約サイトにも登録。宿泊客の書き込みなどがきっかけで外国人が訪れるという。米国から友人2人と訪れたジャン・バーズレーさん(64)は5月末、インターネットで南天苑を見つけ滞在した。「内装も庭も美しい。日本だからできる経験です」

南天苑のある天見温泉は、大阪・ミナミから電車で約40分の山あいにある。白浜温泉(和歌山県)や有馬温泉(兵庫県)に比べると知名度は低いが、外国人には日本人ほどの既成概念がないため、名前に引っ張られずにネットで見つけて宿泊するという。

本館は築100年ほど。これまで部屋にトイレを付けるなど維持や改修を繰り返した。山崎一弘社長(55)によると、現在の悩みは露天風呂が無いことだ。外国人にも「温泉といえば露天風呂」のイメージが定着し始めている。ネットで「大阪 温泉 露天風呂」で検索し、浮上しないのは致命的という。そこで、宴会場として利用する離れを露天風呂付き個室に改装する。資金は約1200万円で、ネットを通じて不特定多数の人から資金を募る「クラウドファンディング」を利用する。

女将(おかみ)の山崎友起子さん(56)は「外国人のお客様は和風建築や自然環境などこちらの魅力を分かってくれる。長く滞在してもらえるように、周辺地図を作るなどソフト面でも工夫したい」と話している。(鈴木洋和)

■意識変われば好転のチャンスも
和歌山大学の広岡裕一教授(観光学)の話 旅館には従業員が少なく、外国人を取り込もうという発想に至らないのが現実。早朝や夜の勤務があるなど労働時間が不規則などの理由で、人材の確保が難しい。しかし、意識が変われば好転するチャンスはある。外国人の中には、旅館に泊まりたくてもアプローチの仕方が分からない人がいる。外国人向けの旅館サイトを充実させることも大切だ。


この朝日の記事については、金田充史さん(魚佐旅館専務)がFacebookにスルドいことを書いておられた。

旅館に泊まっても、期待はずれって事で、この程度では、敢えて泊まる気にはなれず、あとは、普通のホテルでいいやって事になっている可能性もある。何故なら、旅館とはいえ、今や、温泉旅館も都市型旅館も、全て、ほとんどが、鉄筋の建物になってしまった。表から見れば、別に、旅館もホテルも変わらない。入れば、下足番の居る旅館も、ほとんど見ない。

廊下の端々には、小さな花が飾られていて、それは雰囲気を醸しているが、ホテルでも、変わらずにしてある所もある。で、部屋に入れば、そこは、和室なのだが、木の香りがしたり、土で塗られた壁ではなく、壁紙で覆われた部屋だ。あとは、洗面所とトイレ位で、これも、ホテルと変わらない。食事も、旅館だからこそって、和食のすごいのが出てくるのかと言えば、そんなに、珍しいものが出てくる訳ではない。

こんなのなら、泊まる所は、快適に泊まれて、煩わしさも無いホテルがいいやって事になり、自分で好きなのを選んで、表で食事をしてって事につながる。旅館が、旅館としての地位を、高度成長期に放棄し、手間を省いた結果、ビジネスホテルのマガイ物になってしまった事が、外国人から見た、旅館の魅力が薄い1つの原因になっている感がする。そのセーフティーネットをゲストハウスがしている感がするのは、誤りだろうか。???


私は常々、「スーパーホテルはあっても、スーパー旅館はない」と申し上げている。建物を鉄筋コンクリートにし、下足番を廃し、名物料理を出さないのなら「ビジネスホテルのまがいもの」に堕してしまうからだ。それなら「ゲストハウス」で十分、ということになる。旅館の存在意義がなくなるのだ。

観光庁は旅館を「単なる宿泊施設ではなく日本文化を継承し体現するかけがえのない存在」と位置づけている。奈良県は他府県と比べてホテル数は少ないが、旅館は多い。奈良県は神仏に抱かれた日本の聖地だ。神道、仏教に修験道。それに墨、筆、清酒、そうめん、わび茶(茶道)の発祥地。胸を張って「奈良県の旅館にカモン!」と言えるよう、外国語対応やホームページの充実に取り組んでいただきたいと願う。
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まほろば地域づくり塾、第6期生を募集中!(2015Topic)

2015年06月26日 | お知らせ

県教育振興課(地域振興部)は「まほろば地域づくり塾」の第6期生を募集中だ。締め切りは7月3日(金)なので、お急ぎいただきたい。県のHPおよびチラシ(PDF)によると、

「まほろば地域づくり塾」とは?
地域づくりを総合的にマネージメントできる人材の養成を目的に、前身の「新世紀まほろば塾」を名称変更し、平成22年度から開設。奈良県立大学地域創造学部と連携して「総合力」と「マネージメント力」を養成するためのカリキュラムを設定し、実施しています。

「まほろば地域づくり塾」を開く思い
“自分が育った地域をもっと元気に生き生きとさせたい!”、“自分の子どもが育つ地域をもっと暮らしやすくしたい!”、“自分たちの力で地域の課題を解決したい!”…でも、何をどうすればよいのかわからない。そんなあなたのために、具体的な行動に踏み出していただくための手助けをさせていただきたい。そんな思いから始めました。

平成27年度 まほろば地域づくり塾 募集のご案内

◆開催場所 奈良県立大学、地域づくり実践現場等
(地域づくり実践現場:橿原今井町、宇陀松山、五條新町等)
◆受 講 料 無 料(ただし、通塾、現地集合、現地視察、交流会に要する費用は、自己負担)
◆対 象 者「地域づくりに取り組みたい!」という熱い気持ちのある方、地域づくり活動経験者、 学生、県内行政職員で奈良県在住又は在勤の方
◆応募方法 「入塾申込書」を事務局に提出してください。
※郵送、持参、FAXまたはE-mailで受け付けます。
(持参以外の場合は到達確認の電話連絡をお願いします。)
◆応募様式 下記のホームページからもダウンロードできます。
まほろば地域づくりネット
教育振興課HP
◆選考方法 応募者多数の場合は、「入塾申込書」の書類選考により決定します。
・選考項目:申し込みの動機/今後の地域づくりに関する抱負
・選考結果は郵送で通知します。
・卒塾生の方は応募者多数の場合、お断りさせていただくことがあります。

9/19(土)には、私も「事例に学ぶ!これからの地域づくり 」という話をさせていただく予定である。現地研修を含めて10回もの授業が受けられて、しかも受講料は無料だ。

村おこし、まちづくりにご関心のある方は、ぜひお申し込みください!


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