tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

Topic 法華寺奉納 十五夜の宴(第7回)

2010年09月30日 | お知らせ
10/24(日)午後6時半から、法華寺(奈良市法華寺町882)で「十五夜の宴」というお月見のイベントがある。平城遷都1300年記念事業協会のHPからコピー&ペーストすると、

光明皇后1250年御遠忌慶讃奉納として、光明皇后が、病人の為に風呂を作った「からぶろ」がのこる法華寺境内にて、月を愛でながら講演会やミニライブを開催します。光明皇后も、1200年以上前に、同じ場所で、月を見上げただろう…

1.「満月を想う」と題して、奈良国立博物館学芸部長の西山厚 先生の講演
2.平成伎楽団 with monkbeat の奉納舞台
3.シンガー児玉奈央さんのライブ

などに加え、ミラーボーラーズによる会場アートで境内を幽玄の世界へ誘います。

前売:3,000円(小学生未満無料)
当日:3,500円
※チケット購入申込はメール、または電話(以下のHP参照のこと)
http://www.1300.jp/event/detail/roam/yeve100923.html

「十五夜の宴」は、これまで新薬師寺、浄瑠璃寺、秋篠寺などで開催されてきたそうだ。

平城遷都1300年記念事業協会の「公式ガイドBOOK」を見ていると、これから11月にかけて、県下ではイベント(「巡る奈良」事業)が目白押しで、目がくらくらする。面白そうなものを順次、当ブログで紹介させていただくので、ご注目いただきたい。
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酒蔵ささやに看板娘!

2010年09月28日 | グルメガイド
先日の金曜日(9/24)、久しぶりに「酒蔵ささや」(奈良市西寺林町)にお邪魔した。涼しくなったので、ビールより、美味しい日本酒を飲みたくなったからである。

お店に入ると、若い女性の店員さんがいて、驚いた。Sさんというその女性は、すでに5月から勤務されていたとのことだから、ずいぶんご無沙汰していたのである。お酒の知識も、相当なもので、いわば、日本酒のソムリエールだ。久しぶりに、いろんなお酒を試飲させていただいた。

あとで聞いた話では、Sさんは英語が堪能なのだそうだ(ニュージーランドで2年間、滞在経験あり)。酒蔵ささやには、外国人のお客が週3~5組ほど訪れるので、その対応はSさんがされるとのことで、これは頼もしい。



ささやの前はよく通りかかるが、いつもお客が入っている。お店はそんなに広くないので、ちょうどいい程度の入り具合だ。試飲のお客は20~30分で入れ替わるというから「ささやで試飲→近くでじっくり飲食」というコンセプトが、理解されてきたのだろう。ここは、立ち飲み屋ではないのだ。

この日、私のほかには2組(2人×2組=4人)のお客がいた。どちらも県内からのお客で、リピーターだった。



同日初めていただいたうち、印象的だったのが中谷酒造株式会社(大和郡山市)の「Banjo(萬穣)」という大吟醸だ。山田錦を35%まで精米したというお酒で、やや辛口(日本酒度+5)、香りはふんわりフルーティだ。お洒落なボトルに入っているので、女性にも受けそうだ。この店に来ると、どんどんお酒のレパートリーの広がるのが嬉しい。中谷酒造のお酒では以前、中国で醸造された朝香(あさか)を取り寄せて、いただいたことがある。
※朝香(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/a9082295cb09b08396b2b33dc81c9fc6



奈良県の酒蔵は、県下各地に分散している。兵庫県だと伊丹~灘(神戸市)、京都府だと伏見、広島県だと西条(東広島市)と、他府県はわりと狭いエリアに集中しているのと対照的だ。土地が違えば水が違うし、米が違う、気候が違う。この秋は、ぜひ酒蔵ささやで、県下各地の特色ある日本酒をお召し上がりいただきたい。
コメント (2)
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Topic 「日本酒で乾杯推進会議」奈良大会、10/16開催!

2010年09月27日 | お知らせ
いよいよ10月16日(土)、「日本酒で乾杯推進会議奈良大会」が開催される。9/30が応募締め切りとのことだが、まだ申し込みが可能とのこと。ぜひお早めにエントリーしていただきたい。窓口となっている奈良新聞のHPによると
http://www.nara-np.co.jp/event/ev1008e.html

【日時】10月16日(土)
【場所】奈良市春日野町101、県新公会堂
【参加費】お一人様6,000円
日本料理「青柳」の料理長が奈良の食材にこだわった特製松花堂弁当とお土産に赤膚焼きのぐい飲みが付いております。
【定員】先着200名様(20歳以上の方)
【内容】
第一部(14:30~16:10)
パネルディスカッション 能楽ホール 「酒の始まり~奈良からのメッセージ~」
基調講演  神崎宣武氏(民族学者)
パネリスト 植野康夫氏(奈良県経営者協会会長・(株)南都銀行頭取)/鈴木寛治氏(三輪明神大神神社宮司)/永田正利氏(JA全農会長、JAならけん会長)/西村隆治氏(日本酒で乾杯推進会議運営委員長)
コーディネーター  高田公理氏(佛教大学教授)

第二部(16:25~17:00)狂言鑑賞 能楽ホール 大蔵流狂言「寝音曲」茂山千五郎

第三部(17:15~19:30) レセプションパーティー レセプションホール 奈良県の各蔵元が手造りで丹精込めて造った「大和のうま酒」と奈良の食材にこだわった「青柳」特製松花堂弁当をご賞味ください。

【申し込み】
郵便番号・住所・氏名・電話番号・参加人数を明記の上、FAX・Eメールまたはハガキにて下記までご応募ください。後日、郵便振替用紙をお送りいたしますので、参加料をご送金ください。入金確認後、入場券を発送いたします。
〒630―8686奈良市法華寺町2の4
奈良新聞社企画部「日本酒で乾杯推進委員会」係
ファクス 0742(32)2771
Eメール planning@nara-np.co.jp

【問い合わせ】同係 電話0742(32)2112

レセプションパーティーでは、「天平青柳]小山裕久氏謹製の松花堂弁当(5000円相当)を肴に、「大和のうま酒」がいただける。しかもお土産には、赤膚焼きのぐい飲み(3000円相当)がついているという。ぜひ、お申し込みいただきたい。
http://yamatoumazake.blog54.fc2.com/blog-entry-54.html
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牽牛子塚古墳、または八角形の謎

2010年09月26日 | 奈良検定
9/9に明日香村教育委員会が発表した牽牛子塚(けんごしづか)古墳の発掘調査結果のニュースは、全国津々浦々にまで報道された。翌日の新聞(全国紙は大阪本社版)では、毎日と産経が1面トップ、朝日・読売・奈良も、トップではなかったものの1面で大きく取り上げていた。古墳発掘のニュースがこれほど大きく報道されたのは、高松塚古墳の壁画発見以来ではないだろうか。
http://www.nara-np.co.jp/20100910102124.html

9/12には、関口宏の「サンデーモーニング」でも、わざわざスタジオでフリップを用いて、3分ほどこの古墳のことが説明されていて、とても驚いた。現地見学会も大人気で、毎日新聞によると《牽牛子塚古墳(7世紀後半)の現地見学会(11~12日)に訪れた人は、2日間で約7500人に上った。猛暑の中、ピーク時は見学待ちの行列が約200メートルできるほど関心が高かった》という。
※現地見学会の様子(かぎろひさんのブログ)
http://kagiroi.narasaku.jp/e26747.html

牽牛子塚古墳は八角形だった(9/12 サンデーモーニング)


注目されたのは、いうまでもなく墳形が八角形だったこと。しかし「八角形ではないか」ということは、早くから指摘されていた。『奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック』(山と渓谷社刊)にも《形式=八角形墳》《二段築成の八角形墳と推定される》《墳形が八角形であることから、天皇、もしくは天皇に準ずる身分の者の墓と考えるのが適切である》とされている。
現地見学会の動画はこちら

このテキストには、ほかにも八角形墳として、段ノ塚古墳(舒明陵 桜井市)、野口王墓古墳(天武・持統陵 明日香村)、中尾山古墳(文武陵か 同)、束明神古墳(天武の皇子・草壁皇子の墓か 高取町)などが記されている。初回(07年)の奈良検定2級試験には、《(33)明日香村にある中尾山古墳の平面の形は何角形か。ア.五角形 イ.六角形 ウ.七角形 エ.八角形》という問題が出ていて、答えられなかった同僚が「なんで何角形かということが、そんなに大事なんや?!」とボヤいていたのを思い出す。
※Wikipedia「牽牛子塚古墳」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%BD%E7%89%9B%E5%AD%90%E5%A1%9A%E5%8F%A4%E5%A2%B3


明日香村のHPより(トップ写真とも)

牽牛子塚古墳は、石造の埋葬施設の周りに巨大な切り石を立て並べ、墳丘表面も石で覆った特異な石造の古墳だった。その規模の大きさと墳形が八角形だったこと、被葬者が2人だったことなどが判明し、斉明天皇と、娘の間人皇女(はしひとのひめみこ)との合葬墓だったことがほぼ確定した。斉明天皇は日本書紀に「大工事を好み、運河を造り、舟200隻で石を運んで宮殿の東の山に垣を築いた」とされる石の女王で、また同書には皇女と合葬されたという記述がある。
http://www.nara-np.co.jp/20100911105131.html

なぜ夢殿は八角形か―数にこだわる日本史の謎 (ノン・ポシェット)
宮崎 興二
祥伝社

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さて、この八角形墳=「天皇、もしくは天皇に準ずる身分の者の墓」という説だが、どういう意味があるのだろうか。奈良新聞(9/10付)がうまくまとめているので紹介する。

1.八方位が世界を表現
県立図書情報館館長の千田稔氏は、道教思想と関連づける。《「天皇は死後の世界にも君臨する宇宙の王」だと知らしめているというのが千田さんの考えだ。八方位が世界を表現する中国の道教思想に帰着する。「時代をとらえて牽牛子塚古墳を見る時、その歴史的意味を目の当たりにする」と語る》。

2.八隅知之(やすみしし)わが大王
《「わが大王(おおきみ)」にかかる枕詞「やすみしし」から、八角形の意味を解き明かすのは和田萃(あつむ)・京都教育大学名誉教授(日本古代史)だ。「八隅知之」などと書き、和田さんは「国土の隅々までも治めるという思想」と解く。万葉歌では、間人連老が舒明天皇をたたえた「八隅知之 我が大君の 朝には 取り撫でたまひ…」(巻1.3)が最も古い例で、和田さんは、八角形墳の出現と時期が重なることに注目》《さらに、八角形をした天皇の玉座「高御座(たかみくら)」に流れをたどることができる》。

3.8は最高の数
《菅谷文則・県立橿原考古学研究所長は「儒教の思想でも、仏教でも、道教でも、アジアでは8は最高の数」と広くとらえる。「最高の数を墓の形に使えたのは初期律令天皇だけ」と当時の天皇権力の大きさを推し量る。また、基壇を持つ寺院建築を意識した造りにも着目している》。

古代天皇家「八」の暗号(超知ライブラリー)
畑アカラ
徳間書店

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ただし「八角形墳=天皇陵特有」とすることについては、反論がある。ブログ「帆人の古代史メモ」によると、八角形墳は《関東で発生した古墳の様式であり、前方後円墳と同じく、天皇家はそれを採用したにすぎない》《群馬県の榛名山麓で発生し、多摩から甲斐に伝わり、その後、摂津に伝わり、大和の斉明陵に採用されたものである》という。
http://blog.livedoor.jp/hohito/archives/1265553.html

確かにWikipedia「八角墳」には、以下のような八角形の「首長墓」が列挙されている。

・稲荷塚古墳:東京都多摩市百草・7世紀前半
・三津屋古墳:群馬県北群馬郡吉岡町・7世紀前半
・経塚古墳:山梨県笛吹市(旧一宮町)・1994年発見・7世紀前半
・伊勢塚古墳:群馬県藤岡市・6世紀前半
・中山荘園古墳:兵庫県宝塚市
※Wikipedia「八角墳」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AB%E8%A7%92%E5%A2%B3

牽牛子塚古墳の発掘調査をきっかけに、「天皇陵の本格調査を」という声が出ている。学術調査が制限されている天皇陵を本格的に調べれば、被葬者の特定など、得られる成果はとても大きいだろう。
http://www.asahi.com/paper/editorial20100921.html

天皇陵を発掘せよ―大古墳の研究はなぜ必要か (三一新書)
石部 正志,古田 武彦,藤田 友治
三一書房

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古墳のほか、奈良で八角形といえば、まずは前述の「高御座(たかみくら)」。復原されたものを平城宮跡の大極殿で見ることができる。同じ宮跡内の東院庭園では、正殿(中央建物)と隅楼(南東隅の建物)の柱が八角形である。出土柱根をもとに復原されたものだ。

奈良のお寺には、八角形の円堂がある。興福寺の北円堂(藤原不比等の一周忌に際し、元明・元正天皇が長屋王に命じて創建させた)・南円堂(藤原冬嗣が父・内麻呂追善のため創建)、五條市栄山寺の八角円堂(藤原仲麻呂が、父・武智麻呂追善のため創建)だ。なお「円堂」とは通常、誰かの菩提を弔うために建てられるお堂である。藤原氏は八角形が好きだったようだ。これを権威の象徴ととらえていたのかも知れない。そういえば藤原氏の血を引く称徳天皇は、西大寺に五重の東西双塔を建てたが、これは当初、八角塔として計画されたものだった。

「八角形」をキーワードにあれこれと検索していたら、いろんな情報がこれだけ集まった。全く、知れば知るほど、奈良はおもしろい。
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Topic 暗越奈良街道サミット、10/9開催!

2010年09月25日 | お知らせ
10月9日(土)、「暗越(くらがりごえ)奈良街道サミット」というイベントが開催される。生駒の暗峠(くらがりとうげ)を歩くのではなく、ならまちセンターで行われるシンポジウムで、基調講演は上野誠教授、参加費は500円だ。平城遷都1300年祭の「県民活動支援事業」にも認定されている。

暗越奈良街道とは、Wikipedia「暗越奈良街道」によると《大坂から暗峠を超えて奈良に至る街道であり、数ある奈良街道の一つである。「日本の道百選」にも選定されている》《* 奈良時代に難波と平城京を最短距離で結ぶ道として設置された。* 大正時代に大阪 - 奈良間に鉄道を敷設する際、最短ルートとしてこの街道を沿う形でケーブルカーを設置する案まで出ていた。結局は峠の少し北側の生駒山腹に長大トンネルが掘られた。* 現在は国道308号及び大阪府道・奈良県道702号大阪枚岡奈良線がこの街道をほぼそのまま踏襲している》という道である。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9A%97%E8%B6%8A%E5%A5%88%E8%89%AF%E8%A1%97%E9%81%93

万葉体感紀行―飛鳥・藤原・平城の三都物語
上野 誠
小学館

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「暗越奈良街道サミット」について、主催者である社団法人奈良まちづくりセンターのHPから、そのまま引用する。
http://www4.kcn.ne.jp/~nmc/

■日時 2010年10月9日(土)13:00~ 
■会場 奈良市ならまちセンター 市民ホール(奈良市東寺林町38(猿沢池の南方向))

《オープニング》13:00~
遷都祭り・祝い唄  関 光夫 さん (大和関州会会主)

《基調講演》13:30~14:30
「万葉集から展望する~暗越奈良街道の往来」上野誠さん(奈良大学教授)

《パネル・ディスカッション》14:40~16:40
「平城京~暗越奈良街道~難波宮の魅力を未来につなぐ」
パネリスト
鐵東 貴和 さん (エヌ・アイ・プランニング代表取締役、タウン情報誌『ぱーぷる』など発行)
仲川げんさん (奈良市長)
中田紀子さん (エッセイスト、『奈良大和の峠物語』著者)
好井國治さん (奈良県レクリエーション協会専務理事、「歩く」と「ふれあい」を楽しむ)
コーディネーター 初谷勇さん (大阪商業大学教授)
(司会: ならどっとFM)
* ホワイエ展示:「街道百景」写真・イラスト展示、各市1品など

■参加費  無料。ただし、資料代500円
■定 員  300名 先着順
■お申込み FAX・E-mailで受付いたします。
(1)氏名、(2)連絡先(電話番号またはE-mailアドレス)を明記の上、下記・(社)奈良まちづくりセンターまで。なお、受付完了のご返信はいたしません。満席となり、受付できなかった場合のみご連絡いたします。
※社団法人 奈良まちづくりセンター
〒630-8333 奈良市中新屋町 2-1 奈良町物語館内
TEL 0742(26)3476 FAX 0742(27)0969
E-mail: nmc@m4.kcn.ne.jp
※FAXによる申込書はこちら(PDF形式)
http://www4.kcn.ne.jp/~nmc/2010/1300/kuragari

上野誠教授の講演は、いつも面白くてためになる。パネリストの顔ぶれも異色の取り合わせなので、どんな議論が繰り広げられるのか、楽しみである。これで500円は安い!定員の300名までは、まだ少し余裕があるので、今から申し込める。ならまちのグルメスポットで食事してからサミットへ、というのも良いコースだ。ぜひ皆さん、奮ってご参加いただきたい。


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