いよいよ吉野山でも桜が咲き始めた。JR西日本の「桜だより」(2013年3月30日現在)によると、下千本と中千本は「咲き始め」、上千本は「つぼみ」だそうだ。また吉野町が提供する「奈良よしの さくら情報」によると、上千本の「開花日」は4月5日、奥千本は4月15日と予想。また下千本の「満開」は4月6日、中千本は4月8日、上千本は4月12日、奥千本は4月21日との予想が出ている。まさにこれからが桜のピークシーズンなのである。
このシーズンは大混雑が予想されるので、ぜひ公共交通機関でお訪ねいただきたい。また土日となる4月6日、4月7日、4月13日、4月14日、4月20日、4月21日には、パークアンドバスライド(郊外に駐車場を設け、そこからシャトルバスを運行)も実施されるので、これを利用する手もある。
私は昨年4月14日(土)~15日(日)、1泊で吉野山を訪ねた。土曜日はあいにくの雨だったので撮影は諦めたが、翌朝5時に目を覚ますと、快晴だった。旅館の向かいが下千本の絶好の撮影スポットだったので、千載一遇のチャンスとばかりに写真を撮りまくり、おかげでマイベストショットの数々を撮影することができた。
この時に泊めていただいたのが「旅館 歌藤(かとう)」(吉野郡吉野町吉野山3056)である。和風の本館(7室・34人)のほか、ログハウスの新館(7室・34人)があり、私はログ館に泊めていただいた。庭のシダレザクラが眺められるホール(ログハウスホール)には、ログハウスを建てられた歌藤彰介さんが、完成までのプロセスをまとめた写真アルバムがあり、ご苦労が偲ばれた。家族総出で、吉野の杉とヒノキをふんだんに使い、まさに手作りで建てられたのである。アルバムの最後には、こんなメッセージが綴られていた。
当館に泊まって下さるお客様へ
念願のログハウスができました。ログに住みたいと思い続けて9年目になります。平成8年5月13日から平成9年3月26日に完成しました。この間 お正月3日間と、囲炉裏を作るための視察(?)旅行2日間だけ仕事を休みました。
季節は春から夏、秋、冬と移り変わり、さまざまな天候・条件の中。大きな怪我も病気もせずに夢に描いたログが完成したことに、今、自分自身で感動しています。
●2トンダンプ、ユンボはじめいろんな道具を貸してくれ、ログ作りに協力してくれた俊しゃん(主・彰介の同級生)と奥さんのくみちゃん…
以下、マーチャン、竹田さん、北川さん、えのさん、みきおちゃん、秀明さん、乾さん、北のにいちゃん、上村畳店のおじいちゃんとご主人と息子さん、和田崎さん、湧(わく)さん、門田さんなどなど、30人近くのご関係者へのお礼の言葉が綴られている。そして末尾には
この家に泊まって下さるお客様。こんなに多くの方の愛情とやさしさに支えられて、ていねいに大切に建てました。木のすばらしさとぬくもりを体感してください。夢は必ず実現するということを確信しました。今までも、そしこれからも、すばらしい出会いがあることら感謝し、すべての人に、有難うございます。平成9年3月末
これは楽しみである。ほかにも、お訪ねする前にネットで情報を集めてみた。観光経済新聞(2011年12月10日付)のインタビューコーナーよその旅館ホテル(第653回)によると
歌藤(奈良県・吉野郡吉野町)歌藤 順子さん
──吉野にある宿ですね。
「国立公園吉野山の下千本公園にある当館は、ケーブル山上駅から徒歩2分。 吉野山観光に最適です。春は全国的に有名な吉野山桜を愛でに多くの人が訪れます。寺社仏閣巡りも人気です。日本の森、吉野の自然で癒されてください」
──別棟「ログ館」が人気です。
「地元吉野杉・檜で手作りしたぬくもりあふれる建物です。ログ館では、木の持つぬくもりや安らぎ、すばらしさを体感できます。樹齢約130年の大黒柱の高さは約9㍍あり木の香りと圧倒的な力強さが魅力です。部屋は畳敷きの和室。テーブル、イスも手作りで、自然の木を活かした味わいのある形をしています」「ログ館の庭にある『枝垂れ桜』は吉野山で最大級を誇る大きさです。夜はライトアップされていて、ログホールから見る光景は幻想的な趣です。暖炉の前でゆったりと静かな時間が過ごせます」
──本館は。
「落ち着いた和のしつらえで、明るく清潔感ある畳のお部屋です。窓を開ければ、吉野の山々や枝垂れ桜が望めます」
──お風呂は。
「昨年4月に吉野銘石露天風呂がリニューアルオープンしました。当館ではお風呂のお湯に古来より『薬の石』と呼ばれた麦飯石を用いています。麦飯石にお湯を通過させることにより、多くのミネラル分が溶け出し、 弱アルカリ性の肌にやさしい湯質になります」
「春会席」の前菜。柿の葉寿司、自家製燻製、桜餅、菜の花のからし酢味噌、手長エビ、大和芋とろろ(大和伝統野菜)
──食事は。
「毎朝、地元の農家から新鮮な食材を仕入れています。地野菜を使った旬の会席料理が楽しめます。朝は吉野名物茶がゆや、地たまご、地野菜を使ったバイキングが人気です」
──1泊2食の料金は。
「1室2名さまで1人1万5750円からです」【14室、定員59人】
霞鍋(葛仕立て)
産経新聞(10年5月)では《若葉の季節も魅力満喫 奈良・吉野「歌藤」 美人女将の宿》として、若葉の頃の様子を紹介されていた。記事を転載されたe8j1o4zuのブログによると
桜の季節のにぎわいが去り、静けさを取り戻した奈良県吉野町の吉野山。「芽吹こうとする木々の澄んだ香りが山全体に広がっています。山菜などの山の恵みも、最もたくさんいただける季節です」。吉野の老舗旅館「歌藤(かとう)」の若き女将、歌藤順子さん(29)は、新緑の“オフシーズン”こそ、吉野の魅力を満喫できると話す。
ニジマスの刺身、アユの塩焼き、ヤマトポークの角煮
近鉄吉野駅からロープウエーに乗って吉野山駅へ。桜が散ったあとの見晴らしもまた絶景だ。すがすがしい風を感じながら歩く。朱色の欄干が印象的な「大橋」を渡ると、すぐに江戸時代後期創業の「歌藤」が見えてきた。迎えてくれた順子さんは10年の下積みを経て昨年、女将になったばかり。夫、健太郎さん(31)の母でもある先代女将の「譲り葉のように後を継がせたい」という希望で、切り盛りを託された。
「吉野はかつて都から逃れてきた人たちをも快く迎えたもてなしの歴史があります。若い世代が少なくなっていますが、力を合わせて吉野の魅力を発信していきたい」 そう語る女将がこだわるのは食材。ほぼ毎日、健太郎さんが車で奈良県内の顔見知りの農家をめぐり、大和野菜を直接仕入れる。「日によって採れる野菜が違うので、日替わりのメニューになることもあります」
干し柿と季節もの二品の天ぷら
山菜がおいしい5~6月は、ワラビ、コゴミ、ノイチゴなどを自ら採取。「山に自生するミツバは肉厚で味も濃く、お客さんがびっくりされます」と楽しそうに笑う。「吉野」を満喫できるのは、食事だけではない。平成9年に健太郎さんの父、彰介さん(60)が築造した「ログハウスホール」は高さ9メートル、樹齢150年の柱をはじめ、吉野産のスギやヒノキをふんだんに使った吹き抜け。大きなガラス窓からは四季折々の自然や野鳥を楽しめる。
お櫃(ひつ)には、たっぷりの奈良県産ヒノヒカリ(特Aランク)
三ツ星お米マイスター・水本充洋さん(水本米穀店)から調達
同様に吉野材を使ったログハウスの客室もあり、若い世代に人気だ。吉野材260本で建てた「ログハウス茶房 陽(ひなた)ぼっこ」は、「下千本」のパノラマを一望できる。宿泊客の朝食、観光客のカフェとして活用されている。4児の母として育児もこなす女将は、樹液など吉野の自然から抽出したアロマづくりに挑戦中。「奈良たっぷりのおもてなしを、もっともっと追求していきたいと思っています」
デザートは桜アイスクリーム
「歌藤」 歌藤の名字は、吉野を山城として南朝を樹立した後醍醐天皇に仕え、歌を教えた先祖が、天皇から直接与えられたとされる。旅館そばの「大橋」は当時、吉野を城塞化するため尾根を削った堀の跡にかかり、南北朝時代の緊張感を生々しく伝える。周辺には名所旧跡が数多く点在する。「歌藤」はロープウエー吉野山駅から徒歩2分。全14室。1泊2食(1部屋3人使用)1人1万3650円~、ログハウス部屋は1万5750円~。問い合わせは歌藤((電)0746・32・3177)。
後醍醐天皇から「歌藤」の姓を賜ったとは、すごい。西吉野(五條市)の「王隠堂」も、後醍醐天皇を匿(かくま)ったことでいただいた姓(屋号)だそうだが、こちらも同様だったのだ。「世界最大の旅行口コミサイト」とうたうトリップアドバイザーの評価では「吉野町の旅館」16軒中、堂々の1位に輝く(2位は吉野荘 湯川屋)。特に外国人の評価が高い。たとえば「Amazing Experience. Great Surprise.」(驚くべき経験、大きなサプライズ)という書き込みを拙い英語力で訳してみると
妻が私たちの日本旅行に「吉野」という小さなエリアを加えると決めたとき、私は大いに悩んだ。私たちは日本語を話さないし、道程は遠くて困難だ。それに、英語で予約できる宿泊施設は少なかった。私たちはケーブルカーに乗り、(山上で降りたあと)左に進んだ。小さな赤い橋を渡ったあと、小ぢんまりした和風の建物の玄関で、妻の名前を見つけた。それが、私たちがその場所を発見する唯一の方法だった。
小さな赤い橋(a little orange bridge)
そのあとの全てがサプライズだった。旅館スタッフは素晴らしかった(great)。英語はほとんどなかったが、とても寛大で、ボディーランゲージが素晴らしい。経験したおもてなし(hospitality)は驚くべきものだったし、それらは心を満たしてくれた(enrich)。私たちは真の旅館体験ができたし、温泉つきのバスルームでは、夢見心地になった(fantastic)。安価ではないが、きちんとした場所で本当の日本文化体験をしたいのなら、不可欠な場所(must)である。
旅館のホームページより拝借
また別の口コミ「Wonderful Japanese experience.」(素晴らしい日本文化体験)でも《館主(owner of the Ryokan)は十分な英語を話し、真の日本文化体験をさせてくれる。サービスは完璧だし、お風呂は素晴らしい。食事には目を見張った(amazing)。風景には息を呑んだ》とベタ褒めである。
桜の時期の予約は、お電話(0746-32-3177)で。空き状況は旅館の公式HPに出ている。予約が取れなくても産経の記事にも出ていたとおり、吉野山は桜が散ったあとの「新緑の“オフシーズン”こそ、吉野の魅力を満喫できる」ので、ぜひ5~6月にお訪ねいただきたい。
女将さん、その節はお世話をおかけいたしました。これから忙しくなりますが、温かいおもてなし、どうぞよろしくお願いいたします!
このシーズンは大混雑が予想されるので、ぜひ公共交通機関でお訪ねいただきたい。また土日となる4月6日、4月7日、4月13日、4月14日、4月20日、4月21日には、パークアンドバスライド(郊外に駐車場を設け、そこからシャトルバスを運行)も実施されるので、これを利用する手もある。
私は昨年4月14日(土)~15日(日)、1泊で吉野山を訪ねた。土曜日はあいにくの雨だったので撮影は諦めたが、翌朝5時に目を覚ますと、快晴だった。旅館の向かいが下千本の絶好の撮影スポットだったので、千載一遇のチャンスとばかりに写真を撮りまくり、おかげでマイベストショットの数々を撮影することができた。
この時に泊めていただいたのが「旅館 歌藤(かとう)」(吉野郡吉野町吉野山3056)である。和風の本館(7室・34人)のほか、ログハウスの新館(7室・34人)があり、私はログ館に泊めていただいた。庭のシダレザクラが眺められるホール(ログハウスホール)には、ログハウスを建てられた歌藤彰介さんが、完成までのプロセスをまとめた写真アルバムがあり、ご苦労が偲ばれた。家族総出で、吉野の杉とヒノキをふんだんに使い、まさに手作りで建てられたのである。アルバムの最後には、こんなメッセージが綴られていた。
当館に泊まって下さるお客様へ
念願のログハウスができました。ログに住みたいと思い続けて9年目になります。平成8年5月13日から平成9年3月26日に完成しました。この間 お正月3日間と、囲炉裏を作るための視察(?)旅行2日間だけ仕事を休みました。
季節は春から夏、秋、冬と移り変わり、さまざまな天候・条件の中。大きな怪我も病気もせずに夢に描いたログが完成したことに、今、自分自身で感動しています。
●2トンダンプ、ユンボはじめいろんな道具を貸してくれ、ログ作りに協力してくれた俊しゃん(主・彰介の同級生)と奥さんのくみちゃん…
以下、マーチャン、竹田さん、北川さん、えのさん、みきおちゃん、秀明さん、乾さん、北のにいちゃん、上村畳店のおじいちゃんとご主人と息子さん、和田崎さん、湧(わく)さん、門田さんなどなど、30人近くのご関係者へのお礼の言葉が綴られている。そして末尾には
この家に泊まって下さるお客様。こんなに多くの方の愛情とやさしさに支えられて、ていねいに大切に建てました。木のすばらしさとぬくもりを体感してください。夢は必ず実現するということを確信しました。今までも、そしこれからも、すばらしい出会いがあることら感謝し、すべての人に、有難うございます。平成9年3月末
これは楽しみである。ほかにも、お訪ねする前にネットで情報を集めてみた。観光経済新聞(2011年12月10日付)のインタビューコーナーよその旅館ホテル(第653回)によると
歌藤(奈良県・吉野郡吉野町)歌藤 順子さん
──吉野にある宿ですね。
「国立公園吉野山の下千本公園にある当館は、ケーブル山上駅から徒歩2分。 吉野山観光に最適です。春は全国的に有名な吉野山桜を愛でに多くの人が訪れます。寺社仏閣巡りも人気です。日本の森、吉野の自然で癒されてください」
──別棟「ログ館」が人気です。
「地元吉野杉・檜で手作りしたぬくもりあふれる建物です。ログ館では、木の持つぬくもりや安らぎ、すばらしさを体感できます。樹齢約130年の大黒柱の高さは約9㍍あり木の香りと圧倒的な力強さが魅力です。部屋は畳敷きの和室。テーブル、イスも手作りで、自然の木を活かした味わいのある形をしています」「ログ館の庭にある『枝垂れ桜』は吉野山で最大級を誇る大きさです。夜はライトアップされていて、ログホールから見る光景は幻想的な趣です。暖炉の前でゆったりと静かな時間が過ごせます」
──本館は。
「落ち着いた和のしつらえで、明るく清潔感ある畳のお部屋です。窓を開ければ、吉野の山々や枝垂れ桜が望めます」
──お風呂は。
「昨年4月に吉野銘石露天風呂がリニューアルオープンしました。当館ではお風呂のお湯に古来より『薬の石』と呼ばれた麦飯石を用いています。麦飯石にお湯を通過させることにより、多くのミネラル分が溶け出し、 弱アルカリ性の肌にやさしい湯質になります」
「春会席」の前菜。柿の葉寿司、自家製燻製、桜餅、菜の花のからし酢味噌、手長エビ、大和芋とろろ(大和伝統野菜)
──食事は。
「毎朝、地元の農家から新鮮な食材を仕入れています。地野菜を使った旬の会席料理が楽しめます。朝は吉野名物茶がゆや、地たまご、地野菜を使ったバイキングが人気です」
──1泊2食の料金は。
「1室2名さまで1人1万5750円からです」【14室、定員59人】
霞鍋(葛仕立て)
産経新聞(10年5月)では《若葉の季節も魅力満喫 奈良・吉野「歌藤」 美人女将の宿》として、若葉の頃の様子を紹介されていた。記事を転載されたe8j1o4zuのブログによると
桜の季節のにぎわいが去り、静けさを取り戻した奈良県吉野町の吉野山。「芽吹こうとする木々の澄んだ香りが山全体に広がっています。山菜などの山の恵みも、最もたくさんいただける季節です」。吉野の老舗旅館「歌藤(かとう)」の若き女将、歌藤順子さん(29)は、新緑の“オフシーズン”こそ、吉野の魅力を満喫できると話す。
ニジマスの刺身、アユの塩焼き、ヤマトポークの角煮
近鉄吉野駅からロープウエーに乗って吉野山駅へ。桜が散ったあとの見晴らしもまた絶景だ。すがすがしい風を感じながら歩く。朱色の欄干が印象的な「大橋」を渡ると、すぐに江戸時代後期創業の「歌藤」が見えてきた。迎えてくれた順子さんは10年の下積みを経て昨年、女将になったばかり。夫、健太郎さん(31)の母でもある先代女将の「譲り葉のように後を継がせたい」という希望で、切り盛りを託された。
「吉野はかつて都から逃れてきた人たちをも快く迎えたもてなしの歴史があります。若い世代が少なくなっていますが、力を合わせて吉野の魅力を発信していきたい」 そう語る女将がこだわるのは食材。ほぼ毎日、健太郎さんが車で奈良県内の顔見知りの農家をめぐり、大和野菜を直接仕入れる。「日によって採れる野菜が違うので、日替わりのメニューになることもあります」
干し柿と季節もの二品の天ぷら
山菜がおいしい5~6月は、ワラビ、コゴミ、ノイチゴなどを自ら採取。「山に自生するミツバは肉厚で味も濃く、お客さんがびっくりされます」と楽しそうに笑う。「吉野」を満喫できるのは、食事だけではない。平成9年に健太郎さんの父、彰介さん(60)が築造した「ログハウスホール」は高さ9メートル、樹齢150年の柱をはじめ、吉野産のスギやヒノキをふんだんに使った吹き抜け。大きなガラス窓からは四季折々の自然や野鳥を楽しめる。
お櫃(ひつ)には、たっぷりの奈良県産ヒノヒカリ(特Aランク)
三ツ星お米マイスター・水本充洋さん(水本米穀店)から調達
同様に吉野材を使ったログハウスの客室もあり、若い世代に人気だ。吉野材260本で建てた「ログハウス茶房 陽(ひなた)ぼっこ」は、「下千本」のパノラマを一望できる。宿泊客の朝食、観光客のカフェとして活用されている。4児の母として育児もこなす女将は、樹液など吉野の自然から抽出したアロマづくりに挑戦中。「奈良たっぷりのおもてなしを、もっともっと追求していきたいと思っています」
デザートは桜アイスクリーム
「歌藤」 歌藤の名字は、吉野を山城として南朝を樹立した後醍醐天皇に仕え、歌を教えた先祖が、天皇から直接与えられたとされる。旅館そばの「大橋」は当時、吉野を城塞化するため尾根を削った堀の跡にかかり、南北朝時代の緊張感を生々しく伝える。周辺には名所旧跡が数多く点在する。「歌藤」はロープウエー吉野山駅から徒歩2分。全14室。1泊2食(1部屋3人使用)1人1万3650円~、ログハウス部屋は1万5750円~。問い合わせは歌藤((電)0746・32・3177)。
後醍醐天皇から「歌藤」の姓を賜ったとは、すごい。西吉野(五條市)の「王隠堂」も、後醍醐天皇を匿(かくま)ったことでいただいた姓(屋号)だそうだが、こちらも同様だったのだ。「世界最大の旅行口コミサイト」とうたうトリップアドバイザーの評価では「吉野町の旅館」16軒中、堂々の1位に輝く(2位は吉野荘 湯川屋)。特に外国人の評価が高い。たとえば「Amazing Experience. Great Surprise.」(驚くべき経験、大きなサプライズ)という書き込みを拙い英語力で訳してみると
妻が私たちの日本旅行に「吉野」という小さなエリアを加えると決めたとき、私は大いに悩んだ。私たちは日本語を話さないし、道程は遠くて困難だ。それに、英語で予約できる宿泊施設は少なかった。私たちはケーブルカーに乗り、(山上で降りたあと)左に進んだ。小さな赤い橋を渡ったあと、小ぢんまりした和風の建物の玄関で、妻の名前を見つけた。それが、私たちがその場所を発見する唯一の方法だった。
小さな赤い橋(a little orange bridge)
そのあとの全てがサプライズだった。旅館スタッフは素晴らしかった(great)。英語はほとんどなかったが、とても寛大で、ボディーランゲージが素晴らしい。経験したおもてなし(hospitality)は驚くべきものだったし、それらは心を満たしてくれた(enrich)。私たちは真の旅館体験ができたし、温泉つきのバスルームでは、夢見心地になった(fantastic)。安価ではないが、きちんとした場所で本当の日本文化体験をしたいのなら、不可欠な場所(must)である。
旅館のホームページより拝借
また別の口コミ「Wonderful Japanese experience.」(素晴らしい日本文化体験)でも《館主(owner of the Ryokan)は十分な英語を話し、真の日本文化体験をさせてくれる。サービスは完璧だし、お風呂は素晴らしい。食事には目を見張った(amazing)。風景には息を呑んだ》とベタ褒めである。
桜の時期の予約は、お電話(0746-32-3177)で。空き状況は旅館の公式HPに出ている。予約が取れなくても産経の記事にも出ていたとおり、吉野山は桜が散ったあとの「新緑の“オフシーズン”こそ、吉野の魅力を満喫できる」ので、ぜひ5~6月にお訪ねいただきたい。
女将さん、その節はお世話をおかけいたしました。これから忙しくなりますが、温かいおもてなし、どうぞよろしくお願いいたします!