tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

食の商談会

2008年01月30日 | 奈良にこだわる
昨日(1/29)、地元銀行が主催する「食(しょく)の商談会」(於:大阪国際交流センター=大阪市天王寺区上本町)を訪ねた。

奈良県を中心とした食品・農産品生産者(72先=売り手)や流通業者やホテルなど(21先=買い手)が出展し、約550人が来場した。会場内には写真のような幟(のぼり)やサンプルがずらりと並んでいた。

ブースには、奈良特産の三輪そうめん、柿の葉寿司、地酒をはじめ、こんにゃく、豆菓子、お茶、味噌・醤油などがずらりと並んだ。黒滝村のイノシシ肉も紹介されていた。選りすぐりの食材がこれだけ一堂に会すると、さすがに圧巻である。県の「うまいものづくり」ブースも出ていて、多くの人が職員の説明に聞き入っていた。

特に私の目に止まったのは、
○宇陀の黒豆:JAならけん(宇陀地区黒大豆小豆生産部会)
煮豆を試食して、美味しさに驚いた。丹波の黒豆に勝るとも劣らない高品質の黒豆だ。黒豆は健康食品としての人気も高い。関係者は「ブランド力がないので、まだあまり認知されていないのが残念」とのことだが、これほどの良質の黒豆は、ぜひ「宇陀金ごぼう」のような立派なブランドに育てていっていただきたいものだ。

○極豆(ごくまめ=フライ豆):(株)植嶋(生駒郡斑鳩町)
フライ豆は奈良県発の食品だが、これを10種類の味に仕立て上げている。そら豆だけでなく黒豆もある。美味しいだけでなく、食べていて楽しい。小袋に入れ、少しずつ買えるように工夫してあるので、レジ前でついカゴに入れてしまいそうだ。

○ゆば、柿の葉:(株)ゆば平(五條市西吉野町)
きれいな水を使ったゆばが主力商品だが、それ以外にも冷凍保存した柿、つま物として使える紅葉した柿の葉などが珍しい。この柿の葉は、秋季の柿の葉寿司の飾りなど、いろんな用途に使えそうだ。

○有機輸入フルーツ:丸タ田中青果加工(株)(伊賀市)
三重県から唯一の出展企業。有機バナナ、有機アボカドやナッツ類のほか、トランス脂肪酸を含まない有機パーム油などを販売している。今の消費者ニーズにピッタリである。試飲させていただいた有機インスタントコーヒーは、インスタントとは思えない美味しさだった。

この展示会で、地元に良い食品が多いことを改めて実感した。「奈良にうまいものなし」など、俗説に過ぎないことがご理解いただけ、バイヤーの方も驚いておられた。食いだおれの大阪に、良質の地元食材をどんどん売り込んでいただきたいものだ。
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金田一先生の日本語おもしろ塾

2008年01月29日 | 日々是雑感
方言の話が出たので、続けて言葉づかいの話を。1/21(月)、テレビでおなじみの金田一秀穂(きんだいち・ひでほ)さんの講演を聞いた(時事通信社「内外情勢調査会奈良支部」1月懇談会)。タイトルは「金田一先生の日本語おもしろ塾」だ。

金田一さんの祖父は京助氏、父は春彦氏である。秀穂さんは杏林大学外国語学部教授で、NHKの「知るを楽しむ」や日本テレビ系の「世界一受けたい授業」などで広く知られている。

講演の最初はクイズだった。「三つ辻」の意味の日本語は、「ていじろ」と「てぃーじろ」のどちらが正しいか。

私はこれだけ間違えてしまった。正しくはていじろ(丁字路)だそうだ。つまり甲乙丙丁の「丁」だ。ローマ字の「T」ではない。もちろん辞書には両方出ているが、例えばNHKの7時のニュースなどでは「ていじろ」と言うことになっているそうだ。

あと、シミュレーションかシュミレーションか、アボカトかアボガドか、「流れに掉さす」は流されるのか逆らうのか、「気のおけない人」と言われて喜んで良いのかいけないのか…など。この正解は、すべて前者であった。

しかし金田一さんは、あまりこういう細かいことに気を回す必要はない、意味が通じれば(共通理解・共通認識があれば)それで良いという。大切なのは、心地よい日本語を使うことなのだそうだ。言葉は時代と共に変化するものだから、気持ちに一番ピッタリくる言葉で話せば良いのだ。

言語は変化する(変化しないのは、ラテン語のように生きている人が使わないような言語だけ)。だから今の若者言葉も、言葉が乱れていると嘆くのではなくて、言葉が変化していると理解すれば良い。

よくやり玉に挙げられるコンビニの接客用語もそうで、例えば「こちらは新発売の缶コーヒーになります」の「~になります」は、「~です」と「~でございます」の中間の丁寧表現。「~です」ではぞんざいだし「~でございます」はバカ丁寧。だから「~なります」と言う。大阪弁なら「~でおます」で済ますところだが、そういう中間的な言葉がないので「~になります」となる。

「~の方」(ほうほう言葉)というのもそうで、ズバリの実体を指す代わりに方向を示すことで丁寧さを表現している。これは昔からあった表現で、「この人は」の代わりに「こちらは」「この方は」、「きみ」の代わりに「あなた(貴方)」というのと同じ。

「大丈夫ですか?」(~で良いですか?)も同じく、やや距離を置いた言葉。またコンビニに入店したときの店員のあいさつ「いらっしゃいませ~」は、語尾が下がる投げやりな発音だが、学生に聞くと「いちいち誠意を込めて言っていると、体が持たない」という。それも理にかなったことである。

金田一さんは、これらは言葉が変化していることの表れなのだから、いちいち目くじらを立てる必要はないという(それより、ビジネス用語の「御社」とか社名に○○さん、とさん付けする方が気味が悪い、とおっしゃる)。

締めくくりに金田一さんは、野口英世の母からの手紙を例に「あなたが一番 伝えたい人に対して、“伝えたい”と強く願う気持ちが大切で、その気持ちがこもった言葉、日本語こそが相手にとって心地よくもあり美しい」と、改めて“心地よい日本語”の大切さを強調されていた。

とかく私たちは「今の若者言葉はなっとらん」と嘆いてそれで終わっているが、さすが金田一さんは、深く考察されている。中年には、とても参考になった講演会であった。
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古語がルーツ!奈良の方言

2008年01月28日 | 奈良にこだわる
このブログのコメント欄で、奈良の方言に関する話題が出ていたので、ここでまとめてみる。
※参考:「コメント欄」を下の方にスクロール
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/00ca68271f1ff4c9e670efacd8c7e121

「奈良の方言」としてコメントをいただいた中で、「うたて(うたてし)」「おとろし」「夜さり」は古語だった。「とごる」(沈殿する)は古語ではなく滞る(とどこおる) がなまった言葉で、奈良県や和歌山県だけでなく、愛知県でも使われている方言だそうだ。
※メーリングリストで存じ上げている福田和真さんの「田辺弁講座」
http://lb.tanabe-cci.or.jp/~fukuda/dialect/words/t/togoru.html

「回りする」(したくする)も辞書には載っていない。私が奈良弁だ思っていた「てれこ」(あべこべ)は広辞苑にちゃんと載っていて、方言ではなかった。

Wikipedia「奈良弁」の書きかけ項目には、《大阪弁や京都弁と似ている部分が多いが、「去ぬ(いぬ)」などの古語の表現も残されているのが特徴である。古来、日本の中心地として、日本語の発展に大きく影響を与えてきた方言の一つである。また、長岡京や平安京への遷都以降も交通の要衝として、大阪弁や京言葉に影響を与えたり、受けたりしていた》とある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%88%E8%89%AF%E5%BC%81

確かに「いぬ」(帰る)も古語だ(和歌山県でも使われているが)。古語の表現が現在に残り、それが奈良弁の何割かを占めていることは、間違いなさそうだ。

Wikiのフランス語版には「Naraben」という項目があって、いろんな奈良弁の意味と仏訳が出ている。日本語版より充実しているところがスゴい。筆者は、奈良女子大にでも留学していたのだろうか。見出し語と意味をそのまま列挙すると、

まわり(したく)、ぐいち (ちぐはぐ)、きける (疲れる)、 ~いす ・~やいす (~ます)、ロック (平ら)、まとう (弁償する)やりこい(やわらかい)、はんざいこ (物の隙間)、おとろしー (面倒くさい)、もまない (まずい)、えー (良い)、ほーせき (おやつ)、とこぎり (徹底的)、なかなか (どういたしまして) 、げんろく (ひざがしら)、あんじょー (うまく)、ねがう (訴える)、けなるい (うらやましい)、はんそする(修理する)、~みー (~ね)、きたなか (半分)、はんつ (半端)
http://www.commecadujapon.com/dokuwiki/japonais/dialectes/naraben

生粋の奈良県人の皆さん、上記の奈良弁をご存じだったろうか。奈良市に30年住んでいる私にして、聞いたことのない言葉がたくさん混じっている。このうち、まわり、ぐいち、きける、まとう、もまない(もむない)、えー(これは関西標準語)、あんじょーは、私の故郷の紀北地方(和歌山県北部)でも使う。

上記を古語辞典で調べると、もむない、けなるい(けなりい)は古語だった。ポピュラーな奈良弁は、他にももっとありそうだ。ご存じの方は、コメントをお寄せいただきたい。

※写真は、奈良市柳生の「芳徳寺」(ほうとくじ・芳徳禅寺とも)。柳生宗矩(むねのり)が、亡父・柳生石舟斎宗厳(せきしゅうさいむねよし・柳生新陰流の創始者)の菩提を弔うため、沢庵禅師を開山として創立した。05年1月に撮影。
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黒滝村のイノシシ鍋

2008年01月27日 | 奈良にこだわる
黒滝村(奈良県吉野郡)は、奈良市から一路南へ約40km、吉野山の西南側にある村だ。奈良県全域で見ると、ちょうどまん中にあるので「奈良県のへそ」とも呼ばれる、人口約1000人・世帯数約400の村である。

知る人ぞ知る、この村の名物はイノシシ肉である。イノシシは野生ではなく、牧場で育てる。私は以前(06年2月)、地元バス会社のツアーで初めて「猪鍋定食」(@2000円)をいただき、舌鼓を打った。
※奈良交通のミニ・バスツアー(JanJanに書いた記事)
http://www.news.janjan.jp/culture/0602/0602269896/1.php

この肉は次第に評判が広がり、昨年12月には地元紙やYahoo!ニュースで大きく紹介された。記事によると、

《黒滝村粟飯谷(あわいだに)のリゾート施設「黒滝・森物語村」では、今年も村内産イノシシの肉を用いた鍋料理を提供している。同村では「客足が遠のく冬の観光の目玉に」と、17年前から村営牧場でイノシシを飼育。施設の手狭さなどから量産できない悩みはあるものの、猪鍋(いのししなべ)は名物として定着しつつある》。

《黒滝村には、夏場を中心に年間約10万人が訪れるが、冬の観光促進が課題となっている。このため同村では、平成2年から村営牧場でイノシシの飼育を開始。その後、森物語村内の宿泊施設「森の交流館」で、独自にブレンドしたみそや村内産の野菜を使った猪鍋の提供を始めた。自然を求めて大阪市内から移住した元中学校教諭の男性(51)が飼育を担当。現在は約70頭を育てている。9種類の穀物と春雨のくずを配合した餌を与えるなど工夫をこらし、臭みがなく、甘い脂身が特徴の「黒滝猪」を生み出している》。

《村が期待をかけた冬の味覚は、年々ファンを増やしているよう。同館には、18年12月~19年2月に、前年同期より2割(約700人)多い約4000人が訪れた。一方、イノシシは食用になるまでに約4年かかり、エサ代がかさむことや、現在の牧場は手狭で飼育頭数を増やせない半面、予算上の理由から拡張が難しいという悩みも抱える》。(以上Yahoo!ニュース「猪鍋で村おこし 黒滝村 地元産名物に熱い期待」07.12.5付)

この村に、昨日(1/26)職場の総勢23人で押し寄せた。バス1台を借り切った日帰りツアーである。「森の交流館」で出てきたのが、写真の猪肉(4人前)だ。ボタン鍋とはよく言ったもので、スライスされた新鮮な猪肉は、色鮮やかな春の牡丹だ。脂身の多いのが特徴(しかし低カロリー)で、ここに旨味が凝縮されている。

あっさりとした味噌ダシに村内産の野菜やコンニャク、猪肉を入れ、ネギ、ショウガ、七味などの薬味を添えていただく。うーん、やはりこれは美味しい。他では決して味わえない黒滝村の味だ。食べていると、いつの間にか体がポカポカと温まってくる。猪肉に含まれるビタミンB1の作用だが、やはり猪は冬の味覚だ。臭みが全くないので、女子社員も喜んで食べている。冬の鍋は、カニやフグだけではないのだ。

今の時期は付き出し、刺身、飲み物(ビールまたは日本酒1本)、ご飯、デザートがついた@6500円の新年会セットが利用できるので、とてもおトクだ(通常は夜のメニューだが、お願いすれば昼も可)。食後は館内の「御吉野(みよしの)の湯」で高野槇(コウヤマキ)のお風呂を楽しんだ。あー極楽、極楽。
http://www.vill.kurotaki.nara.jp/mori/top.html

森物語村の1km手前(国道沿い)には道の駅「吉野路 黒滝」があり、ここではもう1つの村名物・手作りコンニャクや手延べそうめん、木製品などの特産品が買えるので、ぜひ、あわせてご利用いただきたい。
http://www.kkr.mlit.go.jp/road/michi_no_eki/contents/eki/n04_yoshinojikurotaki/index.html
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「鹿男あをによし」第2話

2008年01月26日 | 鹿男あをによし
1/24(木)放送の第2話を見た。新聞の予告からストーリーを紹介すると、

小川(玉木宏)は、突然、鹿に話しかけられ「運び番」に選ばれたなどと意味不明のことを言われ、慌てふためいてその場を立ち去る。その後小川のもとに再び鹿があらわれ、京都で狐の「使い番」の女性から大事なものを預かってくるよう命令される。彼女から渡されるのは、人間が「サンカク」と呼ぶものだというが…。

「サンカク」は、このドラマのキーワードなので、今後ともご注目いただきたい。柴本幸や綾瀬はるかの演技が良かった。地元民としては、奈良から京都に向かう近鉄電車の車内や奈良町(木奥商店の店先)のシーンが嬉しい。このブログの前回記事にも、たくさんの有益なコメントをいただいた。
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/00ca68271f1ff4c9e670efacd8c7e121

第2話では、奈良公園から離れた平城宮跡に鹿が出てきたり(まれに出てくることはあるが)、京都(伏見)から近鉄奈良駅に帰ってきたはずの玉木と綾瀬が、下宿(奈良町)とは逆方向の東大寺・南大門の方へ歩いていくという「ありえない」設定もご愛敬だった。

舞台となっている女子高の掲示板に「奈良検定のポスターが貼ってあった」という情報もいただいたが、細部までよく考えているな、と感心した。

東京では、渋谷駅ハチ公口改札横の壁面(10m四方)に、このドラマのポスターを貼っていただいているそうだ。このドラマを契機に、奈良が全国的にアピールできれば、これほど有り難いことはない。会議で東京出張の折には、ガラスの勾玉や鹿角のキーホルダーでも大量に配ってこようと思っている。

視聴率こそ10~11%と、あまりぱっとしないが、ストーリーが進むにつれて上がってくるものと期待したい。ブログ読者の皆さん、ぜひコメントをお寄せ下さい。

※写真は奈良公園で06年7月に撮影。鹿や芝のきれいな時期に、写真をたくさん撮っておいて良かった!

※参考:いよいよオンエア!「鹿男あをによし」(ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/00ca68271f1ff4c9e670efacd8c7e121
コメント (14)
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