tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

法隆寺で、4月3日(土)~5日(月)「聖徳太子1400年御聖諱(ごしょうき)法要」/毎日新聞「やまと百寺参り」第94回

2021年03月30日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の刊行を記念して毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を掲載しているが、いよいよこの日(2021.3.25)が最終回となった。来週からは「かるたで知るなら」のタイトルで、奈良まほろばソムリエの会が制作した「奈良まほろばかるた」の札を紹介する。
※トップ写真は神輿に聖徳太子七歳像を乗せ伽藍に入る御聖諱法要の行列=2011年4月

「やまと百寺参り」、最終回にふさわしく、今年の「聖徳太子1400年御遠忌(ごおんき)」にちなみ、法隆寺の太子の命日法要を紹介する。執筆者は香芝市在住で、斑鳩の里観光ボランティアの会にも所属する柏尾信尚さんである。今年4月3日(土)~5日(月)の「聖徳太子1400年御聖諱(ごしょうき)法要」は必見である(お寺のHPは、こちら)。では、記事全文を紹介する。

推古天皇と聖徳太子は607(推古天皇15)年に法隆寺を創建しました。薬師如来を安置する寺の建立を誓願し、実現できぬまま亡くなった太子の父、用明天皇の遺志を継いだと伝わります。

670(天智天皇9)年に法隆寺が焼失したとする『日本書紀』の記述は、昭和の発掘調査などで裏付けられました。焼け跡のほど近くに再建されたのが現在の法隆寺西院伽藍(がらん)で、焼失した寺跡は若草伽藍と呼ばれています。

境内は、世界最古の木造建造物群の金堂や五重塔などがある西院伽藍、夢殿が中心の東院伽藍に分かれています。数多くの国宝、重文を所蔵し、1993(平成5)年には日本初の世界文化遺産に登録されました。

仏教を重んじ、十七条憲法制定や遣隋使派遣を進めた聖徳太子は、622(推古天皇30)年に亡くなりました。毎年3月には命日法要のお会式(えしき)、10年ごとに御遠忌(ごおんき)の法要が営まれます。今年は1400年の御遠忌に当たり、4月3日から3日間、「聖徳太子1400年御聖諱(ごしょうき)法要」が執り行われます。夢殿などで特別開扉や展示があるほか、奈良国立博物館では特別展も開催されます。(奈良まほろばソムリエの会会員 柏尾信尚)

(宗 派)聖徳宗
(住 所)斑鳩町法隆寺山内1の1
(電 話)0745・75・2555
(交 通)JR法隆寺駅からバス「法隆寺参道」下車すぐ、または近鉄筒井駅からバス「法隆寺
前」下車すぐ 
(拝 観)8~17時(11月4日〜2月21日は16時半まで)、1500円
(駐車場)民営有(有料)


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『奈良万葉の旅百首』が読者プレゼントに!

2021年03月29日 | お知らせ
土曜日(2021.3.27)の奈良新聞暮らし面「プレゼント」のコーナーに、『奈良万葉の旅百首』(京阪奈情報教育出版刊)を10人にプレゼント、という記事が出ていた。応募ははがきで、締め切りは4月5日(月)である(当日消印有効)。

おかげさまで『奈良万葉の旅百首』の売れ行きは好調で、啓林堂書店奈良店(近鉄奈良駅前)「一般書部門」の週間売り上げランキングの1位を独走している。まだお買い求めいただいていない方は、ぜひプレゼントにご応募を!

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宇陀市の日張山青蓮寺で「中将姫会式」法要、毎年4月第2日曜日挙行!/毎日新聞「やまと百寺参り」第93回

2021年03月28日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の刊行を記念して毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を連載している。今年(2021年)3月18日(木)に掲載されたのは「中将姫追慕 今も/青蓮寺(宇陀市)」、執筆されたのは大阪府高槻市にお住いの寺田麻美さんだった。中将姫は、様々な物語や謡曲に登場する伝説上の人物である。『世界大百科事典』「中将姫」によると、
※トップ写真は、開山堂に安置されている中将姫坐像=宇陀市の青蓮寺で

当麻寺の曼荼羅(まんだら)を織ったとされる伝説上の女性。中将姫の物語を要約すると,継子虐待と当麻曼荼羅の由来にしぼることができる。継母の讒言(ざんげん)を信じた父横佩(よこはぎ)の右大臣豊成の命によって雲雀山で殺されることになった中将姫は,臣下夫婦にかくまわれて命をつなぐ。

後年,雲雀山での狩りの途次,偶然姫を見いだした豊成は,姫との再会を喜び館へ連れ帰る。姫は帝に望まれるほどの美しさであったが,仏道への志深く,ひそかに館を抜け出して大和の当麻寺に入って尼となる。やがて阿弥陀如来と観音菩薩の助力のもとに糸で曼荼羅を仕上げ,女人ながら浄土に招かれて成仏するというのが筋である。


毎年4月の第2日曜日に「中将姫会式」(法要)が営まれ、今年(4/11)は1247回忌になるという。青蓮寺のHPには《4月11日(日)は会式があります。基本的には昨年と同じ様にお寺のみの会式になります が1時から行いますので来られる方はお越しください。御一緒にお勤めしましょう。マスクをつけてお参り下さい》とある。では、記事全文を紹介する。

宇陀市南東部にある日張山(ひばりやま)の山中にたたずむ青蓮寺(せいれんじ)は、奈良時代に右大臣・藤原豊成の娘中将姫(ちゅうじょうひめ)が、自らの命を救ってもらった松井嘉藤太(かとうた)の菩提(ぼだい)を弔うため、765(天平神護元)年に建立したとされる尼寺です。

寺伝などによると、中将姫は14歳の時、継母の指示で嘉藤太に命を奪われかけますが、改心した嘉藤太夫婦と日張山で2年半暮らします。父と再会した後、17歳で出家し、当麻寺で読経と写経に没頭し、蓮の糸で曼荼羅(まんだら)を織ったとされます。

開山堂に祀(まつ)られている木造の中将姫坐像(ざぞう 高さ45㌢)は、19歳の中将姫が自分の姿を鏡に映して刻んだと伝わります。少し笑みを浮かべ、優しく見守るような穏やかな表情をしています。

お寺の重要な行事が「中将姫会式(えしき)」です。毎年4月の第2日曜日に営まれ、今年は4月11日に1247回忌を迎えます。当日は住職が中将姫の29年とされる生涯について法話をします。回忌法要は中将姫を偲(しの)ぶ日であると共に、参拝者が中将姫との深いご縁を感じる日でもあるのです。(奈良まほろばソムリエの会会員 寺田麻美)

(宗 派)浄土宗
(住 所)宇陀市菟田野宇賀志1439
(電 話)0745・84・2455
(交 通)近鉄榛原駅からバス「松井橋」下車、徒歩約60分
(拝 観)10~15時、要事前予約
(駐車場)有


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万葉集を読み解く3冊/奈良新聞「明風清音」第54回

2021年03月26日 | 明風清音(奈良新聞)
毎月2回程度、奈良新聞「明風清音」欄に寄稿している。昨日(2021.3.25)掲載されたのは「万葉集を読み解く3冊」、万葉集に関する良書3冊のレビューである。3冊とも興味深く読んだが、中でも『大阪弁訳だけ万葉集』(JDC出版)に登場する万葉歌の大阪弁訳は、万葉集をテーマにした講演などでも引用させていただき、紹介している。聞きに来られる方はほぼ全員が関西人なので、とても受けがいい(「金や銀 宝の玉もそんなもん なんぼのもんじゃ 子が一番や」など)。
※トップ写真は『奈良万葉の旅百首』の編集委員。全員、奈良まほろばソムリエの会会員だ

私が万葉集を意識しだしたのは、大学の入学式のときだ。入学式の年(昭和47年)は、故犬養孝先生の定年退官の年だった。犬養先生は30分ほどの記念講演をされた。それは、「石走(いはばし)る垂水の上のさ蕨(わらび)の萌え出づる春になりにけるかも」(志貴皇子)という歌の紹介だった。春の喜びをうたう歌を紹介して、私たちの入学をお祝いしてくださったのだ。朗々と歌われた「犬養節」と、「歌は心の音楽です」というフレーズは、いまでも脳裏に焼きついている。では、記事全文を紹介する。



ことし2月末、奈良まほろばソムリエの会は設立十周年を記念して、京阪奈情報教育出版から「奈良万葉の旅百首」(税込み1100円)を発刊した。私は本書の編集責任者を務めることになったので、泥縄式で万葉集を勉強した。その過程で、多くの良書や役に立つ本に出会った。ここで、そのうちベスト3冊を紹介しておく。

1冊目は山本健吉著「大和山河抄」(角川選書)。万葉集に詳しい知人に教えてもらったが版元では品切れだったので、古書店で購入した。大和の社寺や仏像ではなく、自然や風景を紹介した紀行文である。

序文には「古代の大和びとが歩いた道を私もたどり、古代の大和びとが目にしたものを私も見て、彼等の喜びや悲しみや怖れや憤りに、直接触れてみたいのである。彼等と私どもとの心の交通に、風景がどの程度に役立つか、試してみたいのである」。

最終章には「四度ばかり大和を訪れた。いずれも短い日程だったが、万葉集に詠まれた土地の名を、できるだけ実地に即して考え、あわせて、万葉びとの感情や思想に迫る一助にしたいという考えがあった。(中略)万葉集の歌を味わうには、やはり文献だけを頼りにしていては、心もとないところがある」。

2冊目は中村博著「大阪弁訳だけ万葉集」(JDC出版)。中村氏は堺市出身、在野の万葉集研究家だ。万葉集を大阪弁で訳すと、われわれ関西人の頭にスーッと入ってくるから不思議である。「奈良万葉の旅百首」で取り上げた歌の大阪弁訳を紹介する。

▼あかんがな うちの気持ちが分かるなら雲さん三輪山(おやま)を 隠さんとって
(三輪山をしかも隠すか雲だにも心あらなも隠さふべしや 額田王①一八)

▼香久山に白い衣が干したぁる あぁ春去って夏来たんやな
(春過ぎて夏来るらし白栲[しろたへ]の衣干したり天の香具山 持統天皇①二八)

▼海石榴市(つばいち)の歌垣場所で出逢ぅた児(こ)あんた名前は何ちゅうのんや
(紫は灰さすものそ海石榴市の八十の衢[ちまた]に逢へる子や誰 作者未詳⑫三一〇一)

3冊目は「奈良万葉の旅百首」の監修者でもある上野誠著「万葉集講義」(中公新書)。上野氏は4月から国学院大学教授・奈良大学名誉教授に就任される。さすが万葉集研究の第一人者、目からウロコの卓見が目白押しだった。要点を紹介すると、

▼やまと歌の世界とは①短歌体による恋と四季の文学②それらを古今和歌集は万葉集から引き継いだ③古今集以降、日本の歌の規範は古今集となった。漢字だけで記された万葉集は難しいものとなり、平安時代の文人たちも読めなくなっていた。

▼やまと歌的人格①平安時代の日本回帰の基調のなかで、やまと歌は日本文化の象徴となる②やまと歌とその発想法は人格を作る③やまと歌的人格は、確実に人と人との関係性、人と自然との関係性に影響を与える④やまと歌的美意識はほぼすべての芸道の底に流れており、これほど浸透しているものはない。

▼文選なくして万葉集なし①万葉集は二つのルーツをもつ。一つは五世紀以前から口承されてきた日本語の歌々。もう一つは中国の文学で、代表は文選②文選は、当時の中国で群を抜いて権威のある文学書だった。万葉集は文選の学習から生まれた。③万葉集は最も日本的であるとともに、最も中国的な文学であり、ルーツを遡れば、中国文化にたどり着く④日本は翻訳文化と改良文化の大国であり、そこに日本文化の創造性がある。

いかがだろう。ぜひ「奈良万葉の旅百首」ともども、ご愛読いただきたい。(てつだ・のりお=奈良まほろばソムリエの会専務理事)


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薬師寺で3月25日から 修二会花会式 薬師悔過法要/毎日新聞「やまと百寺参り」第92回

2021年03月23日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の刊行を記念して毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を連載している。ことし(2021年)3月11日(木)に掲載されたのは「花会式(はなえしき)彩る伝統の造花」、執筆されたのは同会会員で奈良市在住の山﨑愛子さん。山﨑さんは奈良が好きすぎて、大阪から引っ越して来られた。
※花会式で造花が供えられた薬師寺の本尊薬師如来=同寺提供

奈良に春の訪れを告げる薬師寺の「修二会花会式 薬師悔過(けか)法要」は毎年3月25日から78日間営まれるが、今年はコロナ禍で大幅に縮小して行われるので、注意が必要だ。薬師寺のHPによると、

新型コロナウイルス感染拡大防止の為、奉納行事・稚児行列・聞香席・拝服席・野点席・参籠を中止致します。六時の行法での金堂入堂に際し、検温、マスク着用、ご連絡先記入等のご協力をお願い致します。金堂の席数には制限がございます。ご理解とご協力をお願い申し上げます。また、結願法要は僧侶のみで厳修致します。ご参拝は金堂堂外正面よりお願い致します。

では、記事全文を紹介する。

修二会(しゅにえ)と言えば、東大寺二月堂のお水取りが有名ですが、薬師寺ではその名も華やかな「花会式(はなえしき)」が、3月25日から31日まで7日間行われます。正式名は「修二会花会式 薬師悔過(けか)法要」。本尊の薬師如来に日ごろのさまざまな過ちを懺悔(さんげ)し、人々の幸せを祈る法要です。

平安時代の1107(嘉承2)年、堀河天皇が皇后の病気平癒を薬師寺修二会に祈願したところ、見事に全快。皇后は感謝の気持ちを込めて、生花の少ない2月、宮中の女官たちと造花(つくりばな)を作り、奉納しました。以来、修二会に造花を供えたことから、「花会式」と呼ばれるようになったと伝わります。

造花は現在、薬師寺ゆかりの2軒の家が作り続けています。ウメ、モモ、サクラ、ツバキ、ヤマブキ、ボタン、フジ、カキツバタ、ユリ、キクの10種約1600本。薬草で染められた和紙や鹿の毛などを用い、一つ一つ細部まで緻密に手作りされます。900年を超える伝統を受け継ぐ花々です。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、本年も規模を縮小して行われます。ご参拝の方は事前にご確認ください。(奈良まほろばソムリエの会会員 山﨑愛子)

(宗 派)法相宗
(住 所)奈良市西ノ京町457
(電 話)0742・33・6001
(交 通)近鉄西ノ京駅から徒歩すぐ
(拝 観)8時30分~17時、1100円(西僧坊・食堂を含む特別共通割引券1600円)  
(駐車場)有(有料)


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