勝間和代ブームが続いている。この7/24にも日垣隆著『勝間和代現象を読み解く』(大和書房刊)という本が出た。版元の「概要」には《出す本すべてがベストセラー〈勝間和代〉はなぜ若者から支持されるのか?背景にあるビジネス書ブーム、女性問題を手がかりに読み解く》とある。
NHK教育テレビの「知るを楽しむ」(毎週木曜日 夜10:25~10:50)では、8月6、13、20、27日の4回にわたり、彼女の「仕事学のすすめ・課題克服仕事論」(藤巻幸夫さんによるインタビュー)が放送されるという。
※勝間和代さんの公式ブログ
http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/
私も以前、ここで勝間さんの言葉を紹介し、彼女のブログにもトラックバックを送らせていただいたが、そこから当ブログ記事に多くのアクセスを頂戴した。
※Giveの5乗でいこう(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/2d4590a3daad05d697369630a713c726
先日、奈良県経営者協会の会報誌「鹿鳴通信」(09年6月号)の「Bookレビュー」欄で勝間さんの『効率が10倍アップする 新・知的生産術』と『起きていることはすべて正しい』(いずれもダイヤモンド社刊)を紹介させていただいた。同協会の承諾をいただいたので、以下にその内容を掲載させていただくことにしたい。
… … … …
今をときめく経済評論家・勝間和代氏の著作は、最近まで読んだことがなかったが、テレビ朝日の「サンデープロジェクト」(4月26日放送)で、彼女の話を初めて聞いた。とても具体的で分かりやすい脳活性化術を披露されていた。そんな彼女の書いた知的生産術と自己啓発の本が冒頭の2冊だ。
『効率が10倍アップする新・知的生産術』
には《情報のインプットおよびアウトプットの方法を飛躍的に上げる技術を提供します》とある。早くも第1章にドキッとする文章が出てくる。資本主義とは《情報を持っていない人から、情報を持っている人へ、お金が移動する仕組み》であり、これを彼女は「情報主義」と呼ぶ。現代は情報洪水といわれる割には、大切な情報は入ってこない。
大切な情報をインプットする技術の一例として彼女は《マスメデイア情報を減らし、実体験、他者体験、良書を3大情報源とする》ことを薦める。つまりテレビや雑誌は極力見ず、自分や他人の実体験や良書から学べというのである。ここで出てくる情報の「空、雨、傘」のたとえが面白い。空(空模様)とは、空を見上げたときの事実。雨(雨が降りそうだ)は、空を見たときの解釈。傘(傘を持って行こう)は、その解釈に伴う行動。マスメディア情報は得てしてこれがごっちゃになり、私たちは騙(だま)されることがあるので要注意だという。
このほか同書には、《成果が10倍になるアウトプットの技術》《知的生産を根底から支える生活習慣の技術》《自分の力が10倍アップする人脈作りの技術》などが紹介されている。
『起きていることはすべて正しい』
には《運を戦略的につかむ勝間式4つの技術》が盛り込まれている。それは「1.広げる…ポジティブ思考で潜在意識を活用する」「2.絞り込む…99%を捨て1%の本質をつかむ」「3.殖やす…パーソナル資産(=自分の時間、技術、テクニック、経験、考え方、友人など)を使いこなす」「4.調和する…わがままを通して成功する」の4つだ。なおタイトルの『起きていることはすべて正しい』とは《起きていることはすべて、自分に対するメッセージ、あるいは何らかのチャンスとして受け止めよう。そして、そのメッセージを分析し、そこに対して自分の持っているパーソナル資産を正しく割り当て、使いきり、最大の成果になるように行動を続けよう》という意味なのだそうだ。
勝間本には、随所に「勝間語」(彼女が好んで使う用語)が出てきて面食らうときがある。例えば「Give(ギブ)5乗の法則」(情報を包み隠さず、他人に与えまくる姿勢でいると、自分のところに有益な状態で返ってくる)、「セレンディピティ」(偶然の出来事の中でチャンスを発見する能力)、「メンタル筋力」(精神面での体格・体力。これを支えるのが上記4つの技術)など。
勝間本には、効率よく稼ぎ、仕事以外の時間も充実させ、より豊かな人生を送るための具体例が示される。この点が若者を中心にファンが増える勘所なのだろう。そんな人生観がお嫌いでなければ、ご一読をお薦めする。
勝間和代現象を読み解く日垣 隆大和書房このアイテムの詳細を見る |
NHK教育テレビの「知るを楽しむ」(毎週木曜日 夜10:25~10:50)では、8月6、13、20、27日の4回にわたり、彼女の「仕事学のすすめ・課題克服仕事論」(藤巻幸夫さんによるインタビュー)が放送されるという。
※勝間和代さんの公式ブログ
http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/
私も以前、ここで勝間さんの言葉を紹介し、彼女のブログにもトラックバックを送らせていただいたが、そこから当ブログ記事に多くのアクセスを頂戴した。
※Giveの5乗でいこう(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/2d4590a3daad05d697369630a713c726
先日、奈良県経営者協会の会報誌「鹿鳴通信」(09年6月号)の「Bookレビュー」欄で勝間さんの『効率が10倍アップする 新・知的生産術』と『起きていることはすべて正しい』(いずれもダイヤモンド社刊)を紹介させていただいた。同協会の承諾をいただいたので、以下にその内容を掲載させていただくことにしたい。
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今をときめく経済評論家・勝間和代氏の著作は、最近まで読んだことがなかったが、テレビ朝日の「サンデープロジェクト」(4月26日放送)で、彼女の話を初めて聞いた。とても具体的で分かりやすい脳活性化術を披露されていた。そんな彼女の書いた知的生産術と自己啓発の本が冒頭の2冊だ。
効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法勝間 和代ダイヤモンド社このアイテムの詳細を見る |
『効率が10倍アップする新・知的生産術』
には《情報のインプットおよびアウトプットの方法を飛躍的に上げる技術を提供します》とある。早くも第1章にドキッとする文章が出てくる。資本主義とは《情報を持っていない人から、情報を持っている人へ、お金が移動する仕組み》であり、これを彼女は「情報主義」と呼ぶ。現代は情報洪水といわれる割には、大切な情報は入ってこない。
大切な情報をインプットする技術の一例として彼女は《マスメデイア情報を減らし、実体験、他者体験、良書を3大情報源とする》ことを薦める。つまりテレビや雑誌は極力見ず、自分や他人の実体験や良書から学べというのである。ここで出てくる情報の「空、雨、傘」のたとえが面白い。空(空模様)とは、空を見上げたときの事実。雨(雨が降りそうだ)は、空を見たときの解釈。傘(傘を持って行こう)は、その解釈に伴う行動。マスメディア情報は得てしてこれがごっちゃになり、私たちは騙(だま)されることがあるので要注意だという。
このほか同書には、《成果が10倍になるアウトプットの技術》《知的生産を根底から支える生活習慣の技術》《自分の力が10倍アップする人脈作りの技術》などが紹介されている。
起きていることはすべて正しい―運を戦略的につかむ勝間式4つの技術勝間 和代ダイヤモンド社このアイテムの詳細を見る |
『起きていることはすべて正しい』
には《運を戦略的につかむ勝間式4つの技術》が盛り込まれている。それは「1.広げる…ポジティブ思考で潜在意識を活用する」「2.絞り込む…99%を捨て1%の本質をつかむ」「3.殖やす…パーソナル資産(=自分の時間、技術、テクニック、経験、考え方、友人など)を使いこなす」「4.調和する…わがままを通して成功する」の4つだ。なおタイトルの『起きていることはすべて正しい』とは《起きていることはすべて、自分に対するメッセージ、あるいは何らかのチャンスとして受け止めよう。そして、そのメッセージを分析し、そこに対して自分の持っているパーソナル資産を正しく割り当て、使いきり、最大の成果になるように行動を続けよう》という意味なのだそうだ。
勝間本には、随所に「勝間語」(彼女が好んで使う用語)が出てきて面食らうときがある。例えば「Give(ギブ)5乗の法則」(情報を包み隠さず、他人に与えまくる姿勢でいると、自分のところに有益な状態で返ってくる)、「セレンディピティ」(偶然の出来事の中でチャンスを発見する能力)、「メンタル筋力」(精神面での体格・体力。これを支えるのが上記4つの技術)など。
勝間本には、効率よく稼ぎ、仕事以外の時間も充実させ、より豊かな人生を送るための具体例が示される。この点が若者を中心にファンが増える勘所なのだろう。そんな人生観がお嫌いでなければ、ご一読をお薦めする。