tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

奈良県内にお泊まりの方に 50%(上限5,000円)OFF!(2015Topic)

2015年05月31日 | お知らせ
こんな耳寄りな制度ができた。本年6月19日(金)から7月31日(金)までの期間中、個人旅行で県内に宿泊された場合、1人1泊につき50%(上限5,000円)のキャッシュバック(返金)が受けられるのだ。県観光産業課のHPによると、

奈良県では、宿泊観光客の誘客促進のため「地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金(地域消費喚起・生活支援型)」を活用し、「奈良県宿泊者限定2億5千万円キャッシュバックキャンペーン」を実施します。キャンペーンを利用して、ぜひ県内で宿泊旅行を楽しんで下さい!

(キャンペーン概要)
県が認定する宿泊施設のお得感たっぷりの特別プランにお泊まりのお客様に対し、精算時に宿泊料金の最大50%を キャッシュバック(割引)いたします。

(キャンペーン期間等)
◆対象宿泊期間:
 平成27年6月19日(金)チェックイン~7月31日(金)チェックアウト
 ※ご利用状況により、期間内に受付を終了することがあります。
◆キャッシュバック額
 ●1泊1人当たり最大50%(上限額は5,000円)
 ●2連泊まで適用、1予約10人未満の個人旅行を対象とします。
◆割引例
 ・1泊1人につき10,000円の宿泊プランに2人で宿泊の場合
  2名様2泊で、通常料金40,000円のところ、利用者支払額は20,000円に!    
◆利用方法
 ・宿泊施設のホームページ又は電話にて申込。
◆対象の宿泊施設・宿泊プランなど詳しくは、別紙パンフレットのとおり。
キャッシュバックキャンペーンホームページ
キャッシュバックキャンペーンコールセンター ☎ 06-4964-8832
予約受付、ホームページの稼働等は、6月1日(月)から行います。
○報道資料はこちら
○PRパンフレットはこちら


ご注意いただきたいのは、各宿泊施設の「宿泊(特別)プラン」を利用しなければならないことと、県下市町村発行のふるさと商品券・旅行券などと併用できない、ということである。

しかし1泊につき5,000円の割引が受けられる(最大50%)ということだから、これは大きい。宿泊施設のリストを見ると、ホテル・旅館はもちろん、ゲストハウスや民宿、キャンプ場までが対象になっているし、全てに何らかの「特典」がついていて、これは楽しい。1人1泊5,000円引だから、4人家族だと2万円引きになるという計算だ!

総額2億5千万円ということは、5万人がこの恩典に預かれるという計算になる。逆にいうと、宿泊客数5万人の増加が見込めるのだ。これを引き金に、宿泊客数・全国ワースト2位からの浮上を図りたいものである。

県内外の皆さん、これはチャンスです、ぜひ奈良県下にお泊まり下さい! 7/31(金)のチェックアウトまでですので、今からプランニングを!


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奈良きたまちweek、いよいよ週末本番!(2015Topic)

2015年05月30日 | お知らせ
5/25(月)にスタートした「奈良きたまちweek2015」(5/31まで)、いよいよ大詰めを迎えた。小さなホテル奈良倶楽部さんのブログから、この週末の主な催し物をピックアップしておく(順序は少し入れ替えた)。

◆5/29・5/30 11:00~/14:00~/16:30~(所要時間1時間半程度)
横山 尚さん出張ワークショップ 
「木口版画を彫って刷ってミニ照明を作ろう」
会場:器人器人
参加費:1800円
申込み:要予約 TEL:0742-26-8102
イギリス発祥の木口版画の彫り・刷りの体験をしてみませんか?できあがった版画は和紙のミニ照明にしてお持ち帰りいただけます。

◆5/30 13:30~15:30 ワークショップ「東大寺周辺スケッチ」
集合場所:SKETCH HOUSE アトリエ ぶらりすけっち
参加費:1000円
申込み:電話にて(当日参加OKです!)
☎ 0742-81-3781

◆5/30・5/31 11:00~16:00「佐保川のほとりmarket」
会場: アジアン・マーブルFu-raBoxK3 Factory
出展者や当日のWS情報はこちら★で随時更新中!

◆5/30・5/31 11:30~14:00「ハーブのスワッグ作り」
会場:ちてはこカフェ
参加費:1500円(ワークショップは要予約)
きたまちweek期間中はハーブを使った料理、焼菓子をご用意します。詳細はブログ「ちてはこ日記」にて。
☎ 0742-26-0669

◆5/30・5/31 15:30~17:00「藍布の中国茶会」
会場:あじあの薬膳おばんざい藍布
参加費:2000円
薫り高い台湾の高山烏龍茶2種を、本格的な中国茶器を使った「工夫式」でお楽しみいただきます。中国茶にぴったりの特製アジアンスイーツ盛り合わせもご用意。
申込み:要予約 0742-27-1027
※5/30、31 の営業は13:30 ラストオーダーです
☎ 0742-27-1027

◆5/30 10:00~15:00「旧細田家住宅特別公開」
茅葺き屋根が特徴的な、奈良市に残る最も古い農家住宅のひとつです。普段は入れないため、この機会にぜひお立ち寄り下さい。

◆5/31 11:00~16:00「おやつ横丁&こもの市」
会場:祇園社八坂神社(今小路バス停前)
きたまちや、その周辺の人気スイーツとかわいい雑貨が大集合!

*「おやつ横丁」参加店舗:おやつサーカス(焼き菓子)、いとみち(玄米おむすび)、モリカ(かき氷)、U'kitchen(チーズケーキ)、風いろ小麦(パン)、ワインの王子様(梅ラムネ)、ちょうちょう屋(焼き菓子)、yahman coffee (コーヒー)他(※アカトキは都合により不参加になりました)
※雨天の場合は「さくらバーガー」で開催します!
昨年の「おやつ横丁」のブログ記事はこちら★
*「こもの市」参加店舗:リボン日和、あかねこ屋、ソラハナ堂、トロワペルル
*その他に、お子様向けに 『手作りこもの&それを売ってみて体験』さくらバーガーの山戸さんが、段ボールとかコルクとか色んな身の回りにある素材を準備するので、お子さん達(オトナも可ですよ)に自由に何かを作ってもらって、ついでにその場で自分で売ってみて。というWSも行なわれますよ!(参加費無料。売上はみんなのお小遣いに)
*14時からと15時からは「ならきち」と記念撮影も!(各30分予定)
*そして16時からは、山村若瑞さんによる奉納舞も!(観覧自由)

◆5/31 11:00~16:00「きたまちクラフト横丁」
※荒天中止、降雨時は参集所建物内にて実施
会場:初宮神社参集所・境内(奈良女子大学前)
きたまちで人気の大門青空市や大門玉手箱の出展作家が集います。布小物、木工製品、美味しいもの…丁寧に作られた手作り作品の中にあなたのお気に入りがきっとあるはず。春日大社ゆかりの初宮神社にお詣りもしていただけます。


楽しいイベント満載の「奈良きたまちweek2015」に、ぜひ足をお運びください!

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スーパーホテル・山本梁介会長の「環境・文化に配慮した観光」 観光地奈良の勝ち残り戦略(92)

2015年05月29日 | 観光地奈良の勝ち残り戦略
早くに紹介するつもりが、ずいぶん遅くなってしまった。一般財団法人南都経済研究所の「ナント経済月報」2015年3月号のインタビューコーナーにスーパーホテル会長・山本梁介氏が登場されていた。聞き手は、同法人主席研究員の島田清彦さん(中小企業診断士)である。

山本氏は、奈良は「サステイナブル・ツーリズム」(sustainable tourism)を売り物にすべきだ、と提唱されている。これは《「持続可能な観光」という意味で、マスツーリズムの結果生じがちな、環境や文化の悪化、過度な商業化を避けつつ、観光地本来の姿を求めていこうとする考え及びその実践》(Wikipedia)という意味。

いわば当該地域の環境・文化・社会に配慮した旅行のこと。大型ホテル誘致問題で、再び「経済・観光振興か、文化財(遺構)保護か」という問題がクローズアップされている今こそ、奈良はハッキリと「サステイナブル・ツーリズム」を打ち出すべき時期なのかも知れない。

全文はこちら(PDF)に掲載されているが以下、私の目を引いた部分を抽出して引用させていただく(太字も私が付した)。まずは、山本梁介氏のプロフィールから。

■主な経歴
1942年、大阪府生まれ。1964年3月慶応義塾大学経済学部卒業。繊維・化学品の専門商社に勤務後、不動産事業に従事。シングルマンションの管理・運営などを手がける。1989年12月株式会社スーパーホテル設立、会長に就任、現在に至る。1995年5月株式会社スーパー・コート(老人ホーム・シングルマンションの運営・管理)設立、会長に就任、現在に至る。1996年9月社会福祉法人聖綾福祉会設立、理事長に就任、現在に至る。
■座右の銘、好きな言葉
「平凡の凡を重ねて非凡となす」
■私のモットー
自律型感動人間
■所属企業・団体等の概要
・会社名:株式会社 スーパーホテル
・本 社:大阪府大阪市西区西本町1-7-7
・設 立:1989年12月20日
・資本金:6,750万円
・売上高:228億7,000万円(2014年3月期実績)
・事 業:ホテルチェーンの展開、土地有効活用のコンサルティング
・社員数:260名

人間力のベースとなるのは、感謝の気持ちです。自分で考え行動し、人に感謝することができなければ、お客様に感動を与えることはできません。自分で考えて行動する「自律型感動人間」の育成にエネルギーの6~7割を費やしています。

――ホテル事業に参入されたきっかけを教えていただけますか?
1970年に大阪でシングルマンションの経営を開始し、最盛期に約6,000室を保有していました。全国展開を狙って東京と福岡に支店を設置したのですが、経費が嵩(かさ)み、徹底的に現場に入り込んだ運営管理が困難になっていました。一方、バブル景気の華やかなりし頃に、熊本県水俣市と岡山県倉敷市で「ホテルリンクス」という名称のビジネスホテルを稼働させていました。ホテルならば支店は要らないし、現場に入り込んで徹底的に管理できると考えました。

シングルマンション事業は、ローコストでハイクオリティの居住空間を提供することが重要です。当時、会社の規模にしては身の丈に合わないような大きなIT投資を行い、運営管理の効率化に成功していました。そのノウハウをビジネスホテルに持ち込めば面白い展開ができると考え、1996年にスーパーホテル第1号店「スーパーホテル博多」を福岡市で開業しました。

当初の宿泊料金である4,980円という価格設定は、私のビジネスマン時代の経験を踏まえ、ホテル代を浮かせて1杯飲めるというようなホテルを作りたいという思いからでした。安かろう、悪かろうでは、リピーターになっていただけません。対象とするお客様やコンセプトを絞ることが必要であり、絞った内容に関しては他社の追随を絶対許さないという姿勢が大切です。

宴会や飲食では伝統的なホテルに負けてしまいます。シングルマンション事業では、居住者からの睡眠に関するクレームに真摯に対応してきましたので、その経験を活かして宿泊に特化し、快眠を徹底的に追及したホテルでやれば、独自性のある一分野を築けると考えました。感覚的な挑戦ではなく、定量的に快眠を判断できる仕組みが必要と考え、大阪府立大学の健康科学研究室と連携して「ぐっすり研究所」を設立し、同研究室の清水教(のり)永(なが)教授(現・名誉教授)と共同研究を行いました。

――御社の天然温泉も快眠に効果がありますね。
ドイツを訪問した際、天然温泉の自然治癒力の活用事例を学び、私も温泉好きでしたので、ホテルに天然温泉を導入して皆さんに元気になっていただきたいと考えました。全国の約半数の店舗に天然温泉の浴場を設置しています。浴場のご利用が増えてお部屋での入浴が減り、結果的に水とエネルギーの節約にもつながっています。

――ホテル業界で御社が最初にエコ・ファースト企業の認定を受けられたそうですね。
21世紀は省資源、省エネルギーの取組みが必要と考え、当社が目指す「地球を元気に、人を元気に」というテーマに合致している「Lohas(*)」をコンセプトに掲げています。
*“Lifestyles of Health and Sustainability”の略で、「人間の健康と環境の保護を最優先に、持続可能な社会のあり方を追い求める、新時代のライフスタイル」のこと。

――どのような取組みをされたのですか?
照明器具の見直しや節水システムの設置、集中冷暖房のセパレート化などの省エネ設計に取り組み、ペーパーレス、キャッシュレスなどのグリーンITを進めてきました。更に、全店舗でISO14001を認証取得してCO2削減を進めてきた結果、2010年に2001年比で32%削減

毎朝、フロントに空き缶やペットボトルを捨てるエコバッグというゴミ箱を設置し、持参された方にはチョコレートを手渡しています。先日、お子さんが嬉しそうに容器を持ってこられ、その後ろにおられたお母さんがとても嬉しそうな表情をされていました。その様子を拝見していた支配人やフロントアテンダントの心も温かくなり、この取組みは素晴らしいと感じました。

――日本経営品質賞に挑戦されたきっかけは?
ホテルが30店舗ぐらいになった頃にお客様からのクレームが増加し、右肩上がりだった客室稼働率も伸びが鈍化し始めたのです。多くの社員から話を聞くと、目標数字は伝わっていましたが、その意味合いや経営理念が全く浸透していないことがわかり、愕然としました。

もう一つは、テレビでザ・リッツ・カールトンが世界最高のおもてなしを提供するホテルとして紹介され、当社が新興の格安ホテルとして紹介されるパターンが何度か続きました。取材時に「1円当たりの顧客満足度」では当社のほうが高いはずだと話すのですが、そういうことは放送してもらえません。調べてみると、ザ・リッツ・カールトンが米国のマルコム・ボルドリッジ国家品質賞を受賞していることを知り、同賞を範として創設された日本経営品質賞に挑戦しようと決めたのです。

――客室稼働率やリピーター率が高い要因をどのようにお考えですか?
客室稼働率は90%、リピーター率も71%ぐらいになっています。お客様の不満を取り除くことが重要と考え、身だしなみ、接客、清潔感、朝食の4項目についてお客様アンケートを実施し、各店舗の点数を10日毎に集計して全社で共有しています。

一方、満足度を高めてリピーターになっていただくには、お客様に感動していただくことが大切です。「ここまでやってくれるのか」「ここまで考えてくれているのか」と思っていただけることが感動の源になります。マニュアル経営や集団研修で実現できるものではなく、TPOに応じた対応が必要です。自分で考え行動し、人に感謝することができなければ、お客様に感動を与えることはできません。自分で考えて行動する「自律型感動人間」を育てることに重点を置いており、エネルギーの6~7割を費やしています。

――経営理念の浸透で心掛けておられることは?
当社では経営理念の徹底に力を入れており、経営理念などを記載した「Faith(フェイス)」というカードを全社員が常に身につけています。毎朝の朝礼時に1頁ずつ全員で唱和し、交代でその内容に関する各自の考えや取組みを発表してもらい、それに対して本社でしたら社長が、店舗でしたら支配人、副支配人が助言し、対話を行っています。経営理念を浸透させることができれば、売上や利益はあとからついてくるものです。「こういう価値観でお客様に喜んでいただこう、社会に役立とう」という共通の価値観を持った人材づくりを目指しています。

――「私はプロです」という表題のページに「プロの考える習慣」が書かれていますが。
経営学者の野中郁次郎さんが言われているように、「暗黙知」(主観的、身体的な経験知)と「形式知」(明快に言語化、客観化できる理性的な知)を絶えずスパイラルアップさせることが目的です。

――独自に導入されているベンチャー支配人制度について教えていただけますか?
社員ではなく、将来独立や開業を目指すご夫婦やカップルの方などに支配人、副支配人を務めてもらっています。通常は現場で10年ほど働いてから支配人になるものでしたが、当社では50日の研修で支配人になってもらいます。支配人に一番必要なことは、自律型感動人間の要素であり、感謝・感動する人間であれば難しくないです。

支配人に必要なスキルは、本部でサポートする仕組みを構築しています。様々な情報を共有する「スーパーウェア」や6か月先を見据えた営業計画の策定に役立つ「需要予測システム」等を導入し、支配人が自分で戦術を組めるようにしています。

小型店を中心に全体の9割弱でベンチャー支配人制度を導入しています。契約期間は4年間で延長も可能です。頑張れば数千万円の自己資金を貯めることができ、支配人を卒業し、培ったノウハウを基に独立して成功されている人がいます。

――組織の活性化や人材育成についてどのようにお考えですか?
近江商人が大切にしていた、売り手よし、買い手よし、世間よしという「三方よし」の精神に、社員よしを加え「四方よし」の経営をやっていこうとしています。やはり、お客様に喜んでいただき、社員にも喜んでもらえるよう、事業の拡大よりもエクセレント(超優良)を目指しています。

組織運営では、社員満足度をどこに置くかということが一番の基本だと思います。やはり顧客満足度は社員満足度と直結しており、社員が満足していないと顧客満足度は上がりません。社員満足度の向上は永遠のテーマだと思っています。

ピンチをチャンスにする人は、発想力、第六感が良いものです。私も仕事で落ち込んだ経験が何回もありますが、世間が悪いせいだと思っていると卑屈になり、感性は磨かれません。感性は、自分で考えて行動しているうちに磨かれていくものです。仕事から逃げてはいけません。

やはり、人間力のベースとなるのは、感謝の気持ちです。色々と感謝すると気持ちが明るくなり、発想も湧いてきます。周りの人も明るくし、色んな支援を呼び込める力になります。社員に対して、経営理念を共有し、仕事をやりながら自分の感性を磨き、人間力を高めてほしいと話しています。

また、人材育成では、上司と部下のコミュニケーションを良くすることを重視しています。部下が自分の夢や目標を書く「チャレンジシート」と、それを具体的な行動計画に落とし込む「ランクアップノート」という二つの目標管理ツールを使用し、上司と部下による「話し込み」(対話)の時間を定期的に設けています。また、年2回、上司に対する部下からの評価も出しています。

――海外展開も含め、今後の事業展開をどのようにお考えですか?
日本では2030年に訪日外国人3,000万人超を目指す目標が掲げられており、経済波及効果も大きいと思います。ただ、平均3泊されると約1億人泊の規模になり、ホテルも何もかも不足することが懸念されます。少しでもそれを手助けしていくことができればと考えています。

国内店舗のグローバル化として、ホテル業務について英語で説明できるよう、社員向けの簡単な英会話教室を実施しています。また、東南アジアの商圏を意識しながらグローバル化を進めたいと考えています。現在、ハノイ、バンコクの2か所に出店しており、2015年3月頃にミャンマーにも展開する予定です。現地社員を国内のホテルで受け入れて研修するなど、人材交流を図っています。

――地域貢献の観点から、自治体の要望でホテル進出されるケースもあるのでしょうか?
島根県江津市にフランチャイズ形式で進出する予定です。やはり地域の方が地域活性化にもの凄く熱心になっていただくと成功します。CSR(企業の社会的責任)による社会貢献ではなく、社会貢献しながら利潤を確保するCSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)を目指しています。

――Lohasシリーズ1号店を奈良県内で開業された理由をお伺いできますか?
実は、私も大和郡山市箕山町の出身です。昭和17年に大阪で生まれ、すぐに奈良県に移り、52年までずっと奈良に住んでいました。奈良県にあるスーパーホテルの部屋数は、新大宮駅前と大和郡山、Lohas・JR奈良駅の3店舗で合計422室あります。2015年春にJR奈良駅前店が再オープンする予定で90室増えますので、奈良県内で500室以上になります。部屋数では、東京都、大阪府に次いで3番目に多いのが奈良県なのです。

朝の奈良公園の散歩は素晴らしく、Lohasのイメージにぴったりと思いました。奈良の観光自体もLohasをコンセプトにすべきではないでしょうか。そういう時代が来ていると考えています。

既に奈良自体がエコです。例えば、奈良公園の芝生でも全部鹿が食べて、鹿の糞が肥料になり、糞の中に入っている種から新しい芝が育っていきます。
ただ、顧客目線でいうと、周りの風景に溶け込むようなゴミ箱等をもっと設置すべきです。

やはり奈良は観光地として、エコ、サステナビリティ(持続可能性)を売るべきだと思います。既に世界の多くの国でサステイナブル・ツーリズムの国際認証制度の導入が進められています。他の地域は中々取れないと思いますが、今の奈良県ならば取れると思います。

――奈良県の観光振興について助言をお願いします。
奈良で昼食だけして京都へ戻る、行くという観光客の方が多いですが、じっくりと奈良を観光し、奈良に泊まって翌朝に京都に行ってもらうという具合にしたいという思いがあります。

残念ながら夜は京都のほうが楽しいですが、温泉があれば奈良に泊まってもらえるのではないかと考えました。ちょうど大和郡山に父が所有していた田んぼがあり、そこを掘ったら温泉が湧(わ)くというような調査結果も出てきました。

立地がやや不便なためリスキーかとの懸念もありましたが、温泉を掘ってそこに店舗を開業しました。おかげさまで客室稼働率は約85%あります。現在、そこからLohas・JR奈良駅へ温泉のお湯を運んでいます。奈良は、まだまだホテルを作ってもやっていけると考えています。

――観光振興で参考になる地域はどこですか?
スケールは違いますが、飛騨高山の活動が参考になります。官民挙げて一生懸命に観光客誘致に取り組まれており、案内板などの5か国語表示もされています。奈良観光と言うと、東大寺や春日大社、平城京など奈良市内が中心になっていますが、足回りさえ良くなれば、明日香村や法隆寺などの個性がある地域との一体化も可能です。これらの地域をきっちりとファッション化して発信していくことが大切です。更に、ホテルなどの料理やおもてなしをプラスアルファできれば、観光客もリピーターになっていただけるのではないでしょうか。

――「奈良にうまいものなし」と言われており、県外の方へのPRも難しいと思いますが。
大和地鶏(肉鶏?)や大和野菜、吉野葛など色々ありますから、それらの素材をうまく料理して提案してもらうような大会を行ってはいかがでしょうか。

2か月に1度ぐらいの頻度で奈良を訪れ、その際に郡山城や柳沢神社も時々行きます。小さい頃から郡山城へはよく行きました。あそこへ行くと、気分が落ち着きます。


Lohasやサステイナブル・ツーリズムの考え方は、奈良にとって大いに参考になる。また「単位金額当たりの顧客満足度」はリッツ・カールトンよりスーパーホテルの方が高い、は全くその通りである。財布の紐が相変わらず固い今、スーパーホテルの「安くて高品質」は、有り難い存在である。

山本会長、これからも頑張ってください。島田さん、興味深い記事を有難うございました!
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志士の峠は、天誅組主将・中山忠光を主人公とした歴史長編小説!

2015年05月28日 | ブック・レビュー
 志士の峠
 植松 三十里
 中央公論新社

今年の4月、会社の先輩であるFさんから、こんなメールをいただいた。《天誅組保存伝承顕彰推進協議会の会報をみていると、天誅組を歴史小説にするという記事が目につきました。中山忠光を描いた歴史小説『志士の峠』という本が4月25日に発売されるとのことです。ご存じだったかもわかりませんが、ブログ記事の題材にでもしていただければと思いメールしました。私もこの本を是非購入しようと考えています》。

天誅組を描いた小説では、司馬遼太郎の短編『おお、大砲』『五条陣屋』を除けば、広く読まれているものはない。大岡昇平の『天誅組』など、未完に終わっている。ドキュメンタリーでは舟久保藍著『実録 天誅組の変』というスグレモノがあるのに…。この点がとても残念だったが、新たな小説が出たとなれば、これは楽しみである。

しかし奈良の書店に行くたびにチラチラと覗いていたのだが目に止まらず、そのうち忘れてしまっていた。先日(5/22)、天理市民大学で「文学で知る!奈良の魅力」というお話をした際、「そういえば『志士の峠』をまだ買っていなかった」と気づき、AMAZONに申し込み、このほど手元に届いた。それが植松三十里(うえまつ・みどり)著『志士の峠』(中央公論新社)1,800円 である。

私はこれから読むところなので、レビューは後日になるが、すでに「歴史時代作家クラブ公式ブログ」に詳しい書評が出ていた。長くなるが、以下に全文を紹介する。

 実録 天誅組の変
 舟久保 藍
 淡交社

文久3年(1863)の「天誅組の変」を史材とした歴史小説である。天誅組についての歴史小説の先行作品としては、菊池寛の『天誅組罷通る』、吉川英治の『貝殻一平』、司馬遼太郎の『おお、大砲』『五条陣屋』、安岡章太郎の『流離譚』、大岡昇平の『天誅組』などがある。大岡昇平の『天誅組』は天誅組の変の実質的首謀者というべき吉村寅太郎を主人公とし、寅太郎の思想や時代背景を事細かに掘り下げているが、未完の大作というべきであろう、大和の旗挙げを前にして、「しかしこれはまた別の物語である」で終わっている。

植松三十里の『志士の峠』は王政復古のクーデターを画策、討幕の密勅作成に関与した幕末の公卿・中山忠能の七男の、中山忠光を主人公とし、挙兵の経緯から、逃走、壊滅、そして忠光の非命の最期までのすべてを記述したもので、「実録 天誅組」あるいは「評伝 中山忠光」が副題として添えられて然るべき内容の本格的歴史小説である。

天誅組は土佐脱藩の浪士吉村寅太郎を中心に組織された尊王攘夷過激派の集団で、文久3年8月17日、幕府の天領であった大和五条(現・奈良県五条市)の代官所を襲撃し、代官鈴木源内の首を刎ね、鳩首し、代官所に火を放つ。彼らがいつの時点で天誅組を称したかは、詳らかでないという。大岡昇平の『天誅組』で、大岡は、彼ら自ら「天誅組」と称したわけではなく、世の人がそう呼んだので、それに従う、と述べている。

文久3年という年は、将軍家茂の上洛に始まり、新選組の結成、天誅組の変とエポックメーキング的事件があり、幕末史の中で何かが大きくはじけ飛んだ年であった。家茂の上洛は後世からみれば徳川幕府最後の国家的行事と言えるが、この年、京都を中心に攘夷運動が荒れ狂っており、厳戒の中での上洛となった。政局の中心は完全に江戸より京都に移ったのであった。

天誅組の挙兵は、そもそも、挙兵の4日前に発せられた孝明天皇の大和行幸の詔勅を踏まえ「攘夷親征の奉迎」と称してなされた。吉村ら攘夷派浪士は大和行幸の先鋒となるべく、攘夷派公卿の前侍従中山忠光を主将に迎えて京を出発し、突如として五条代官所を襲撃占領し、討幕の先駆けとしたのだった。

大和行幸を契機として、討幕の軍を起こそうとする密かなる計画はいつの頃より練られたものであるか、これまた不明とのことである。この物語では、行幸の先鋒隊を命じられたとする中山忠光が挙兵の総大将として大和へ飛び出すべく、妻の富子に別れを告げるシーンからスタートしている。

中山忠光は明治天皇の叔父にあたる。忠光の姉の慶子が祐宮睦仁親王(のちの明治天皇)の生母なのである。妻の富子は平戸松浦家の出で、278巻の大著『甲子夜話』をなした松浦静山は忠光の外祖父にあたる。こうした姻戚関係の綾なす因果も物語の中に絶妙に取り入れられており、幕末史を読み解く上で興味を掻き立てられる。

物語では、7歳年下の甥の祐宮が天皇の座に着く頃までには日本を揺るぎない国にしておきたいと意気込む若き忠光が描かれている。天誅組の挙兵は忠光にしてみれば「祐宮さまのための挙兵」であったのだ。天誅組の組織は忠光を主将とし、松本奎堂、吉村寅太郎、藤本鉄石の3人を総裁としたが、これら幹部の人物描写も読みどころである。

吉村寅太郎は土佐の庄屋の出で、土佐勤王党に参加した経歴を持つ。「世間知らずの公卿の若者を、一人前の勤王家に育ててくれた吉村は忠光の恩人であり、師であり、親友であった。忠光にとって誰よりも大切な同志で、吉村なくして天誅組はなかった」、「百姓が笑って暮らせる新しい世の中を夢見る。弱い者への視線は共通していた」と作家に語らせるだけの人物であったのだろう。

挙兵直後の8月18日、京都で「八月十八日の政変」が起こる。この長州藩を京都から駆逐する企てにより、大和行幸の延期が決定され、三条実美ら7人の公卿が長州に追放された。たちまち挙兵の大義名分を失った天誅組は皇軍御先鋒隊ではなく、朝敵として追討される危険に直面する。皇軍御先鋒隊を名乗ることができなくなったこの時点で、藤本鉄石の発案で「天誅組」を名乗ることになったと、本書の作家は物語っている。「義挙」とも「暴挙、無謀の挙」とも解釈される天誅組の変の真実とは何かに思いをはせて、ストーリーを追う際、「天誅組」の名称がいつ生じたのかを押さえることは重要なことである。代官鈴木源内を殺さず、代官所を焼打ちしなかったなら、政変を知った段階で、忠光自ら解散を宣言し、矛先を収めて京都へ引き返す道もあったろう。天誅組はすでに引き返すことのできない一線を越えてしまっていたのだ。

これより、天誅組の壊滅に向けての悲惨な戦いが始まる。天誅組の主たる戦力は十津川郷士であった。深き山々に囲まれた山間の別天地・十津川郷は南北朝の昔より勤王の気風に溢れていた。「京都の事情が変わった今、十津川郷士の協力がなければ、もはや先はない」とする忠光と、「天誅組を匿えば、今、朝敵になり、突き放せば、後々、朝敵になる」と呻吟する十津川郷士の命がけの綱引き。天誅組が隣接の紀州、彦根、津、郡山の諸藩の兵に圧迫されながら、1か月以上も支えることができたのは十津川の険により十津川の人々に支えられたからに他ならない。

若き大将の苦悩、若い志士たちの人間模様と天誅組内部の対立抗争。約40日にわたって西熊野街道を南北に往来すること5度。西吉野、十津川と転戦し、東吉野の鷲家口(現・奈良県東吉野村)で幕府軍に捕捉され壊滅している。司馬遼太郎は『街道をゆく』で「十津川街道」を歩き、「中山忠光という愚人」を擁した「天誅組の命運」に思いを馳せ、「浪士たちには気分のいい、楽天家が多かった。それだけにいっそう凄惨な思いがする」と記しているが、本書の作家植松三十里は西熊野街道から東熊野街道へと天誅組の足跡を実地に辿り、ひとたび挙兵した後の種々相を努めて冷静に書き分け、司馬とは異なる像を結んでいる。

天誅組の壊滅後、忠光は辛くも敵の重囲をかいくぐり大阪へ脱出。さらに長州に逃れたが、潜居中の下関で、禁門の変の後に長州藩の実権を握った恭順派(俗論党)の手にかかり、第一次長州征討下の元治元年(1864)11月8日に暗殺された。長州藩の支藩・長府毛利家(4万7千石)の公式記録では、酒と女に溺れた末の衰弱死とされたが、長府藩の放った刺客による暗殺であることは間違いない。

はたして、忠光は「酒と女に溺れた」「愚人」にすぎなかったのか。作家は忠光が生涯に二度、女をあてがわれた事例を小説の中に取り入れている。最初は村娘が伽に出たとき、次は側女を勧められたときで、いずれも京に残した妻・富子を裏切るような真似はできないと即座に断る忠光を描いている。

さらに肝心なことは、「将軍家茂を江戸から京都に呼びつける計画を立てたのは忠光」であるとしていることである。また忠光の思想の核心を「真の尊王攘夷とは外国人をむやみに恐れる感情論ではなく、ただ帝を崇拝するのとも違い、おのれ自身が実際に動くことである。かくして、あえて独断専行を決意した」としている。

武力的にも経済的にも、何ら特別の背景を持たない忠光の行動は確かに空想的なものであったといえようが、忠光が目指した倒幕は5年後に実現し、明治維新を迎える。天誅組の蜂起は、尊攘派の初めての武力蜂起という点で「維新の魁」と呼ばれるにふさわしいが、最終章で作家は、天誅組が戦時中は戦意高揚の道具となり、戦後はその反動で否定された事実に触れ、今もって天誅組は世の中の都合に翻弄され続けていると結論付けるとともに、忠光の忘れ形見・中山仲子に言及している。仲子の孫、嵯峨浩こそ清朝のラストエンペラーの皇弟・愛新覚羅溥傑に嫁いだあの浩さんであるが、「そこから先には、また別の物語がある」と結んでいる。(平成27年5月25日 雨宮由希夫 記)


いかがだろう。中山忠光を主人公とした四六判・344ページの長編、私はこれから読んでみることにしたい。皆さんも、ぜひどうぞ!
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奈良をもっと楽しむ講座、若草公民館(奈良きたまち)で開催!

2015年05月27日 | お知らせ
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」のメンバー(講演・講座グループ)は、毎月第2金曜日の午前10時から、奈良きたまちの「若草公民館」(奈良市川上町)で「奈良をもっと楽しむ講座」を開催している。参加費(会場代・資料代)は、わずか200円である。

過去の演題を見てみると「奈良公園と周辺地の草花」「平安期の文学と奈良」「奈良県内の主な河川」「古寺建築の見方」「 公慶上人と大仏復興」「平城山の史跡」など、奈良にまつわる様々な分野の興味深い話がずらりと並んでいる。
※トップ写真は奈良まほろば館(東京・日本橋三越前)で1/25に撮影

この講座の6月開催分(6/12)で、私に講師役が回ってきた。新作の講話を作る余裕がないので、東京(1/25)と天理(5/22)でお話ししたことのある「文学で知る!奈良の魅力~『古事記』から『鹿男あをによし』まで~」をやることにした。東京(奈良まほろば館)も天理(市民大学)も90分だったが、今回は約120分あるので1冊増やし、11冊の文学書を紹介することにした。講座のチラシ(PDF)によると、

 蛇鏡 (文春文庫)
 坂東 真砂子
 文藝春秋

奈良が好きなら誰でも参加できます。
講座と史跡巡りで、私達と一緒に奈良をもっと楽しみませんか。

開催日時 毎月第2金曜日 午前10 時~11 時55 分
講座予定(講師は全て まほろばソムリエの会 会員)
6月12日 文学で知る!奈良の魅力 (鉄田憲男)
7月10日 記紀・万葉集の中の鳥と植物 (小田久美子)

会場費・資料代 200 円
場 所 若草公民館2 階(奈良市川上町575)
奈良まほろばソムリエの会 講座グループリーダー
西 川 誠(☎ 090-8524-5000)


 まひるの月を追いかけて (文春文庫)
 恩田 陸
 文藝春秋

公民館の1室を借りたこぢんまりとした講座なので、配布資料をたくさん用意し、楽しくやってこようと思っている。今からでも申し込めるそうなので、ご興味のある方は、ぜひ、お申し込みいただきたい。

何より、こんな講座が若草公民館で毎月第2金曜日に開かれていて、しかもわずか200円で参加できるのだから、ご都合のつく月にはぜひ公民館をお訪ねいただきたい。講話の内容は、奈良まほろばソムリエの会HP(トップページの「お知らせ・一般向け」)に順次掲載される。幹事の前田さん、当日はよろしくお願いいたします!
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