tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

采女祭りと観光セミナーのお知らせ(2011Topic)

2011年08月31日 | お知らせ
今年(2011年)の中秋の名月は9/12(月)。この日には、ご存じ「采女祭り(うねめまつり)」が開催されます。現在、このお祭りではお稚児さんを募集中です。また今年は同日、奈良商工会議所で「観光戦略セミナー」(県および南都銀行の共催)という無料のセミナーもありますので、以下に紹介します。
※トップ画像は、奈良市観光協会のHPより拝借

1.采女祭り
毎年、中秋の名月の日に、奈良市・猿沢池畔の采女神社で営まれます。『奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック』には《天皇に寵愛されながら翻心により嘆いて猿沢池に身を投げたとされる采女を祀る采女神社の祭礼。秋の七草を飾った花扇や十二単衣の花扇使いなどの行列が市内を練り歩く。夜にはこれらを乗せた龍頭船が猿沢池を廻る》とあります。毎年、福島県郡山市の「ミスうねめ」や「ミス奈良」が参加して、賑やかに執り行われます。タイムスケジュールは、
午後5時から 花扇奉納行列(JR奈良駅~猿沢池) 花扇を乗せた車、稚児、御所車などの隊列が練り歩きます 
午後6時から 花扇奉納神事(采女神社)春日大社の神官による神事のあと、花扇が奉納されます
午後7時から 管弦船の儀(猿沢池) 2隻の管弦船(龍頭・鷁首)が猿沢池をめぐり、花扇が池に投じられ、祭りは終了します

※現在、お稚児さんを募集しています。行列は9/12(月)午後4時半~6時。対象者は3歳~小学3年生くらいまでの子供さんで、保護者が同伴できること。参加費用は5,000円です。9月4日までに、奈良市観光センター(奈良市上三条町23-4 奈良市中部公民館1階)またはJR奈良駅総合案内所へお申し込みください。お問い合わせは、0742-22-3900。



2.観光戦略セミナー
・日時 : 平成23 年9 月12 日(月) 13:30~16:30(受付開始13:00)
・会 場 : 奈良商工会議所 5 階大ホール
・第1 部 : 外国人観光客に選ばれる観光地をめざして
 ~外国人観光客受け入れのための地域での連携~
 講師:鬼怒川グランドホテル夢の季 代表取締役社長
 鬼怒川・川治温泉観光協会 インバウンド誘致委員長 波木恵美氏
・第2 部 : YOKOSO!ならへ 外国人観光客「もてなしの輪」研修会
 ~外国人観光客への接遇について~
 講師:奈良県外国人観光客「もてなしの輪」アドバイザー

・定 員 : 80 名 (先着順、定員になり次第締め切ります)
・共 催 : 奈良県、南都銀行
・後 援 : (財)南都経済センター
・参 加 料 : 無 料

※申込方法:申込用紙に氏名、住所、電話番号、FAX番号(お持ちの場合)、メールアドレス(お持ちの場合)を書いて、0742-27-8815(南都銀行バリュー開発部)に申し込んでください。申込用紙は、こちらです。
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ラ テラス イリゼ

2011年08月30日 | グルメガイド
先月(7/15)、近鉄菖蒲池駅前に4月にオープンしたばかりのフレンチレストラン「ラ テラス イリゼ」(奈良市あやめ池北1丁目34-7)にお邪魔した。お店のサイトには《経験豊かなシェフが織り成す独創的な本格フレンチを菖蒲池のほとりで、季節を感じながらご堪能ください》とある。





お店は商業施設「HANA」の1階にある。この施設には、結婚式場の「イリスウォーターテラスあやめ池」と「パティスリー ラ テラスあやめ池店」が同居する。池に面し、夕暮れ時などは雰囲気抜群のお店である。先月、あるグループの会合がここで開かれたので、参加してきた。





入口に当日のメニューが張り出されていた。前菜は「新鮮な野菜のテリーヌ(パテ)仕立て オリーヴの香りとなめらかな卵のムース」、本日のスープ、魚料理は「イトヨリのロースト 麦と根菜のリゾット スパイシーなラタトゥイユのジュ(野菜煮込みのソース)」、肉料理は「和牛ほほ肉のブレゼ(蒸し煮) クルミ風味の人参とオレンジの香るソースで」、そして「本日のデザート、コーヒー」である。





シェフの福井淳介さんの紹介文が、同店のサイト載っていた。《ザ・リッツカールトン大阪メインダイニング、ラ・ベにて2年間務める。その後、アメリカのリッツ・カールトン(アトランタ・バックヘッド)にてブルノ・メナール氏に約2年間師事し、シェフ・ド・パルティエ(部門シェフ)に就任》。







《帰国後は、ヒルトップテラス奈良のオープニングメンバーとしてラ・テラスのスー・シェフ(副料理長)に就任。7年間、総料理長の秋吉(博国)と共に日々研鑽を重ね、満を持してラ・テラス“イリゼ”のシェフに就任。料理へのストイックな思いを表現し、皆様におとどけします》。




新鮮な野菜のテリーヌ(パテ)仕立て オリーヴの香りとなめらかな卵のムース

料理研究家のおぜんさんはすでに5月、ランチタイムにお訪ねになり、ご自身のブログで紹介されていた。《あやめ池遊園地の跡地で、近鉄菖蒲池の駅前。便利なところです》《こちらの、イリゼは、とにかく便利。駅前だし、渋滞もそんなに心配しなくてもいいんじゃないかしら》。


野菜のうま味が凝縮したコンソメスープ


イトヨリのロースト 麦と根菜のリゾット スパイシーなラタトゥイユのジュ(野菜
煮込みのソース)。イトヨリの下にリゾットが隠れていた。トップ写真とも

《お店は池に面していて、店内はそれほど広くはないですが、窓が広く、外の眺めがきれいです。緑も多い。バルコニーもあり、食後のお茶を外でいただいてる方もおいででした。季節が良くなってくると、お外もいいですね》。


和牛ほほ肉のブレゼ(蒸し煮) クルミ風味の人参とオレンジの香るソースで



《パンはパンドキュイソンさんです。1つずつ、違う種類をサーブしてくださいます。イリゼ特注品。少しやわらか系ですが、お料理にもよく合います。フルコースでしたが、一皿一皿が軽めなので、全て美味しくいただけました。盛り付けも美しく、お料理も優しいです》。


パンドキュイソン製のパン(イリゼの特注品)


本日のデザート

おぜんさんと一緒にこの店に行かれた奈良の食のナビゲーター・大掛さんも、ご自身のブログで紹介されている。《何といっても盛り付けが美しい。プレゼンテーションが楽しいですね。目の前に池が広がっていて、シチュエーションも素晴らしい。デートにもってこい。問題は相手か……。ちなみに、パティスリーも併設しているので、お土産を買って帰ることもできます》。


コーヒーに小菓子がつく

ご覧のとおり雰囲気抜群で、お店が目の前に迫ってくるとドキドキする。私が訪ねたのは夕暮れどきだったので、夕日が店内に射して、とてもロマンチックだ。「問題は相手か……」という大掛さんの感想には、納得する。料理は美味しいだけではなく、本当にきれいに仕上がっている。量的には多くないのだが、何しろこのビジュアルなので、見ているうちにお腹も膨らんでくる。接客も素晴らしいので、大切なお客さまをお迎えするにも安心だ。

近鉄菖蒲池駅のまん前に、こんなおしゃれな店ができたとは、とても有り難いことである。大切な方と、大切な日に、ぜひお訪ねいただきたい。
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観光地奈良の勝ち残り戦略(51)地域経済の自律的な活性化に必要なこと

2011年08月29日 | 観光地奈良の勝ち残り戦略
地域の力が日本を変える
井上健二
学芸出版社

「観光地奈良の勝ち残り戦略」は、ついにシリーズ50回目を突破し、今回で51回目となった。「長い」「堅い」と皮肉られながら、よくここまで続けられたものだと思う。思い返せば、初回(07.3.6)は観光カリスマで観光コンサルタントの山田桂一郎氏の講演「観光地奈良の生き残り戦略」の要約だった。その後、こんな堅苦しい文章を4年半にわたり書き続けてきたことになるが、これもひとえに、興味深いコメントを寄せてくださった読者の皆様のおかげである。ここに改めて御礼申し上げる。

さて第51回目のタイトルは、「地域経済の自律的な活性化に必要なこと」とした。私は村上龍のメールマガジン「JMM」(Japan Mail Media)を購読している。毎回、編集長の村上龍が、専門家・有識者にタイムリーな質問を投げかけ、何人かがそれに答える、という仕組みになっている。その8/15号の質問(Q1224)が「被災地を含め、地方経済が、『自律的に』活性化するために、もっとも必要なことは何なのでしょうか」だった。ここに様々な回答が寄せられた。

水牛健太郎氏(日本語学校教師、評論家)は《何かしようとすると規制の壁が立ちはだかる、というのはよく聞く話です。国民の意識そのものはここ二十年ほどの間に大きく変化しており、特に若者の間に地元志向が強くなっています。地域フランチャイズを中心理念としたJリーグの定着と、パ・リーグを中心としたプロ野球リーグの経営手法の変化などにもそれが如実に反映しています。ご当地B級グルメやゆるキャラの流行など、地元志向の強まりを示す現象は私たちの身の回りにたくさんあります。国民の志向としては確実に地元重視に向かっているのに、それと制度との間にギャップがあり、地方経済の活性化を阻んでいるのは確かです。権限・税収の地方への移譲と、規制緩和を進めるべきです》と回答した。

菊地正俊氏(メリルリンチ日本証券 ストラテジスト)は《最近、関東以西に外国人客(特にビジネス客)が戻りつつありますが、東北地方に外国人観光客が戻ったという話は聞きません。岩手県の平泉が世界遺産に登録されたことは明るいニュースでした。観光は東北に限らず、地方活性化の起爆剤になる予定でした。中国や韓国からの観光客が多い九州では、政府援助で、公共施設に中国語や韓国語の表記を増やすことや、両国語ができる無料ガイドを増やすなどの案が検討されています》。

《自然に恵まれた北海道、歴史遺産が豊富な京都ならば、特段の政府援助がなくても、観光客が増えるでしょう。しかし、東北地方で外国人観光客を増やすためには、特別な措置が必要でしょう。長年議論されながら全く進展しないカジノ解禁は、有効策といえるでしょう。観光客を隣国に取られていたシンガポールは、カジノ解禁を伴うリゾートホテルの開発で復活しつつあります。日本では沖縄や東京お台場でのカジノ解禁が議論されたことがありますが、真っ先に東北でカジノを解禁すべきでしょう》。

私にとって最も興味深かったのが、北野一氏(JPモルガン証券日本株ストラテジスト)が紹介した井上健二著『地域の力が日本を変える』(学芸出版社)の話だった。《地方経済の自律的な活性化を「地域内循環型経済」と呼んでいるのは、東京財団の井上健二さんです》《彼は、「地域内循環型経済」を次のように定義しています。「地域資源の積極的な活用が図られるなど地域に根ざし、地域内調達率が高く、投資が地域内で繰り返し行われることにより雇用・所得が持続して生み出される、地域内でモノや資金等が循環する地域経済」。そのためにもっとも大切なのは、「地域を支える住民が生計を立て、住み続けるために不可欠な地域内での雇用を維持・創出すること」だと指摘されております》。

《実際、地域での雇用の維持・創出が上手くできていないので、現在の日本では東京圏への「一極滞留」という現象が認められます。井上さんによると、直近の東京圏への人口の転入超過数は、バブル経済期ピーク時の987年にほぼ相当する規模になっているそうです。しかし、その内実は、当時とは全く異なります。こうした人口の転入超過をもたらしているのは、東京圏への転入者の増加ではなく、東京圏から地方への転出が多くみられた20歳代後半から30歳代前半の年齢層の転出者の減少が主因になっているからです》。

要するに、「進学や就職で東京圏に出てきた若者が、30歳を過ぎても地方に戻らない傾向が強まっている」のです。戻りたくても働く場所がないため、地方に戻れないのです。その結果、地方では人口減少が止まらず、人口減少→地域内消費の減少等による地域経済の縮小→企業・商店等の倒産・撤退→人口流出の加速・人口減少→地方経済の縮小という「自律的」な衰退に歯止めが掛らなくなっております》。

《では、どうすれば良いのか。一つの考え方として、「定住人口」の減少を「交流人口」の増加によって補うことによって活性化を図るというものがあります。簡単に言うと、「観光立国」とか「観光立県」という話です。今や、地方経済のみならず、日本そのものが、こうした方向性を模索しているようにも見えます。ただ、その割には、「観光によって地域を再生するとはどういうことで、どうすればよいのか」という議論は不十分だとJTB常務取締役の清水愼一さんは指摘しておられます》。

《清水さんと井上さんの対談は、『地域の力が日本を変える』に収められております。清水さんの次の指摘は辛辣ですが的を射ているように思います。「どの地域も観光立国の合言葉にのせられていろいろと観光振興に取り組んでいますが、現状は住民を巻き込んだ腰を据えた「まちづくり」論議を経ずに行政主導で一過性のキャンペーンに取り組んだり、コンサルタントの口車に乗せられて「まちづくりごっこ」をして、中身がよく分からない入込人員が増えたとか減ったとかで一喜一憂していると危惧しています。多くの地域では、予算を膨大に使いながら結果的に、成果のあがらない、形ばかりの観光振興になっているのではないかと心配しています」》。

《井上さんの本にも次のような叱咤激励が何度も出てきます。「地域再生を進めるにあたって、まず、最初にすべきことは、地域住民自身が、地域の魅力を見つめ直し、地域に誇りを取り戻すことである」。「地域再生とは、地域に住んでいる人が、「住み続けたい」と思える地域をつくることである。自分の生まれ育った地域にどのような価値があるのかが分からなくなり、自信を失っている地域があまりに多い。そこに暮らす住民が、地域を愛し、地域に誇りをもち、そこでの暮らしを楽しんでいなければ、他の地域の人が、その地域を魅力的に思うはずがない」》。

《「地域住民が地域への愛着と誇りを持っている地域は元気である」。「誇りの空洞化」に対抗していくことこそが本当の意味での「地域再生」ではないかと私は考えている」。こうした井上さんの主張を踏まえて、今回の質問に改めて答えるなら、地域経済が自律的に活性化するためにもっとも必要なことは、「地域への愛と誇り」ということになるのでしょうか》。

このような井上氏の主張は、同書の随所に見出すことができる。ネットで瞥見しただけでも、《大都市とは異なるが、田舎には田舎の良さがあり、その長所を存分に暮らしに取り入れ、都会の人が憧れる豊かなライフスタイルをその地域でどう展開していくかが問われている。そこに暮らす住民が「暮らしていて良かった。幸せだ」と思える、人が最も自分らしく生きることのできる舞台としての地域を、行政に頼ることなく、どうつくっていくかが問われているとも言える(P44)》(佐藤孝弘氏のブログ)。

《研究を進める上で大切にしたことは、現場の視点です。可能な限り地域に赴き、地域再生の実態をしっかりと見て、肌で感じるとともに、そこに暮らす方々のお話に耳を傾けることを重視してきました。地域に愛着と誇りを持ち、「地域を何とか元気にしたい」と熱く夢を語り、生き生きと活動する多くの地域再生実践者にも出会うことができました。語り合いの中で実感し、学んだことは、地域には大都市以上に素晴らしい資源が溢れ、豊かな暮らしを実現する可能性があることや、優れた人材がたくさんいること、そして、地域再生は地域に暮らす住民自身が進めるものであるということでした。豊かな地域の文化が咲き誇る、世界から憧れられる美しい日本をつくりたい。そのためには、地域が元気でなければならない。地域の再生なくして日本の活性化はありません(あとがき)》(版元のHP)。

一人ひとりが輝く地域再生
岡田知弘
新日本出版社

JMMに戻ると、津田栄氏(経済評論家)も、こう回答している。《制度や構造が変われば、すべてうまくいくのかといえば、違うといえましょう。やはり、地方の住民が、自らの地方を立て直すのだという意志と覚悟が必要です。そのためには、自分たちの地方に誇りを持ち、愛着を持つことが求められます。その点で、北野一さんが指摘しているように地方経済が自律的に活性化するには「地域への愛と誇り」が必要だという考えは同感です》。

《実は、北野さんが紹介している「地域内循環型経済」については、私も京都大学大学院の岡田知弘教授から2年前に講演で具体例を交えて伺いました。そして、地方経済の活性化のためには「地域への愛と誇り」が必要であると、そこから私が得た結論でした。それを基に実践して、2年前から地元の地域活性化プロジェクトをコーディネートし、今自分たちの地域の宝を探す中で誇りをもう一度再認識し、自分たち地域への愛着を確かめようとしています》。

「地方経済が、『自律的に』活性化するために、もっとも必要なこと」、それは、やはり「地域への愛と誇り」なのだ。以前私は、奈良県人の「地元に関する知識不足→関心不足→誇り・愛情不足という悪循環」を指摘し、「そこに愛はあるのかい」というブログ記事を書いたことがある。また、じゃらんのアンケート結果(県民は地元愛着度も、地元旅行おすすめ度も低い)を受けて「県民は、奈良県が嫌い?」という記事も書いた。

さらに「観光地奈良の勝ち残り戦略(50)」では、長野県野沢温泉の旅館組合長・森行成氏が黒川温泉の若手に話したというこんな言葉も紹介した。「町づくりの原点は、自分の町を好きになることから始まる。まずは、故郷を良く知ることだ。阿蘇の温泉地(=黒川温泉)にも、きっと地域独特のいいものがあるはず。まずは、それを探し出してほしい。そして、自分の旅館を経営するだけでなく、半分のエネルギーを地域のために注ぐくらいの気持ちを持て」。

JTBの清水愼一氏からは、《行政主導で一過性のキャンペーンに取り組んだり、コンサルタントの口車に乗せられて「まちづくりごっこ」をして、中身がよく分からない入込人員が増えたとか減ったとかで一喜一憂している》という耳の痛い指摘もあった。「地域への愛と誇り」というと抽象的な言葉のように聞こえるが、少しでも地域おこしに携わった人には、おそらく実感してもらえることだろう。元気な地域は、地元への愛と誇りに満ちた住民の手で支えられている。これがすべてのベースになるのである。「地域への愛と誇り」を持って地域おこしに取り組み、「地域経済の自律的な活性化」をめざしたい。
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バサラ祭りは本日まで!(2011Topic)

2011年08月28日 | お知らせ
昨日(8/27)、バサラ祭りが始まった。先日のブログ記事で紹介したとおり、会期は今日(8/28)までである。読売新聞奈良版に、昨日の様子が詳しく掲載されていた。見出しは《復興祈り 熱く踊る バサラ祭り 奈良で開催》だ。《趣向を凝らした衣装やダンスで奈良の街を彩る「バサラ祭り2011」(実行委など主催)が27日、奈良市で始まった。県内外の31のダンスチーム約800人が、奈良公園や商店街など4会場で演技を披露。東大寺と薬師寺前では、「奉納バサラ」と題した演舞もあり、参加者たちは東日本大震災の復興への願いを込めた力強い踊りを繰り広げた》。
※トップ写真は、県職員らによる「県庁伐折羅(ばさら)」のパワフルな踊り(8/27撮影)

《東大寺の大仏殿中門前では、狹川普文・同寺執事長が、「皆さんが懸命に練習し成果を発揮するまでのすべてが一つの祈りです」とあいさつ。そろいの色鮮やかな衣装に身を包んだ10チームが大仏に祈りを捧げた後、バレエや沖縄の伝統芸能「エイサー」などをアレンジしたダンスを披露した。三条通りでは、参加者たちが約200メートルを踊りながら練り歩いた。時折、小雨が降る中、アップテンポの音楽やかけ声に合わせて息の合ったダンスを見せると、沿道に集まった観客から盛んに拍手が送られていた》。

《5回目の出場となった「@Joy.net(ジョイネット)」は、キツネの面と法被姿の16人がオリジナルダンスを披露。代表の会社員深町英嗣さん(28)(奈良市二名)は、「被災地にエールを送りたい一心で踊った。2か月間の練習の成果が生かせたと思う」と汗をぬぐった。「県庁伐折羅(ばさら)」のメンバーの県総務部職員、山本麻依奈さん(22)は、9月15日から1か月間、宮城県庁で被災地救援の事務作業を行う予定で、「周りの人を笑顔にしたいと精いっぱい踊った。被災地でも同じ気持ちで頑張りたい」と話していた。28日はJR奈良駅前や奈良公園などでパレードやステージ公演が行われる》。

バサラ祭りには、当日に飛び入り参加できる「飛び入り踊り隊」がある。読売の森安徹記者が、突撃体験レポートを書いていた。見出しは《何もかも忘れ「婆娑羅者」に》。《多くの市民が夢中になるバサラ祭り。その魅力を知りたくて、当日に飛び入り参加できる「飛入り踊り隊」に加わった。午後0時半、集合場所の県庁iセンター前で受け付けを済ませ、約20人と練習した。簡単そうに見えた振り付けだが、やってみると難しい。不安を残したまま約2時間の練習を終えた》。

《いざ本番。そろいのTシャツを着て、午後5時、三条通りへ。沿道の観客が近い。緊張と恥ずかしさで鳴子を打つ手がおぼつかない。「ヨイサッサ」。踊り隊の仲間のかけ声につられて叫んだ。熱気に汗が滴り落ちる。跳びはねるうちに、心まで軽くなった。振り付けを間違いながらも必死に踊った。音楽に合わせて体を揺らす観客も、踊り隊の仲間も、みんなの笑顔が温かかった。常識にとらわれず目立つ振る舞いをする者を「婆娑羅(ばさら)者」という。何もかも忘れて踊るうちに、そうなれた気がした。(森安徹)》。 

私も昨日、奈良公園(県庁前)を訪ねたが、そぼ降る雨にも負けず、元気なダンス・パフォーマンスが繰り広げられていた。タイムスケジュールはこちらに載っているので、ぜひお訪ねいただきたい。
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馬淵澄夫「県内初、首相誕生」に期待の声

2011年08月28日 | 日々是雑感
奈良県選出の馬淵澄夫(前国土交通大臣)が、民主党代表選挙に立候補を届け出た。毎日新聞奈良版(8/28付)の見出しは《民主代表選 「県内初、首相誕生」に期待》。《民主党代表選が27日告示され、衆院奈良1区選出の馬淵澄夫前国土交通相が立候補を届け出た。同党県連所属議員が代表選に出るのは初めて。県連内には「県内初の首相誕生」を期待する声もある》。
※トップ写真は馬淵氏のブログから拝借

読売新聞奈良版(8/28付)には《民主代表選告示 馬淵氏に期待の声 衆院1区「若い力で日本引っ張れ」》《有権者からも期待の声が聞かれた。同市法蓮町、無職庄林庄三郎さん(79)は「新しい発想と若い力で、日本を引っ張ってくれそう」と話した》。

肝心の馬淵氏の政権構想は、週刊ダイヤモンドの「ダイヤモンド・オンライン」に詳しく紹介されていた。見出しは《馬淵澄夫前国土交通大臣が語る「わが政権構想」 企業経営の経験を国家マネジメントに活かす 増税は経済再建の後、エネルギーは「脱原発依存」》である。全文はこちらに出ているが、ピックアップして紹介すると

Q1 どのような国づくりをしたいのか、その全体像について。

家族が慈(いつく)しみあいながら暮らせる国というのが第1。

そのために必要なことが適度な経済成長です。「衣食足りて礼節を知る」という言葉がありますが、政治の役割は礼節を人に押し付けるものではなくて、一人ひとりが礼節をもって暮らせる前提となる衣食が足るような環境を整えることだと考えています。

私が政治を志したきっかけは、田中角栄元首相です。田中元首相の評価については毀誉褒貶ありますが、コンピュータ付きブルドーザーといわれたように、日本全国すみずみまで、あらゆる人に政治の光を当てようとして、常に人々の家庭のかまどに火がともっているかどうかを見ようとした。そしてそれを実現するための国土開発のグランド・デザインを描いていました。

今回の大震災も一つのきっかけではありますが、今この国土のグランド・デザインをやり直さなければならない時期に来た。20世紀型の高度成長を前提とした国土とは異なる新しいグランド・ドデザインを描きたいと考えています。

その一つが、分散型・地域循環型の国土づくりです。東京に来なければ生活できない、あるいは子どもが大学に入るために東京に出たが、故郷に戻ってこないというようなことではなく、それぞれの地域で経済活動が循環して行われ、それぞれの地域の特色に応じた豊かさが感じられるような国土づくりをやっていきたい。

Q2 財政再建と経済再建のどちらを優先するか。

今の段階では経済再建です。だからといって、財政再建を否定するわけではありません。社会保障と税の一体改革の成案に書かれた2010年代半ばまでに、消費税の増税を含めて道筋をつけるということについては否定しません。ただ、それをやるためにも、2010年代前半に徹底して経済再建を行う。これなくして、財政再建の議論はできないと思っています。

Q4 エネルギー政策に対する基本的な考えは? そのなかで原発をどう位置づけるか。

エネルギー政策の基本は、地域分散型電源をつくり上げることです。当然、再生可能エネルギーも増やしていきますが、何よりもコジェネ(コジェネレーション)とか、マイクロタービンといったものも含めて、エネルギーの「地産地消」となる分散型電源を広げていくことで、田舎に大発電所を建設して、長距離の送電線で電気を都会に運び、地方が常に犠牲になるというようなエネルギー政策は転換します。

一方、原発については「脱原発依存」です。これは「脱原発」ではありません。原発だけには頼らないという考えです。ただし、ただちに原発をゼロにするかというと、そこはもう少し慎重に考えなくならない。なぜなら、原発には、バックエンド問題(使用済み核燃料や放射性廃棄物などの処理問題)があるからです。これまで「トイレのないマンション」と、長い間いわれていますが、これから日本がやらなくてはいけないことは、原発から出る廃棄物を処理したり、長期管理する技術開発であり、その分野で世界のトップランナーになることです。

いきなり原発をなくすと宣言してしまったら、その技術を育てることはできません。ですから、原発に対しては厳しい安全規制を課すことを前提として、それによって、古くなった原発やリスクの高い原発は、場合によっては、廃炉にしたり、止めることはあり得ると思っていますが、規制をクリアした原発については動かしながら、バンクエンドについては技術開発を行っていく。かつ、原発はいくつかある電源の一つの選択肢であって、選択肢の一つとしての原子力発電を否定はしないという立場です。

Q8 その他政権構想で、強調したいことは?

この2年間で、民主党政権に一番足りなかったことは、政権運営の確たる「型」というものがなかったこと、政治主導というものを掲げたものの、それを実現する具体的な政権運営の方法が確立しなかったことだと思っています。

これは一言でいえばマネジメントです。ですから国家経営というものが必要で、政府を一つの会社として捉えた場合に、まともな経営ができたのか、政府の運営ができていたのかと問われれば、残念ながら未熟な部分があった。
私は30代に当時最年少で、上場企業の非同族の役員を務めました。それから、いろいろな会社に経営者として入って、企業再建を手掛けてきました。そうした経験を是非とも、「国家メネジメント」に活かしたいと思っています。

地方にいると、やはり「それぞれの地域で経済活動が循環して行われ、それぞれの地域の特色に応じた豊かさが感じられるような国土づくりをやっていきたい」というところに惹かれるし、民主党政権が「政府を一つの会社として捉えた場合に、まともな経営ができたのか、政府の運営ができていたのかと問われれば、残念ながら未熟な部分があった」という素直な反省にも納得がいく。

当ブログ記事「次の総理は馬淵澄夫かもしれない」に、あをによし南都さんは、司馬遼太郎は「奈良は首相も陸海軍大臣も出さない珍しい土地柄だ」と言ったというコメントをくださったが、県出身者が首相「候補」に名前が挙がることすら、極めて珍しい。鶴舞団地から首相官邸へと、地元の期待は否が応でも高まる。

読売新聞(8/28付)の投票動向調査(民主党所属の国会議員398人対象)によると、やはり小沢一郎元代表の支持を受けた海江田万里氏がダントツ人気であるが、《態度を明確にしていない議員は全体の約3割に及び、最終的な投票結果は流動的だ》としている。

同紙(8/26付)の「挑む ポスト菅」欄には「グループ属さぬ硬骨漢」のタイトルで《企業献金は受け取らず、政治資金パーティーも開かない。「古い永田町の常識への挑戦」を標榜する》《政策をまとめた紙を持って議員会館を回ったり、週末には議員の地元を突然訪ねたりと、自らの力だけで支持拡大を図っている。そんな自分の姿を「『一匹オオカミ』というほど格好良くない」と笑い、趣味のボディービルで鍛えた体のイメージからか「一匹ゴリラ」と称する》と紹介されていた。

馬淵氏は、国土交通大臣を退任するとき、「皆さんと、またお会いできる日を楽しみにしています。“I'll be back!!”」という、映画「ターミネーター」の名セリフを口にした。ターミネーターとは「息の根を止める者」という意味で、「間違った歴史を終わらせる者」というニュアンスがある。「古い永田町」の歴史を終わらせる新しいタイプの政治家として、馬淵氏に期待したい。
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