tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

壷阪寺 アジア・アフリカ国際奉仕財団の活動

2012年09月30日 | 奈良にこだわる
壷阪寺(住職:常盤勝範氏)は、浄瑠璃「壺坂霊験記」で知られる、眼病平癒にご利益のあるお寺である。『奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック』(山と渓谷社刊)なよると《高市郡高取町壷阪 正式には南法華寺、俗には壷阪観音という。大宝三年(七〇三)に佐伯姫足子入道尼(善心)が高市郡に建てた、あるいは大宝三年に元興寺の僧、弁基大徳が建立したともいう。境内から出土する白鳳期の瓦は両説の年代と一致する。平安時代には長谷寺とともに定額寺に列せられ、『枕草子』『今昔物語集』などの王朝文学にも名のあがる著名な寺になった》。
※トップ画像は、財団法人アジア・アフリカ国際奉仕財団のホームページより拝借

《嘉保三年(一〇九六)に本堂、礼堂、五大堂、弥勒堂、宝蔵、船形房、客房、小板敷などが焼失したが、これらはその後再建。南北朝時代以降は高取城を拠点とする越智氏の寺になったものの、その滅亡とともに寺も衰微した。慶長年間(一五九六~一六一五)に高取城主の本多氏によって修復がなされ、寛永年間(一六二四~四四)以後は高取城主植村氏の庇護により栄えた。明応六年(一四九七)に建立された三重塔と室町時代中期の礼堂、絹本著色一字金輪曼荼羅図や鳳凰文塼が重要文化財。盲目の沢市と、その眼を治そうと壷阪寺の千手観音に通い詰めた献身的な妻お里の人情話を描いた世話物浄瑠璃「壺坂霊験記」でも知られ、眼病平癒の祈願に訪れる参詣者も多い。西国三十三ヶ所の第六番札所》。

お寺には常盤住職のお父さま(先代住職)が創設された「財団法人アジア・アフリカ国際奉仕財団」(AIV)がある。同財団のHPによると

アジア・アフリカ国際奉仕財団(AIV)は西国観音霊場第六番壷阪寺が行っていた国際協力活動を継続・発展させる為、1989年に設立された国際協力団体(NGO)です。インド5地域ウガンダ1地域で、社会の中で周縁におかれた人たちが、機会を得て、自立の道を歩めるよう教育支援、自立支援、現地NGO助成を実施。2011年度からは、東日本大震災で被災した子どもたちへの教育支援を始めるとともに、日本での国際理解・国際交流活動を行っています。2009年に開始したフェアトレードを中心に、企業・学生団体との連携した事業も行っています。お気軽にご相談ください。

「フェアトレード」とは何か。AIV事務局員の鶴田美翔(つるた・みと)さんから送っていただいた「2011年度活動報告書」によると《途上国の人々と安定かつ持続可能な製品の取引をすることで、生産者の生活と環境を守る取り組みです。AIVでは、2009年度からインドでのフェアトレードを始め、日本人スタッフが製品開発を行い、技術指導や検品をカウンターパート(学校やNGO)が担当。また日本では、フェアトレード製品を通して、インドの人々の暮らしや、生産者の声を届ける活動を行っています。AIVのフェアトレードはインドと日本の人々を結び、お互いのことを深く知り、ともに活動をする参加型事業となっています》とある。HPからの引用を続ける。


私たちのミッション(使命)~思いやりの心を広く、深く~

アジア・アフリカそして日本の人々に“気づき”を促し、潜在能力を引き出すきっかけをつくり、ともに考え、行動する世界をつくります。
 
活動の始まり―壷阪寺常盤勝憲和尚とハンセン病患者支援

壷阪寺先代住職 故常盤勝憲和尚が、ハンセン病患者支援を始めたのは、差別や偏見が残る1960年頃の日本においてでした。ある日、勝憲和尚が自身の講演中に資料を口に持っていく方がおられることに気がつきます。その方はハンセン病により視覚障害をお持ちの上、手指の感覚がなくなり、点字で書かれた資料を舌で読んでおられたとのことでした。勝憲和尚は胸を痛め、僧侶として何かできることはないのか、との想いを抱き、ハンセン病患者の里帰り支援(故郷には戻れないため、第二の故郷として壷阪寺への訪問)などの支援を始めました。

1965年には、勝憲和尚がインドを訪問した折、アグラにてハンセン病患者の救済事業を行う日本とインドの医師、ボランティアと出会いました。当時、インドでは隔離政策はなかったものの、ハンセン病の正しい理解や医療技術が発展しておらず、多くの患者が病気と社会からの偏見に苦しんでいました。このような中、日印両政府が協働で運営するハンセン病治療・研究施設「ジャルマ」での医師たちの献身的な奉仕活動に感銘を受け、資金、物資の支援、日本からのボランティアの派遣などで支援を開始しました。   

活動の発展―インドでの支援活動の広がり

勝憲和尚がジャルマへの支援活動を続けていた1977年頃、その敷地内のガレージでインド人医師の妻たちによって無料の青空教室が開かれていました。「貧しい子どもたちほど、しっかりと教育を受けなければいけない。子どもが教育を受ければ、教育を受けられなかった親を助け、貧困と闘うことができる」という想いのもと、ハンセン病患者の子どもや近隣の貧しい子どもたちを対象にしていいました。

この青空教室は、日に日に子どもたちが増えていき、ガレージでは収まりきらなくなりました。「しっかりとした教室で、よりたくさんの子どもたちに教育の機会を与えたい」という先生たちの熱意に勝憲和尚は賛同し、すぐ近くの敷地内に「ロパ・ムドラ学校」校舎の建設を支援、その後も運営の助成を続けました。また、インド政府の全面支援によって同じ年に南インドのカルカラにて大観音石像石彫事業を開始し、地域の雇用も生み出しました。完成後の1983年には壷阪寺にて開眼法要も行い、日本国内でのインドでの支援活動が紹介されました。

1985年には、熊本県のハンセン病施設で生活されていた方が壷阪寺の活動を知り、「インドの救ハンセン病事業のために使ってほしい」と遺産を寄託されました。その善意を生かしていけるよう、インド中部ワルダに「壷阪寺救ハンセン奉仕財団(TDKSP)」を設立し、ハンセン病患者やその家族への奨学金事業や、ハンセン病差別に苦しむ女性の入所施設などの運営を開始しました。

アジア・アフリカ国際奉仕財団の設立

1988年、勝憲長老が遷化され、そのインドでの支援活動を継続し、より充実させるため(財)アジア・アフリカ国際奉仕財団が設立されました。団体設立後は、インドではロパ・ムドラ学校への支援を継続するとともに、奨学金事業、現地NGO支援事業、またアフリカ東部ウガンダでは1990年ンゴビャ学校での奨学金事業を開始しました。現在はインド5地域、ウガンダ1地域で活動を続けています。国内では、事務局を置く壷阪寺境内での活動紹介と募金活動、会報やホームページによる広報活動、壷阪寺行事また国際協力イベントへの参加などを行っています。




上記活動報告書の「2012年度の取り組み」によると《2012年度は、活動母体である壷阪寺境内での募金活動を行うほか、ホームページ・facebookを活用した広報・募金活動およびフェアトレード製品の委託販売、国際協力・交流イベントへの出店・開催に力を入れます。インターネット媒体を活用した広報・募金活動により、若年層へのアプローチを行い、支援者層の多様化を図りたいと考えています。さらに、フェアトレード製品の委託販売やイベントといった市民との接点を増やすことで、活動を行うスタッフや団体への理解を深めていただく機会を広げます》。

《また2011年度に引き続き、ボランティアを受け入れ、日本のイベントへの出展やフェアトレード製品の開発、またインドとの異文化交流等を行います。これらの活動を通じ、インド・日本の現状を知り、国際理解を深めながら、ともに活動を行う人材を育成します。2012年度も、アジア・アフリカそして日本の人々に“気づき”を促し、潜在能力を引き出すきっかけをつくり、ともに考え、行動する世界をつくる活動へのご参加を宜しくお願い申し上げます》。

今年は奈良県下では初となる「地球愛祭り2012 in 奈良」が開催される(11/11[日]於:木材振興センター「あるぼ~る」)。AIVはこのイベントにも出展されるそうである。また「AIVニュースレター」(2012年8月号)によると

インドでの地域開発協力(1977年~)7万人もの雇用が生まれた大観音石像事業
事業地:カルカラ 対象者:石彫従事者

「奉仕してやる」などとは、とんでもない。
「奉仕させていただく」というのでさえもなく、
「奉仕を通して、教えていただく」のである。
  先代住職 常盤 勝憲


AIVの活動母体である壷阪寺(奈良県)は、1977年よりインド・カルナタナ州カルカラにおいて全長20mもの大観音石像の制作を開始しました。この制作は、インドの文化勲章受賞者、マイソール大学名誉博士R.G.シェノイ氏が監修し、約7万人もの人々がカルカラに集まり、機械を使用せず、手作業で彫刻にあたりました。

多くの人々に雇用を産みだした石彫事業はその後も継続され、1996年には、Tsubosaka AIV India(ツボサカ・エーアイ・ヴイ・インディア)が設立され、現在に至るまで、石材・石彫工場を運営しています。このように雇用を産み出す事業を継続することで、石彫従事者は安定的な賃金を得ることができ、家族が養えるようになり、ついには石彫従事者の村が生まれました。今では、カルカラの地場産業として発展しています。

AIVは、石材・石彫工場を運営するツボサカ・エーアイ・ヴイ・インディアとともに、技術訓練が継続的に行われるよう支援を行っています。2012年度も引き続き、当該地域の人々の石彫による雇用産出を目的として、石彫事業従事者に対する技術指導への助成を行います。


「奉仕を通して、教えていただく」という先代住職の言葉には、頭が下がる。僧侶の奉仕事業というと、奈良時代の行基菩薩や鎌倉時代の忍性菩薩の名前がすぐに思い浮かぶが、現代にも立派な僧侶がいらっしゃったのだ。皆さまにはぜひ、壷阪寺のAIVの活動にご注目いただき、また可能な範囲内で同財団にご支援いただきたい。
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鴨都波神社の秋季大祭は、10月6日(土)と7日(日)に開催!(2012Topic)

2012年09月29日 | お知らせ
御所市にある古社・鴨都波神社(かもつばじんじゃ)では10月6日(宵宮)と7日(本祭)、「秋季大祭」が開催される。御所市観光HPによると、

鴨都波神社で行われる『秋季大祭』のお知らせです。
日 時 平成24年10月6日(土)、本祭 10月7日(日)
宵宮には奈良県指定無形民俗文化財の『ススキ提灯献灯行事』や、本祭には『神輿巡行』などが行われ大いに盛り上がります。
是非、お越し下さい。時間やルートなどはMAPをご覧ください(10月6日10月7日)。





写真はすべて、鴨都波神社のホームページから拝借

「ススキ提灯」のことは「ええ古都なら」(南都銀行の観光サイト)に詳しく紹介されている。

鴨都波神社 五穀豊穣を願うススキ提灯

JR・近鉄御所駅の南、車の往来の激しい国道24号沿い、ひときわ大きな鳥居が建っているのが鴨都波神社である。国道より1本東の道には正式な参道が開けており、葛城の道沿いの神社とは少し雰囲気が異なる、明るく広々とした境内が印象的だ。鴨都波神社は大神(おおみわ)神社の別宮とも言われ、高鴨神社が上鴨社というのに対して、下鴨社と言われている。祭神は事代主神(ことしろぬしのかみ)。付近には大規模な弥生時代の鴨都波遺跡も発見されており、この地方が古くから栄えていたことが伺える。祭神は田の守り神でもある。



この鴨都波神社に伝わる伝統行事が、7月の夏季大祭と10月の秋季大祭の折に行われる「ススキ提灯献灯行事」。奈良県の無形民俗文化財に指定されている。ススキ提灯とは、長さ2間半(約4.5m)もの竹製の支柱に、合計10張の提灯を3段にくくりつけたもので、先端部には白幣を掲げている。

奈良県内では、秋の収穫を終えた田に積みあげた穂を「ススキ」あるいは「スズキ」と呼び、このかたちを模したのがススキ提灯であるという。すなわち収穫の喜びを田の神に見てもらい、五穀豊穣、家内安全、無病息災を祈願する行事である。祭りのときには30余もの提灯が町内から神社に奉納され、持ち手は竿を回したり派手な動作で持ち替えたりし、観衆のどよめきを誘う。秋季大祭のときには重さ1tの神輿行列もあり、勇壮な練りが御所の町に秋の深まりを告げる。


勇壮な伝統行事(県指定無形民俗文化財)である。ぜひ、足をお運びいただきたい。
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忍坂街道まつり、11月4日(日)開催!(2012Topic)

2012年09月28日 | お知らせ
桜井市忍阪(おっさか)区は、本年(2012年)11月4日(日)10:00~16:00、「忍坂街道まつり」を開催される。参加は無料である。HP「忍坂街道」によると

忍阪では、来る11月4日(日)に「記紀万葉故地 忍坂の風」体感イベント「忍坂街道まつり」と題し以下のイベントを忍坂坐生根神社をメイン会場として開催いたします。講演会やコンサートのほか忍阪の名所、旧跡のご案内等も予定しています。皆様のお越しを、お待ちしています!!

一部・講演会 10:00--11:30  
「古代の桜井・忍阪の里~考古学から見た古代の忍阪」
 講  師:桜井市教育委員会 橋本輝彦氏

講師をつとめていただく橋本先生は初期ヤマト政権発祥の地である 纒向遺跡の発掘調査の責任者としてご活躍中で、2009年、「卑弥呼の宮殿か!」と話題になった大型建物跡の発見でもマスコミに数多く登場され県下で一番名前の知れた考古学者のお一人かと思います。飾らない性格と考古学に対する直向な姿勢に個人的なファンの方も数多く、今後もっとも期待される考古学者といえるでしょう。忍阪近辺の発掘調査(赤尾熊ケ谷古墳群等)にも数多く携わっておられ、当日の講演会がとっても楽しみです!!



二部・記紀万葉歌コンサート 13:00--14:30
「記紀万葉・さくらい」
☆語りと歌:万葉うたいびと 風香
 演 奏 :吉田幸生(ピアノ)他


万葉うたいびと 風香さんは昨年行われた忍阪のライブコンサートや明日香村で毎年行われる「万葉の歌音楽祭」でも、おなじみの万葉歌の歌い手です。約1300年前の言霊、万葉集に現在風のメロディーと意訳をつけて、万葉集に新しい息吹を与え現在に万葉集を生き返らせてくれています。愛知県刈谷市のご出身で万葉歌ユニット「とこおとめ」、万葉うたいびと「風香」としてライブ活動やまた地元ラジオ出演や地方ライブを積極的に行い万葉歌の普及に努められています。
♪代表曲♪
・「妹が結びし…」(第6回万葉の歌音楽祭 犬養万葉記念館賞受賞)
・「秋山の樹の下隠り」(第7回万葉の歌音楽祭 明日香村長賞受賞)
・「秋の風吹く」(第9回万葉の歌音楽祭 犬養万葉記念館賞受賞)
・「祈り」(石位寺 伝薬師三尊石仏イメージソング) 他多数  

関連イベント 10:00~16:00
①忍阪の名所・旧跡のご案内 

②石位寺の国指定重要文化財「伝・薬師三尊石仏」無料特別拝観など。


車で来られる方は、「桜井市グリーンパーク」駐車場をご利用いただきたい。会場まで徒歩約9分である。

忍阪とはどんなところか。HP「忍阪の風」によると《忍阪(おっさか)とは、奈良県桜井市の東部の地名で、一見何の変哲もない、山間の静かな集落です。しかし、そこには、日本最古の石仏とされる「伝・薬師三尊石仏像」がある石位寺や、舒明天皇陵や鏡女王のお墓など、古代の歴史や万葉集などに興味のある方には、この上なく魅力的なスポットが数多く存在しています》。


「忍阪の風」ホームページより拝借(トップ画像とも)

「伝・薬師三尊石仏像」は《わが国では最も古い石彫りの三尊仏として『国の重要文化財』に指定されています。三尊を刻んだ石版の大きさは、高さ1.18m、幅1.25m、厚さ約34cmで、丸みをおびた安産岩(諸説あり)に彫刻されています。中尊は方形の台座に腰掛けた如来形で、頭上に天蓋が描かれています。背後に頭光と背もたれが表示され両脇侍は合掌して立ち、頭光が描かれています。三尊とも薄い法衣を通して内部の肉体の起伏がよく現れており、布の質感も巧みに描かれています。作られたときは彩色されていたらしく、そのあとが像の唇と着衣にわずかに残っていて唇に紅をさした美しい石仏です》《晩年の川端康成氏がこの石仏を見て、『ほのぼのとした暖かいものがある、美少女といった感じでもあろうか』と言われたそうです》。

「忍坂街道まつり」の日には、この美しい石仏も特別開帳される(無料)。よほどの奈良通でも、忍阪に足を運ばれた方は少ないと思う。ぜひこの機会に、忍阪をお訪ねいただきたい。

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奈良ビブレ跡地活用に要望書、「地域の核となる商業施設を」(2012Topic)

2012年09月27日 | お知らせ
跡地利用に注目が集まる奈良ビブレ(2013年1月20日閉店予定)について、「商業施設を検討してほしい」という要望書が提出されたというニュースが出ていた。産経新聞奈良版(9/27付)「ビブレ跡地 商業施設を 地元商店街 運営会社に要望書」によると

来年1月に閉店する奈良市小西町の商業施設「奈良ビブレ」の跡地利用について、周辺の8商店街でつくる「市中心市街地活性化研究会」は26日、運営するイオンリテール(千葉市)に対し、「商業施設を検討してほしい」などとする要望書を郵送したと発表した。送付は25日付。

同研究会は跡地について「市中心部の商業集積の核となる場所」とし、商業施設を中心に利用を▽子供の健全育成を損ねない施設に▽国の補助金の活用も視野に-の3項目を要望した。同研究会は、同社から閉店の方針を伝えられて以降、跡地利用を考える会合を重ね、役員会で要望書をまとめた。


なお同日付の奈良新聞「来年閉店の奈良ビブレ 土地建物所有権が移転」によると《来年1月20日に閉店する奈良市小西町の大型商業施設「奈良ビブレ」の土地と建物の所有権が奈良市内の不動産会社に移転していることが26日、分かった。所有権は今月19日付で、土地と建物はイオンリテール(千葉市美浜区)と日本生命保険(大阪市中央区)、損害保険ジャパン(東京都新宿区)の3社から奈良市下三条町の浅川ハーベストビル(浅川哲弥社長)に移転された。敷地面積は約4800平方メートル、建物の延べ床面積は約2万1000平方メートル、売り場面積は約1万8000平方メートル》とあった。

また毎日新聞奈良版(9/27付)「奈良ビブレ イオン、土地を奈良の不動産業者に売却 用途明かさず」によると

来年1月に閉店する商業施設「奈良ビブレ」(奈良市小西町)の土地について、施設を運営する「イオンリテール」(千葉市美浜区)が、奈良市下三条町の不動産賃貸業者「浅川ハーベストビル」に売却したことが26日、関係者への取材で分かった。同社は閉店後の使途について「現段階では公表できない」としている。

奈良ビブレは地上4階、地下1階建ての商業施設。68年に開店した総合スーパー「ニチイ奈良店」が前身だ。90年に現在の若者向けファッションビルとしてリニューアルオープンしたが、近年は売上が低迷していた。奈良ビブレが加盟する「小西通商店街振興組合」の井岡正浩理事長は「にぎわいづくりにつながるような施設になるようお願いしていきたい」と話した。一方、浅川ハーベストビルは「今後の用途は白紙というわけではないが、現段階では公表できない」としている。


「白紙というわけではないが、現段階では公表できない」というところが気になる。地元では、「マンションになるのでは」と心配する声が高いからだ。ビブレには267台分の立体駐車場があり、これがなくなることの痛手も大きい。奈良市中心市街地活性化研究会の松森重博会長は、ご自身のブログで「奈良ビブレのあとはいったい何になるのだろうか?」として、このあたりの経緯を紹介されている。

9/7付の奈良新聞「国原譜」には《奈良市の伊藤明子さん(76)からお手紙をいただいた。内容は「新大宮も○○百貨店、○○屋が消え…老舗のすし屋もなくなり、いったいこれからどうなっていくの」という問いかけ。「自転車にも乗れず、ショッピングカートでいける便利が懐かしい」と言い、いろいろな店がそろっていた商店街全盛の時代を振り返る。今買い物をどうしているのか聞いた。伊藤さんは月に2回ほど市内の大手スーパーに出掛け、買い求めたものは有料の配達サービスで届けてもらう。魚は別の小売店に配達してもらっている。時々、カートを引く高齢者を見掛ける。食品スーパーなどが撤退した地域で暮らしていくには、買い物の労力が大変だ》とあった。

高齢化が進むなか、経済的合理性だけではなく、地域社会の将来を見据えた施策が求められている。
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ラジオドラマ「なら記紀万葉ファンタジア」、10月9日から全12話!(2012Topic)

2012年09月26日 | お知らせ
県の「記紀万葉プロジェクト」にあわせ、『古事記』をモチーフとした15分間のラジオドラマ「なら記紀万葉ファンタジア」(全12話)が、10月9日(火)から毎週火曜日20:00~20:15(再放送は土曜日22:00~22:15)、ならどっとFM(78.4MHZ)でオンエアされる。奈良市以外の方は、こちらのサイマルラジオ(インターネット放送)で、同時間帯に聞いていただける。読売新聞奈良版(9/18付)《神話ドラマFMで放送 母親らの劇団・小町座 来月9日から「想像力膨らませて」》によると

子育て中の母親らでつくる奈良市の劇団「小町座」が、子供たちに「古事記」や「日本書紀」の世界に親しんでもらおうと、ラジオドラマ「なら記紀万葉ファンタジア」を製作している。演出と指導を担う劇作家の小野小町さんは「昔の神様の物語を聞くことで、自分の命が過去とつながっていることを知り、命の大切さを感じてほしい」と期待。市内のコミュニティーFM「ならどっとFM」(78・4メガ・ヘルツ)で、10月9日の放送開始を目指している。


県の「記紀・万葉プロジェクト」に合わせ、小野さんらが子供の頃に読んだ神話の楽しさを今の子供にも伝えたいと企画した。母親らの声で子供に語りかけるラジオドラマが記紀に合うと考え、「ならどっとFM」の協力を得て準備を進めている。

ドラマは、神々が日本列島を生み出す「国生み」や、桜井市の三輪山伝説などを盛り込んだ12話で構成。海辺の町から三輪山の近くに引っ越してきた小学6年の兄と3年の妹が登場する。海がないと嫌がる兄に、祖母が「奈良には言葉の海がある」と手渡した1冊の本を通してきょうだいが精霊「キキ(記紀)」と出会い、神話の世界に引き込まれるというストーリー。現代と過去を行き交うファンタジーに仕上がっている。



製作前、桜井市の大神神社や田原本町の多神社などを訪れて関係者に取材。今月から、キャスト3人が小野さんの指導を受けて同FMの編集スタジオでドラマを収録しており、劇団代表の武藤直緒さん(43)は「大神神社で、神様がいる山の空気や香りを体で感じてきた。その思いが伝わる演技をしたい」と意気込む。

ドラマは1回15分。10月9日午後8時にスタートし、以降は毎週火曜に放送する。同FMが聴けるエリアは県北部が中心だが、ホームページ(http://www.nara.fm/)からインターネットラジオにアクセスすれば、国内外で楽しめる。

 同FM営業企画室の羽原あき子さん(37)は「電気もテレビもない昔の人は、真っ暗な中で物語を聞いて想像力を膨らませていた。静かなところでラジオをつけ、ドキドキしながら神話の世界を味わってほしい」と呼びかけている。


10月からは、記紀にちなんだウォーキングイベントなどがたくさん催されるが、ラジオドラマはこれが初登場である。秋の夜長、ぜひラジオに耳を傾け、神代の世界をお楽しみいただきたい。



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