tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

横堀美穂さん(川上村・宿HANARE)/第5回奈良日賞を受賞!

2016年09月30日 | お知らせ
今朝(9/30)の奈良日日新聞の1面に、こんな記事が出ていた。同社が主催する奈良日賞(第5回)に、宮崎明子さん(古代日本茜研究所代表 68)、若野達也さん(若年認知症サポートセンター「きずなや」代表 42)とともに、農家民宿「宿HANARE」オーナーの横堀美穂さん(35)が選ばれたのだ。おめでとうございます! 表彰式は10月14日に開催される「新生奈良研究会新年度総会・記念講演会」で行われる。※トップ写真は朝日新聞奈良版(7/21付)から拝借

同紙によると横堀美穂さんの受賞理由は《平成25年に、川上村地域おこし協力隊として東京から着任。今年3月で任期を終え、宿泊客と地元をつなぐ場づくりとして、農家民宿「宿HANARE」を7月1日にオープンさせた。村の活性化に一役買う活動が認められた》。横堀さんと「宿HANARE」のことはたくさんのマスコミに取り上げられたし、私もオープン前にお邪魔したことがある。朝日新聞奈良版(7/21付)「農家民宿が7月にオープン 農業・カヌー体験」によると、

川上村中奥の渓流のほとりに農家民宿HANARE(ハナレ)が7月1日、オープンした。2013年に村へやってきた地域おこし協力隊1期生の横堀美穂さん(35)が、農家を改修した。朝夕食を自炊する1日1組限定で、農業体験やカヌー体験などができる。横堀さんは岐阜県出身。東京で会社員をしていた11年3月、ビルの9階で東日本大震災を体験した。揺れが長く続き、「ここに住むのはいやだ」と感じた。

インターネットで偶然、川上村が地域おこし協力隊員を募集しているのを見つけ、応募した。3年間協力隊員を務め、今年3月に「卒業」した。結果を残すために何が出来るか。地域活性化のアイデアはあるのに、それを実行に移す人がいない。「知識も技術もないけれど自分で動き出さないと」と、借りていた農家の母屋を民宿にすることを思いついた。

ログイン前の続き床面積約140平方メートルの木造平屋建て住宅の畳を替え、おくどさんのある土間に薪(まき)ストーブを置いた。老朽化した風呂場は取り壊し新築。ガラス張りにして渓流のある山間部の自然を望めるようにし、湯船に地元の杉を使った。同郷で昨年9月から協力隊員になった夫寛人さん(34)と運営する。朝夕食は横堀さん夫妻が地元の野菜を提供し、宿泊客と一緒に調理する。

寛人さんは「おくどさんで炊くごはんの味は格別です。冬場はイノシシのジビエ鍋など季節の食材を楽しめるように工夫したい」と話す。協力隊員で登山ツアー専門の旅行会社に勤務していた竹中雅幸さん(26)らが主催するエコツアーとタイアップ。土日を中心にカヌー体験ができ、今後は洞窟ツアーや冬場に凍る滝の見学ツアーなどを計画している。

横堀さんは「田舎に住みたいと思っている人に宿泊してもらい、実際に田舎暮らしを体験できる施設にしたいです。空き家の活用を考える村の人の相談にも乗れれば」と話す。今後は同村に移り住む人との交流ができないかと考えている。宿泊は1組限定。2食分の食材費込みで1人8500円。小学生は4千円。問い合わせは横堀さん(090・7090・7892)。(菱山出


横堀さん、本当におめでとうございます。今回のご受賞を機に多くの若者が横堀さんに続き、川上村、ひいては奥大和の良さに気づき、当地に住んで地域の魅力を全国に発信していただければ、と期待しています。これからも頑張ってください!
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インバウンドビジネス実践研修(県ならの魅力向上課)にご参加を!(2016 Topic)

2016年09月29日 | お知らせ
外国人観光客の増加に伴い、具体的にどのように動いてどのように稼げば良いのか、とお悩みの方も多いと思う。そんな方にうってつけの研修プログラムがある。
※写真はすべて昨年度に実施された「地域版DMO構築コース(初級編)」(県観光局主催)で撮影

ならの魅力向上課(奈良県観光局)が主催する「平成28年度 奈良県インバウンドビジネス実践研修」である。原則として無料で参加できる(宿泊研修は自己負担10,000円など)。初回(第1部)の申し込み締め切りは、10月10日(月)に迫っている。

講師陣も豪華で、村山慶輔氏(株式会社やまとごころ 代表取締役)、山田拓氏(株式会社美ら地球 代表取締役)、米原亮三氏(NPO日本文化体験交流塾 理事長)など。県からいただいた資料によると、


山田拓(やまだ・たく)さんの講話。トップ写真とこれら2枚は、奈良商工会議所で撮影(2/15)



平成28年度 奈良県インバウンドビジネス実践研修 参加者募集のご案内
訪日外国人観光客(インバウンド)が増加する中、地域に外国人観光客を取り込み、観光消費を 通じて地域活性化に繋げることが、地方の重要な課題となっています。

インバウンドを地域産業として育成するには、まず、地域の観光の現状(観光資源、立地、交通網、 関係者等)を把握し、どの観光資源を、誰をターゲットに、どのように売り込み、どのように稼ぐのかという現状 認識と観光戦略が極めて重要です。

この研修では、地域でのDMO構築を将来的な目標とし、インバウンドの現状把握、地域資源の現状 把握と活用の仕方、インバウンドビジネスの展開方法、地域の関わり方など、観光を稼げる産業として育成 するための基礎知識を学びます。



この写真と下の写真は飛騨市古川で行われた現地研修(2015.11.27~28)

本研修ではこのような方を応募をお待ちしています。
・観光地域づくりの旗ふり役になる方(市町村観光部局・観光協会・商工会議所などに所属する方)
・観光産業に携わりインバウンドを核とした事業展開に関心がある方、地域との協働を必要としている方
・観光産業への新規参入を考えている方(インバウンド事業に関心がある方、事業立ち上げに当たって他業種との繋がりを必要としている方)など

観光地域づくり・インバウンド事業に関する実力ある講師をお迎えし、先進事例と成功事例を踏まえた最先端のノウハウをレクチャーします。皆様の積極的なご応募をお待ちしております。




研修は3部構成で、お好みのものを選べる仕組みである。詳しくは末尾のチラシをご覧いただきたい。圧縮前のチラシデータは、私のFacebookに載せている。

第1部【基調講演】10月14日(金) 先着順 申し込み締め切り=10月10日(月)午後5時 受信分まで
第2部【先進地視察】11月10~11日(木~金)申し込み締め切り=10月24日(月)午後5時 受信分まで
第3部【講演】11月28日(月)、2月15日(水)申し込み締め切り=10月24日(月)午後5時 受信分まで

お問合せ・お申込み
奈良県インバウンドビジネス実践研修 事務局 True Japan Tour株式会社 担当:鈴木 千晶
Tel : 03-3868-3260 FAX番号 : 03-3830-0452 メールアドレス:nara@ijcee.com
営業時間:9:00~18:00 (土・日・祝を除く)


私は昨年度、この研修の前哨戦ともいうべき「地域版DMO構築コース(初級編)」に参加した。美ら地球(ちゅらぼし)の山田拓さんを講師に迎え、座学と飛騨古川への研修旅行を組み合わせた充実した研修だった。今回はこれに磨きをかけて、より実践的な研修となっている。

皆さん、ぜひお早めにお申し込みを!











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いよいよ近づく!南都銀行とクラブツーリズムの連携ツアー(2016 Topic)

2016年09月28日 | お知らせ
南都銀行とクラブツーリズムがコラボして作った奈良県南部・東部を巡るバスツアー、いよいよ近づいてきました。このツアーは、奈良県の観光振興を目的とした連携企画商品です。
※画像はすべてツアー当日の配布資料(未定稿)

奈良県南部・東部地域の観光振興は「奈良県総合戦略」に掲げられ、観光入込客数や宿泊客数の増加が具体的な施策の目標とされています。南都銀行は地域の魅力を活用した旅行商品の開発に協力し、同地域への「ひとの流れづくり」の実現に貢献いたします。

また、このツアーでは「ナント・なら応援団」(南都銀行OB・OGによるボランティアグループ)がガイド役として協力します。ツアーの概要は、



1.【円空仏と紅葉の天川村】11月7日(月)
 近畿以西唯一の円空仏群像・栃尾観音堂と紅葉の天川・洞川散策

2.【丹生川上三社めぐり】11月21日(月)
 いにしえの丹生川上神社はどこに~上社・中社・下社の由来をひもとく三社めぐり~

3.【邪馬台国の纒向と日本最古の神社・大神(おおみわ)神社】12月12日(月)
 神宿る聖なる山・三輪山 大神神社参拝と邪馬台国のロマンに思いを馳せて
 ~唐古・鍵、纒向、箸墓、黒塚古墳 卑弥呼の里めぐり~




募集販売は全てクラブツーリズム株式会社が行います。詳細は、同社会員情報誌「テーマのある旅」(2016 年 10 月号)または公式ホームページ(関西版 テーマのある旅)に掲載されています。 皆さん、ぜひお申し込みください!
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奈良検定1級対策講座は10月2日(日)!/クラブツーリズム奈良で(2016 Topic)

2016年09月27日 | 奈良にこだわる
クラブツーリズム奈良旅行センター主催の「奈良まほろばソムリエ検定!受験対策講座」、10月には1級、11月には2級の対策講座が始まる。講師はNPO法人「奈良まほろばソムリエの会」の精鋭で、会場は近鉄奈良駅ビルの5階だ。同センターのHPによると、
※写真は同センター主催の対策講座(奈良まほろばソムリエ向け)。9/11に撮影

「奈良まほろばソムリエ検定」(通称:奈良検定)とは、奈良ファンや奈良に精通した人を認定するためのご当地検定です。平成29年(2017年)1月の試験で第11回を迎えます。「奈良通2級」「奈良通1級」「奈良まほろばソムリエ」の3段階があります。ていねいな解説と実地研修で、合格を目指します!



1.奈良通1級対策講座
●開講日:10月2日(日)9:50集合 6,500円
10:00~12:15 傾向の分析 12:15~13:00 昼食〈弁当付)
13:00~15:45 実地研修 15:45~17:00 特集問題対策 ※受験には2級合格が要件となります。
お申し込みは、こちら

2.奈良通2級対策講座
●開講日:11月20日(日)12:50集合 4,000円
13:00~15:00 要点解説 15:00~16:30 実地研修 16:30~17:30 問題演習と解説
※2級対策講座ご参加の方には『チャレンジ奈良検定!練習問題集』(旧版)が付きます!
お申し込みは、こちら




電話でのお申し込みは、0742-90-1000(月~土 9:15~17:30)だ。難易度の高いものから順に開催している(ソムリエは実施済み)。1級はまる1日なので、お弁当がついている。2級は午後のみなのでお弁当はつかないが、『チャレンジ奈良検定!練習問題集』(旧版 1,000円)がつくので、大変おトクな設定となっている。



奈良検定もスタートして11年目となり、たくさんの合格者を輩出している。ソムリエ合格者の約7割は「奈良まほろばソムリエの会」に入会され、活発に活動している。

奈良検定は2級を受験・合格→体験学習プログラムを受講して1級を受験・合格→ソムリエを受験・合格と、少なくともソムリエまで3年かかる仕組みである。ぜひ多くの方にチャレンジしていただきたい。皆さん、受験対策にはこの「受験対策講座」をぜひご利用ください!
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奈良の良さ by 岡潔著『春宵十話』/観光地奈良の勝ち残り戦略(109)

2016年09月26日 | 観光地奈良の勝ち残り戦略
先日(9/22)「地元民からの反論」(観光地奈良の勝ち残り戦略 108)という記事を書いたところ、2日間で5,000人以上の方からアクセスをいただき、恐縮している。Facebookにも、数え切れないほどのコメントをいただいた。今日は故岡潔氏の「奈良の良さ」という文章を紹介する。NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」のYさんからご教示いただいた。素晴らしい文章なので、講演などでよく紹介させていただいている。
※写真は、すべて奈良公園。2008.11.15撮影

岡氏は紀見村(現・和歌山県橋本市)のご出身だ。《数学者。京都大学理学部数学科を卒業 (1925) 。母校および広島文理科大学助教授を経て,奈良女子大学教授となる (49) 。同大学名誉教授。理学博士。数学に関する初期の研究は,有理関数についてのものであったが,1929年から4年間パリへ遊学し,その後多変数解析関数論の研究に着手,「岡の原理」「はり合せの原理」を立てて,そこで未解決であったクーザンの問題第1,第2,近似問題,レビーの問題を決定的に解決し,世界の数学界に大きく貢献した》(『ブリタニカ国際大百科事典』)という方である。では、全文を紹介する。

 春宵十話 (角川ソフィア文庫)
 岡 潔
 KADOKAWA/角川学芸出版

古い奈良の良さが次々と失われてゆくという状態に対して、「これでは困る」ということはいいやすいが、「それならこうしたら・・・」とはなかなかいいにくい。しかしそれにこだわらずに感じたままを話すと、奈良の良さといってもわからない人が政治をやっているといえる。

だいたい、ことばを聞いてわかるというが、それで内容までちゃんとわかるということはない。たとえば秋の日射しと言っても、秋の日の射し方ということではないが、それは自分が本当に秋の日射しの深さがわかるようにならなければ、ことばでいってもわかりはしない。

してみると本当にわかるのは簡単なことではない。私の好みをいえば奈良の築地塀のこわれた所など、世の移り変わりに超然としているようなのがいいと思うが、こういう奈良の良さというのも秋の日射しというのと同じで、わかる人にしかわからないだろう。
 
秋の日射しがわかるといったわかり方はだんだんと少なくなって来ているのではないだろうか。金の時代、銀の時代という考え方があるが、明治からこちらの日本文化をみると、漱石の全盛時代は金の時代で、その弟子の寺田先生あたりは銀の時代だった。そうして私たちの世代はもう銅の時代で、日没前という印象はぬぐえない。



こうしてだんだんと秋の日射しもわからなくなって来ている。特に、あまり強くないニュアンスというものがわからなくなっている。奈良に限らず、本当の良さがわからなくなって、形式的に大切にしているだけだという気がする。そうしたところで国が貧乏するわけでもないから、軽くみているのではないだろうか。

しかし、これはたとえば皮膚が傷ついて損なわれるようなもので、心臓や肺のような内臓部でないから構わないように見えるけれども、皮膚から細菌がいくらでもはいり、ついには内臓を侵すようになる。映画や小説を通じて悪質の趣味が侵入すると人の心は腐敗し、それは死に直結する。

奈良の良いものを保存したいが、本当に良いものはちょっとしたところ、何でもないところにある。これを守るには良いとする人に政治をやってもらわねばならないが、それには、良いもののわかる次の時代の人を育てるのが一番近道で、また確かな方法だと思う。



そこで現状ではそういう世代にそっくりそのまま残してやるのが一番大切だということになる。いまああすれば良い、こうすれば良いというのは危険で、良いものがわかっていないのだからいじり回すのはむしろ破壊に通じ、だんだん悪いほうへ行ってしまう。破壊がひどくならないうちに良いものがわかる人たちが出てきてやってほしいと思う。

奈良は日本文化の発祥地で、民族としてインフェリオリティ・コンプレックスを持たない時代の文化が栄えた所だけに、本当に良い所だと思う。だからこういう所を保存しておくのは良い趣味をつちかい、新しい文化を興す元になるのではないだろうか。観光観光というけれども、もちろん見に来たい人は来ればよいが、それよりもこの町を中心に日本らしい文化を興したいものだ。そんな夢を私は持ち続けている。


これは素晴らしいお話である。とりわけ
●奈良の築地塀のこわれた所など、世の移り変わりに超然としているようなのがいいと思うが、こういう奈良の良さというのも秋の日射しというのと同じで、わかる人にしかわからないだろう。
●奈良の良いものを保存したいが、本当に良いものはちょっとしたところ、何でもないところにある。
●観光観光というけれども、もちろん見に来たい人は来ればよいが、それよりもこの町を中心に日本らしい文化を興したいものだ。そんな夢を私は持ち続けている。
というところには深く頷いた。

奈良の観光振興はもちろん大切なことではあるが、「奈良は、大仏を拝んで鹿にせんべいをあげて40分の観光地」などと揶揄されると、そんな観光客には来てほしくないと思う。おそらく東大寺も望んではいまい。

奈良は安物の観光地をめざすべきではない。「修学旅行生が減って困っている」というが、おそらく奈良の良さは子どもには分かるまい。奈良に来るなら、きちんと事前学習してから来てほしい。

志賀直哉は「奈良は名画の残欠(ざんけつ=切れ端)のように美しい」と書いた。岡潔は「奈良の築地塀のこわれた所など、世の移り変わりに超然としているようなのがいい」とする。このような「奈良の良さ」の分かる人にこそ、奈良に来ていただきたいものだ。
コメント (9)
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