tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

日本のクズ(葛)が、アメリカを征服!?

2016年07月31日 | 日々是雑感
秋の七草の1つに数えられ、根のデンプンからは「吉野葛」や「葛根湯」が作られるという日本人にはおなじみの植物、クズ(葛)。『日本大百科全書』(ニッポニカ)によると、
※写真はすべて、こちらのサイトから拝借

マメ科の藤本(とうほん)。茎はつる状で、褐色の粗い毛があり、長さ10メートルにも達して基部は木化し、根は長大で多量のデンプンを蓄える。(中略) 北海道から奄美(あまみ)群島の山野に生え、朝鮮半島、中国、東南アジア、太平洋諸島にも分布。根のデンプンは葛粉(くずこ)になり、茎の繊維で葛布(くずふ)を織る。昔、大和(やまと)(奈良県)の国栖(くず)の人がデンプンを売りに出したので、この植物をクズとよぶようになったという説がある。秋の七草の一つ。

そんな葛が、アメリカで大繁殖!文字通りのクズ(屑)として邪魔者扱いにされ、いつの間にか国際自然保護連合の「世界の侵略的外来種ワースト100」に選ばれているというから、驚きだ。Wikipediaによると、





北アメリカでは、イシミカワ(タデ科のつる草)と並ぶ最悪の害草。1876年にフィラデルフィアの独立百年祭博覧会の際に日本から運ばれて飼料作物および庭園装飾用として展示されたのをきっかけとして、東屋やポーチの飾りとして使われるようになった。さらに緑化・土壌流失防止用として政府によって推奨され、20世紀前半は持てはやされた。しかし、繁茂力の高さや拡散の早さから、有害植物ならびに侵略的外来種として指定され、駆除が続けられている。



葛は肥沃な土地によく育つと言うから、アメリカの土壌が葛に合ったのだろうか。こちらのサイトにもたくさん写真が出ているが、これは悲惨な状況である。動画は以下の通りだ。

The Amazing Story of Kudzu - 1996 Documentary

動植物は環境が変わると、かくも悲惨な状況になるという教訓である。葛の葉はいい飼料になるので、ここで羊を放牧すると平らげてくれると思うが、これは相当の頭数が必要だ。何か解決策はないものだろうか?
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今井灯火会(第9回)/8月6日(土)開催!(2016 Topic)

2016年07月30日 | お知らせ
恒例の「今井灯火会」(橿原市今井町)、今年で9回目を迎える。私は昨年、お邪魔した。涼風の吹く中、ゆらめく灯火を見たり、手作りの冷やし飴をいただいたりと、中世の町並みの中でゆっくりと流れる時間を楽しんだ。写真は、そのとき私が撮ったものである(2015.8.8 撮影)。今井町町並み保存会のHPからイベントの概要を拾うと、







第9回 今井灯火会
目  的 「灯りが町を明るくします」 灯火会活動を通じてまちに一人ひとりが灯をともし、町の安全と繁栄を願い、さらに町民の親睦と、団結を深めることを目的とする。
開催場所 橿原市今井町(重要伝統的建造物群保存地区内)
開催日時 平成28年8月6日(土) 19:00(点灯式)~22:00(消灯)
※荒天時、灯火行事は中止します。ただし、呈茶席・冷やし甘酒・冷やし飴水は実施します。
主  催 今井灯火会実行委員会
構成団体 今井町自治会・今井町町並み保存会・今井町防災会・今井春日講・行者講・今井なごみ会・今井わかば会・今井青年会・橿原市消防団第九分団・ボーイスカウト橿原第5団・今井町区域街並み環境整備協議会・今井地区民生児童委員協議会・NPO法人今井まちなみ再生ネットワーク
後  援 橿原市、橿原市教育委員会



オープニングセレモニー(華甍前)。向かって左端が若林さん。右から2番目が橿原市の森下市長





今井灯火会実行委員会委員長で、今井町町並み保存会会長の若林稔(梅香)さんは、今井灯火会は「教育の場」と言い切る。学生にホンネで語った梅香語録(1)から拾うと、



「今井灯火会(とうかえ)」をやりますと、ここで人が動いてますと。人が動いてるけれども、表はこういうふうに動いていますと。そやけどその裏で、町の人がこんだけ動き始めました、子供がこんだけ動き始めましたと。短冊を作ったり、コップを作ったりしてますと。(冷やし飴用の)水を汲みに行きますと、その水はこれだけ要りますと。それはホンモノの水(天川村のごろごろ水)を汲みに行きますと。







「ごろごろ水を汲んできた」言うたらすぐ飲めると思うけれど、天然水は家庭で飲むなら良いけど、人前に出すときは 60 度以上で煮沸せな提供でけへん。そやけど機械で煮沸したものは、市販されてんねん。市販されたものを買ったら、この間(かん)の手間(汲んできて、人の手で煮沸する工程)をかけとらん。この過程を知らないうちに通り過ぎているわけや。そやけど汲んでくるエラさ(大変さ)、煮沸せなあかんエラさを乗り越えて、さりげなくお客さんに出せたら、これがホンマもんやねん。







灯火会名物・冷やし飴(ごろごろ水を使った飴水)。さっぱりと美味しい

(飛鳥の山の竹藪へ材料の竹を切り出しに行って)竹コップ用に切る。これ、子供たちが切ってくれる。この冷やし飴の水は、単なる水と違うねん。ここ(煮沸するという手間)をくぐっとる水や。竹コップも、ここを通過しとるコップや。そやけど「竹のコップで回し飲みか、汚い」と言う人が多い。「紙コップにすりゃええのに」と。これが今の相場(状況)やねん。



そやない。回し飲みするからこそ、みんな丁寧に洗うねん。子供はコップを丁寧に丁寧に洗うねん。「飲み口で傷ついたらあかん」って(サンド)ペーパーで磨いとる。これで「他人(ひと)に対する思いやり」を勉強しよるわけや、子供が。お客さんに喜んでもらうためやない。そんな教育をするために「今井灯火会」をやっとんねん。




灯火会の日、今井町を訪ねると町の皆さんは、温かくお迎えしてくださる。準備も後片付けも、さぞ大変だろうとお察しする。それでなくても木造家屋の町なかで火を使うイベントをするには、細心の注意が必要だ。さまざまな困難を切り抜け、このような住民手作りのイベントを9年間も続けて来られたというのは、素晴らしい地域財産である。





巷には自治体の補助金を使った安易なイベントや、イベント制作会社頼みの催しは数多い(おカネがなくなると、すぐに止めてしまう)。そんな風潮のなか、住民手作りの持続可能なイベントにこだわる今井町の皆さんのご努力には、頭が下がる。



今井町の皆さん、若林さん、今年も来年もその先もずっと、温かい灯火でこの中世の町を照らし続けてください!

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ヤマト王権誕生の地 纒向/8月7日(日)、橋本輝彦氏が語る!(2016 Topic)

2016年07月29日 | お知らせ
邪馬台国畿内説の最有力候補地であり、ヤマト王権誕生の地・纒向(まきむく)。平群町中央公民館で、橋本輝彦さん(桜井市纏向学研究センター主任研究員)が熱く語る! 参加は無料で申込は不要というから、これは有り難い。主催者である平群史蹟を守る会のHPによると、
※画像は同講演会のチラシ。データは平群町教育委員会のKさんからお送りいただいた

第37回 夏季公開講演会
日 時:平成28年8月7日(第1日曜日)午後1:00開場/午後1:30開演
場 所:平群中央公民館 大ホール(1階)※近鉄生駒線平群駅下車、西へ徒歩8分
演 題:「ヤマト王権誕生の地 纏向(まきむく)」
講 師:桜井市纏向学研究センター 主任研究員 橋本輝彦 先生

ヤマト王権成立の地として、あるいは邪馬台国の東の候補地として注目される、纏向遺跡の調査や研究の成果を紹介いただくとともに、 纏向を取り巻く当時の盆地内勢力の姿についてお話しいただきます。*尚、当日台風などで警報が発令された場合は電話で問い合わせください。

申 込:不要、入場無料
主 催:平群史蹟を守る会(事務局:平群町教育委員会内 0745-45-2101)
共 催:平群町教育委員会


橋本輝彦さんは、まさに新進気鋭の研究者である。私は今、ガイドに備えて纒向遺跡を勉強しているので、これには参加するつもりである(チラシには「講演 午後1:30~4:00頃」とあるが、講演だけでそんなに長くはならないだろう)。皆さんも、ぜひご参加ください!




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真田丸(29)異変

2016年07月28日 | 日々是雑感
NHK大河ドラマ「真田丸」の第29回(7/24)は「異変」だった。秀吉に忍び寄る「老い」による異変が不気味だ。そこへ追い打ちをかけるように大地震(慶長伏見地震)が起きる…。NHKのHPからあらすじを拾うと、

信繁は、秀吉じきじきの肝いりで、大谷吉継の娘・春を正室に迎える。信幸は、秀吉が新たに築城しようとする伏見城の普請を受け持つことになるが、うまくいかない。一方、きりは細川ガラシャと出会いキリスト教に興味を抱くようになる。権力の絶頂にある秀吉は嫡男・秀頼の行く末を心配するが、老いが秀吉を激しくむしばみ始める。


秀吉がボケ始める。寝小便をするし、同じことを何度も言う、つまずきやすくなる、ヒゲがなくなる(付けヒゲでごまかす)。信繁に「死にとうない」とすがる。そのあと起きたのが「慶長伏見地震」。この地震で伏見城の天守が大破、城内でも多くの人々が圧死した。少し長くなるが、HP「ちずらぼのちずらぶ」から抜粋すると、

慶長伏見地震は伏見付近にある有馬-高槻断層帯と六甲・淡路島断層帯が震源となった直下型地震で、マグニチュード(M)は7.5程度と推定されている。京都や堺での被害が大きかったことが伝えられているものの、揺れは(被害も)関西の広範囲におよんでいる。そう考えると慶長「伏見」地震という命名は不思議でもある。歴史地震は元号名で命名されるケースがほとんどだが、中世以降は地震名に地名が入ることも珍しくなくなった。しかし大概は「江戸」「鎌倉」といった都のあった都市名か「出羽」「遠江」などの国名がつけられる。これに対して慶長「伏見」地震というのはかなりピンポイントな命名といっていい。


おりしも天下を司っていたのは豊臣秀吉であり、その秀吉の居城として建てれらた伏見城が完成直後にこの地震に襲われた。天守閣が大破し、城内だけでも多くの死者(300人とも600人以上ともいわれる)が出ており、そのほとんどが圧死であったとされる。時の政権が伏見にあったことがこの地震名に反映されており、またこの地震にまつわる記録や逸話も多くの場合伏見城や秀吉に絡むものであることから(謹慎中だった加藤清正がいの一番に伏見城に駆けつけて秀吉に謹慎を解かれた「地震加藤」は有名)、慶長伏見地震の記憶自体が秀吉とリンクしているのが興味深い。

秀吉は1586年の天正地震も経験しており、築城にあたっては、「なまつ大事」(鯰〈なまず〉、つまり地震のこと)との指示している。実際に戦国時代後半は非常に大きな地震が多い時期でもあった。この伏見地震の直前にも9月1日に慶長伊予地震、9月4日に慶長豊後地震が発生しており、秀吉ならずとも地震を意識せざるを得ない時代でもあったのかもしれない。

秀吉はこの後倒壊した指月伏見城から木幡山伏見城(現在の伏見城がある場所)へと伏見城を移転させる。木幡山は地震の直後に秀吉らが避難した場所だが、指月伏見城に比べると地盤は強固なのでやはり地震を意識してのことだと考えられる。また、地震後に秀吉が大坂で政務を執ったことを事実上の「首都機能分散」であったとする考え方もある。この説も各地で大地震が頻発していたことを考えればそれなりに説得力はあるように思う。



秀吉にとっては泣きっ面に蜂、不安はどんどん拡大する。このあたり、秀吉役の小日向文世の演技が見事である。そして橋本マナミの登場!「愛人にしたい女性ナンバー1」「ポスト壇蜜」といわれるこのグラビアアイドルは、細川ガラシャ(明智光秀の娘)役だった。前回の秀次(新納慎也)を含め、演技派の男優陣、美女揃いの女優陣がドラマをより楽しいものにしてくれる。次回(いつもより45分早くオンエア)は、いよいよ豪華絢爛「醍醐の花見」が登場する。どんな華やかな宴となるか、これは楽しみである。では、締めに藤丸タダアキさんのブログから、彼の感想を紹介する。

真田信繁と大谷吉継の娘・はるが結婚します。信幸の妻・稲とはる。印象の違う二人。秀吉の寝小便を石田三成と信繁は片桐且元のせいにします。三成も信繁も次男坊です。私も次男なんですが、こういうちょっとことをしたがります 笑

真田丸29話は異変という題になっています。信幸の苦悩する伏見城普請。父の昌幸は遊郭通いをします。相手は吉野太夫。真田丸29話の題は異変…。異変ですね 笑 信幸・信繁の母、薫がそれに感づいたようです。

そして稲もこうのもとに通う信幸に怒ります。信幸の滑稽な立場で生きていく雰囲気がいいですね。信幸と側室のこう・稲に子供(信吉・信政)ができます。細川忠興の妻、ガラシャ(玉)夫人が出てきました。大阪屋敷では礼拝していました。

秀吉は家康にまつりごと【政治】の主体になってほしいといいます。秀吉は当初、奉行衆による政治を考えていました。しかし、家康を見て秀吉は頼ろうと考えたのでしょう。秀吉が正気ではないところ。これが真田丸29話異変のメインでしょう。そして秀吉は家康にまた同じことを言いました。家康の顔つきがそろそろタヌキと化していくでしょう。


この時期、豊臣家の武将の多くは朝鮮出兵に出ています。秀吉は心細かったのでしょう。秀吉は朦朧とし始めています。「死にとうない」と連発します。小日向文世さんはこの最期の姿のために選ばれたのでしょうか。昌幸は自分が普請の指揮を執るといいます。ここでも真田丸29話の題「異変」が垣間見えます。

最後に、信幸と信繁の2人の会話がありました。2人の立場の違い。徳川関係の信幸と豊臣関係の信繁。原因不明の灰が降ったそうです。そして、伏見大地震が起こりました。ここが真田丸29話の異変の極めだなぁという感想を持ちました。

さて、29話異変の全体の感想です。秀吉政権は末期を迎えています。秀吉亡き後、現政権の存続が危ういと人が感づく時期ですね。現代人よりもこの時代の人は迷信を信じました。灰や地震が起こったことよりもそれを感じ取った世間というのが怖いです。人心は不安に陥ります。前回は受難でした。受難からの異変。それがところどころに出てきました。真田丸29話異変の感想を書きました。
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湖北観音の里巡拝バスツアー/先着40名限定で9月19日(月・祝)開催!(2016 Topic)

2016年07月27日 | お知らせ
当ブログご愛読者に耳寄りなお知らせです。9月19日(月・敬老の日)に、「湖北観音の里」巡拝バスツアーを実施いたします。現地では現地のベテランガイドさん、バス車中では奈良まほろばソムリエの会のメンバーが楽しくガイドします。

なかなか行けない滋賀県長浜市の観音の里を巡ります。参加費は8,000円(ソムリエ会員は7,000円)。先着40名様限定です。ぜひ、お早めにお申し込みください!概要は以下の通りで、同会のHPにも掲載(PDF)されています。

■ 実施要項
◎平成28年9月19日(月・敬老の日)
◎集合場所と時間
 近鉄奈良駅(春日ホテル前)午前8時00分
 JR奈良駅(西口・ホテル日航前)午前8時10分
◎解散時間(予定)
 JR奈良駅を午後6時20分頃、近鉄奈良駅で午後6時30分
◎ 参加費:昼食つき、拝観料・現地ガイド料込み
 会 員 7,000円
 非会員 8,000円
◎ 定員 40名(先着順)

■ 拝観先
◎石道(しゃくどう)寺(十一面観音立像 重文)
◎渡岸(どうがん)寺観音堂(十一面観音立像 国宝)
◎西野薬師観音堂(薬師如来立像・十一面観音立像 重文)
◎赤後(しゃくご)寺(千手観音立像・伝聖観音立像 重文)

■ お申し込み方法など
◎お申し込みはメールでお願いいたします。
メールアドレス kozaburo@cg8.so-net.ne.jp(担当:雑賀)

◎ 申し込みの際には、以下の項目をご記入ください。
①氏名 ②当日連絡できる携帯電話の番号 ③乗車場所(近鉄奈良駅前・JR奈良駅前) ④会員・非会員の別
◎ 定員(40名)になり次第、受付を終了いたします。

お早目のお申込み、よろしくお願いいたします!

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