澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

クレバノフ・ストリングス

2008年06月22日 11時15分14秒 | 音楽・映画

ハーマン・クレバノフは、ロシア出身のヴァイオリニストで、「クレバノフ・ストリングス」のリーダーとしても知られた。
1950年代末、ステレオ録音が始まった頃、クレバノフ・ストリングスは、マーキュリー・レコードから映画音楽などのアルバムを出した。

下記の解説文、現在でも入手可能なCDに付けられたものを、引用させていただいた。「クレバノフ・ストリングス」が演奏するラテン音楽のアルバムは、何と東京で、日本のミュージシャンを使って行われたものだった。もちろん、クレバノフがヴァイオリンのソロを弾くパートもあり、リズム・セクションなどの主要なメンバーは米国から連れてきたと思われる。


このラテン・アルバムは、確かに素晴らしい音質で、当時のオーディオ・マニアをうならせた。だが、演奏を改めて聴いてみると、固くて面白みがない、と感じた。「遊び」の部分が欠けている、とも言えるだろう。
ライト・ミュージックと侮ることなかれ、この分野の音楽も結構奥深いのだ。

 

1974年に、ビクター・レコードに録音したクレバノフ・ストリングスのアルバムを、改めて聴き直して見ました。
いまさらながら、すごいアルバムを作ったものだと制作者自身感心してしまいました。
ラテン・ミュージックといえば,先ず素朴で泥くさい音楽をイメージしてしまいますが、クレバノフは、驚くほど洗練されています。
これほど高い音楽性を感じさせるラテン・アルバムを私は他に知りません。


オリジナル録音はマーキュリー・レコード、今ではユニバーサルミュージックの傘下ですが、
アーティスト陣には、ザ・プラターズ、テナー・サックスのシル・オースティン、そしてアンタール・ドラティ指揮のミネアポリス交響楽団等を擁し、
ワンポイント方式の荒削りながら迫力ある録音でオーディオ・ファンをうならせたものです。


そしてこちらは、日本ビクターが通常の2チャンネル・ステレオ再生が飽和状態に達し、
CD-4という4スピーカーで聴くオーディオ方式に社運を注いでいた当時の録音です。
録音担当は、ビクターを代表する名エンジニアの高田英男。
一介のエンジニアから今やビクター・スタジオの最高責任者にまで出世した彼の青年時代に残した代表作の一つです。


ちなみにその後、高田氏と私は、サリナ・ジョーンズ録音のコンビを組むことになり、
ベスト・セラーとなった「マイ・ラヴ」(スタッフとの共演)、「メロディーズ・オブ・ ラヴ」(ケニー・バレルとの共演)など数多くのヒット作品が生まれました。


LP全盛時代にオーディオ・チェックの定番として一世を風靡した名録音の復活は、時を経て再び注目を集め、
再評価されずにはいられないだろうと確信すら覚えます。
数曲マーキュリーとダブっている曲がありますが、クレバノフ氏は、アレンジ・演奏ともに手を加え、
いま聴いてもどこにも古臭さを感じさせるところがありません。


それどころか、K2 24ビット方式による、XRCDと全く同じ最新のマスタリング、CD製法によりアナログ録音のすばらしさが、
改めてくっきりと浮き彫りにされた気がいたします。


■クレバノフ・ストリングス / CLEBANOFF STRINGS■

LP全盛時代、オーディオチェックの定盤として一世を風靡した伝説の名アルバム今CDで甦る!
まばゆいばかりのストリングス、炸裂するラテン・パーカッションの魅力はLP時代をはるかに凌ぐ!

魅惑のラテン~クレバノフ・ストリングス


RELERSE : 2002年7月
PRCD-1671

定価 2,500(税抜価格2,381)