文科省は次期学習指導要領で「総合的な学習の時間」のあり方について、根本的に見直す方針を固めたという。当時、ゆとりの中で生きた力を養うことを目標に新設された科目である。これからの教育は、心豊かに、皆が仲良く生きて行くために必要な感性や倫理観などの文化をより重視すべきであり、また、あらゆるものに主体的に取り組み、常に自己を啓発する姿勢、創造性が必要である。
従来の科目にとらわれない横断的内容で、生きる力をを生き生き学ぶことができる「総合的な学習の時間」は、教員にとっても自らの創造性が発揮できる意義ある科目となるはずだった。
しかし、現在、中学校教員の6割がなくした方が良いと考えている。また、一部の学校で教科の補習や行事の準備に使われたり、学校間の取り組みに差がありすぎるらしい。そこで、今後は学習により身につける力を明確にして、評価も考えるという。
これら一連の経緯を見ると、その起因するところは、教師の科目に関する理念の認識が不足していたこと、そして授業を展開する創造的な能力の欠如と言わざるを得ない。残念でならない。
もうペーパーで知識を問う時代は終わって欲しい。教師の仕事は、旧態依然、教科書を教えることではない。生徒の実態に適した、真の生きる力を身につける実践が欲しい。それは明確な目標の設定であり、教材の工夫であり、指導法である。と同時に、教師の情熱、意欲が不可欠なことは言うまでもない。
これからは、いっそう広い視野からの教師の創造的教育活動が求められる。
教師のさらなる研鑽を求めたい。