エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

雪の季節の蕎麦と温泉

2008-02-18 | 旅行
          【小野川温泉 尼湯】

      
 日曜日、久々に孫に開放され、いつものコース「蕎麦と温泉」を楽しむドライブに出た。冬期間はあまり行かなかったが、雪の米沢の様子も見てみたかった。
 春の日差しに恵まれ、多少の春の気配を感じながら雪道を走った。

 喜多方の熊倉にさしかかったときk先生にばったり出会った。懐かしい限りであった。車を止めしばらく話した。勧められて、先生宅へ少し寄ることにした。趣味で飼っている観賞用の錦鯉を見せて頂いた。そういえば、在職中に水質について相談を受けたことがあったことを思い出した。
 養魚池はかなり広く、水深は2メータくらい、色や模様の違った錦鯉が、水温のせいだろうか、とてもゆったりと泳いでいた。
 懐かしい話をし、またの再会を願い辞去した。数分の時間のずれがあれば会うこともなかったであろう偶然の再会を思った。

 大峠にさしかかるカーブでパトカーが片側の通行規制をしていた。なんと大型のトラックが反対車線の山ぎわの雪につっこんでいるではないか。下りのカーブでスリップしたのだろう。もう少し通過が早かったら、事故に巻き込まれたかも知れなかったと思い、k先生との偶然の出会いが、なぜか幸いしたように思われた。
 アイスバーンの雪道を運転に注意しながら大峠を越えた。山形県に入ると一段と雪は深く、道の駅「田沢」なごみの郷はすっぽり雪に埋もれていた。

いつものように、妻は「もりそば」、私は2段重ねの大盛りを註文した。ここの蕎麦はとても美味しく、わざわざ遠くからでも訪ねたい、ときどき食べたくなる蕎麦である。食堂には正月の大きな「団子刺し」が飾られ、賑やかに春を思わせてくれた。


 ゆっくり蕎麦を味わって米沢へ下り小野川温泉を目指した。いつしか雪が舞い始めた。
 国道から逸れると、道は狭くなり、雪はいっそう高く積もっていた。途中、雪下ろしをしている家を何軒も見かけた。さすがにすごい。秋の雪囲いの周到な準備もうなずけるほどの積雪だと思った。
 目的地の小野川温泉「尼湯」はすっぽり雪に埋まっていた。お腹のカテーテルの穴がふさがって初めて、ゆっくり浸かる温泉は実にうれしかった。
小野川温泉はとても熱い。でも、熱いからといって水でうめたりすると客に怒られることがあった。きれいな透明なお湯にゆっくり浸かり、身も心も洗濯することが出来た。おっくうがらずに、また春までにもう一度行きたいと思っている。