エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

荒れる十日市

2015-01-10 | 文芸

 

   荒れる十日市と言われるが、朝から良い陽が当たっている。でも、強い風が吹きまくって寒かった。
 久々に磐梯山が見えるかと何度も雨戸を開けたが、残念ながら終日雲の中。

 麓から上は白い雲に覆われ、磐梯の雄姿を見ることは出来なかった。極寒の冬の間、北側の雨戸は閉めっぱなしだ。

 
 お昼のニュースで十日市の様子を伝えていた。午前中からすごい人出だ。

   

  昨年は腰を痛めて行けなかった十日市、どうしようか迷っていたが、伝統の風物詩を眺めてこようと思った。

 いつも夜出かける十日市だが、3時過ぎ、ドッジボールの練習を終えた萌えちゃんと友達を送る車に便乗することにした。

 僕は駅前で降りて別行動、賑やかな十日市の巷へと繰り出した。

 昼までの穏やかな天候は一転、瞬く間にすごい雪降りとなった。

 神明神社へお参りして、賑やかに混雑する人波に流された。

 椿餅の伊勢屋前 

   縁起物の店が並ぶ

 神明神社 

市役所通りから元の長崎屋や裏通りから蒲生氏郷の墓へ参った。十日市には必ず詣でていた。

墓は空風火水地の五文字を刻した五輪塔で、遺髪が納められている。初市の喧噪をよそに、豊かな静寂の空間だ。

 辞世の碑に「限りあらば吹かねど花は散るものを心みじかき春の山風」 

  

 ここまでは、いつも辿る道だった。 途中目に入った赤提灯に誘われた。氏郷候の墓所の裏にある虚空蔵尊にお参りしたあと、赤提灯の暖簾をくぐった。

天満虚空蔵菩薩 

 久しぶりの居酒屋、もつ煮込み、奨められたこんにゃくを頼んで、美味しいお酒を3つおかわりした。

  

  マスター

  お隣さんは常連のNemoさん、すっかり意気投合してしまった。

  家で心配しているだろう、店から携帯を借りた。ほどなく娘の運転で、妻が飛んできた。

  たまたま立ち寄った居酒屋で、愉快な十日市の思い出となった。